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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

オペアンプ入門③非反転増幅回路

2010-01-27 22:33:31 | 電子回路
次に、前出の10kΩの抵抗を入れたフィードバック回路(ボルテージフォロワ)を少しいじってみましょう。

図のように、5kΩを追加してみました。さて、オペアンプの出力は何Vになるでしょう。オペアンプの出力は、とにかく+入力端の電圧と-入力端の電圧が等しくなったところで安定するのですから、出力がある電圧で安定しているとすれば、-入力端の電圧は2Vであるはずです。5kΩの片端は0Vですから、これはもうオームの法則で解けますね。

というわけで、オペアンプの出力は6Vになります。回路図で表す場合は、電源を省略して右の図のようにシンプルに書きます。この回路は、入力の2Vを3倍に増幅して出力する増幅回路といえます。この回路は一般に「非反転増幅回路」といい、ゲイン(増幅度)は、5kΩをR1、10kΩをR2とすると、

ゲイン= 1 +(R2 / R1)となります。

では次に+入力端に交流電圧を入力してみましょう。
+入力端に図のような1V(0-P)のSin波を入力しました。さて出力電圧はどのようになるでしょう。オペアンプの出力は電源電圧の範囲を自由に動いて、-入力端が+入力端と同じ電圧になるように変化しますから、-入力端の電圧(波形)も入力の電圧(波形)とまったく同じになります。とするなら、入力が1Vの時には出力は3Vとなり、入力が0Vの時には出力は0Vとなり、入力が-1Vの時には出力は-3Vとなって、右のSin波のような出力電圧になります。

ということで、ここでオペアンプとは何者か?ということについて簡潔に言い表すとすれば、「ネガティブフィードバックして使用する限り、+入力端の電圧を目標値として、目標値が静止していても変化しても、-入力端の電圧が目標値と同一電圧になるように制御電圧を出力する、目標値追値制御器である。」ということができます。私たちはこの制御電圧を入力に対する出力として利用し、高性能な増幅器などを構成できるのです。

関連記事:
オペアンプ入門④反転増幅回路と応用 2010-02-01
オペアンプ入門②負帰還 2010-01-24

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