<新刊情報>
書名:ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
著者:片山杜秀
発行:文藝春秋(文春新書)
「歌は世につれ、世は歌につれ」と言うが、これは流行歌だけに限った話ではない。一般大衆から遊離したハイカルチャーに思えるクラシック音楽も、実は社会、経済と深いつながりがあるのだ。19世紀に質量ともにピークを迎えたクラシック音楽は、大都市の市民階級という新しい消費者に向けられた最新の文化商品でもあった。誰が注文し、いかにして作られ、どのように演奏され、どこで消費されたか。クラシック音楽を知れば世界史がわかる、といっても過言ではない。歴史の流れがするすると頭に入る、斬新な音楽史&世界史。
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書名:修復家だけが知るストラディヴァリウスの真価
著者:中澤宗幸
発行:毎日新聞出版
なぜストラディヴァリウスは300年もの間、ヴァイオリンの最高傑作として受け継がれてきたのか。製作者アントニオ・ストラディヴァリとはどんな人物だったのか。なぜ、ストラディヴァリウスはこれほどまでに高額で売買されるのか。他の幾千というヴァイオリンと、どこが違うのか。科学や技術が発達した現在においても、なぜ18世紀につくられた楽器を超えることができないのか。多くの人を魅了してやまない至高の楽器・ストラディヴァリウスの謎を、修復のプロが解き明かす。
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書名:ジャズは本棚に在り~ジャズ書と名盤~
著者:行方 均
発行: シンコーミュージック・エンタテイメント
古今東西、ジャズについて書かれた書物は数多いが、それらをまとめて紹介する本はほとんどない。ジャズと本の両方に対する深い想いがなくては難しい仕事であるからだ。ジャズ・ファンにはすでにおなじみのレコード・プロデューサー/音楽評論家、そしてジャズ界きっての読書人である行方均(雑誌掲載時はペンネーム雑木林進)が、じつにたのしく、それを目の前に出してみせてくれる。「JAZZ JAPAN」に7年半、全92回 にわたって連載された、「ジャズ書」の紹介と、それにまつわる名演、名盤&ジャズ界の人々の話。
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書名:はじめてのアメリカ音楽史
著者:ジェームス・M・バーダマン、里中哲彦
発行:筑摩書房(ちくま新書)
ブルーズ、ジャズ、ソウル、ロックンロール、ヒップホップ……ルーツから現在のアーティストまで、その歴史を徹底的に語りつくす。各ジャンルのアルバム紹介付き。著者のジェームス・M・バーダマンは、早稲田大学名誉教授。テネシー州メンフィス生まれ。著書に「ロックを生んだアメリカ南部」「アメリカ黒人の歴史」(NHKブックス)など多数。