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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

定電流②

2010-01-13 01:48:17 | 電子回路
一般的な小信号用トランジスタ2SC495Aの定電流特性を確認してみましょう。

右のグラフのIc=1mAの特性をみるとVce=45Vまでなかなかの定電流特性を示していますが、これではVceの最小値が分かりません。左のグラフのIc=20mAの特性を見ます。「定電流①」のトランジスタ回路のICよりも20倍大きな値ですがVce=0.6V~0.8V以上で定電流となっています。Ic=1mAならばVce=0.4Vを下回っても定電流を保っているかも知れませんね。

Ieはエミッタ抵抗で決まります。Icはコレクタ抵抗の影響を受けず、ひたすらIc=Ieの定電流であり続けます。このおかげで私達は電圧増幅回路のゲイン(増幅度)をRc/Reと簡単に決めることができ、またIcの値はエミッタ抵抗で自由に決めることができるので、Vcの動作点なども簡単に設計できるわけですね。Icを定電流にしてしまうトランジスタの機能ってホントに素敵でしょ?
(^^)

トランジスタ以外にはFETやMOS-FETもほとんど同じ機能を持つ定電流素子です。FETの和訳は「電界効果トランジスタ」ですから、トランジスタという名称に定電流という意味が含まれているのかも知れませんね。他にはCRD(定電流ダイオード)というものもありますが、これはダイオードというよりも、FETのG-Sを短絡したようなものです。

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