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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

オペアンプ入門②負帰還

2010-01-24 16:46:52 | 電子回路
さて、このような特性のオペアンプですが、いったいどのように使えば我々の役に立つのでしょうか。その方法はたった一つです。実は出力を(-)入力端に接続するのです。出力を(-)入力端に戻すので、これを負帰還(ネガティブフィードバック)といいます。ではさっそくやってみましょう。図をみてください。

出力を-入力端に直結した場合と、10kΩの抵抗を入れた場合の2種類を作ってみました。さて出力電圧はそれぞれ何Vになるでしょう。左の図で、仮に出力が3Vとすると、-入力端も3Vとなって出力は一気にマイナス側へ移動します。その結果出力が1Vになったとすると、-入力端も1Vとなって今度は一気にプラス側へ移動します。そして、出力が2Vになればどうでしょう。-入力端も2Vとなって+入力端と同じ電圧になります。つまりこの時には+入力端と、-入力端の差が0となり、出力電圧は2Vで静止し安定するのです。

では右の図の、10kΩを入れたほうはどうでしょう。先述のように、オペアンプの入力インピーダンスは∞Ωですから、出力電圧がどんな電圧であっても10kΩに電流は流れません。ということは10Ωの端子間電圧は0Vであり、この場合も左の図と同様、出力電圧は2Vです。さて、ではこの回路はどのように使われるのでしょう?下図をご覧ください。

「ボルテージフォロワ」
5Vで点灯するランプがあるとします。しかし、手持ちの電源は15Vです。そこで、抵抗を使って分圧し5Vを作りました。さて、この方法でランプは点灯するでしょうか?

左の図が抵抗分圧で作った5Vでランプを点灯させようとする回路ですが、これではランプに電流が流れていき、分圧の5Vが低下してランプは点灯しません。そこで、さっきのオペアンプ回路の登場です。オペアンプの入力インピーダンスは∞Ωですから、分圧の5Vが低下することはありません。また、出力インピーダンスは0Ωですから、ランプがいくら電流を流しても、出力の5Vも低下しません。というわけでランプは明るく点灯するのです。オペアンプのこの使用方法をボルテージフォロワといい、インピーダンス変換器としてよく用いられます。

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