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★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇新刊情報

2023-01-17 09:38:54 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:モーツァルトの至高性~音楽に架かるバタイユの思想~

著者:酒井 健

発行:青土社

 芸術の深奥をみつめて。それまでの音楽の枠組みを軽やかに超えて傑作を生みだした音楽家。生の核心や宗教やエロスの根源をとらえようと思索しつづけた稀代の思想家。この二つのまなざしが交じわったとき、芸術とはいったい何か、という問いがあらたな相貌をもって立ち現れてくる。変質、供犠、なにでもないもの、内奥性、そしてパロディ――。神秘のヴェールに隠された、私たちをひきつけてやまない魅力の正体をあきらかにする。斬新なモーツァルト論にして、かつてない芸術論。


書名:マリス・ヤンソンス~すべては音楽のために~

著者 マルクス・ティール

訳者:小山田 豊

発行:春秋社

 オスロ・フィル、コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響のシェフとして、精緻で魅力あふれる音楽づくりに邁進し、世界的に活躍した指揮者マリス・ヤンソンス(1943年~2019年)の生涯。ラトビアに生まれ、カラヤン、ムラヴィンスキーという東西の両巨匠に見出されたヤンソンス。オスロ・フィルの指揮者として頭角をあらわし、ピッツバーグ響を経て、21世紀に入ってからはアムステルダム・コンセルトヘボウ・オーケストラとバイエルン放送交響楽団というヨーロッパのトップ・オーケストラの首席指揮者を兼任した。ベルリン・フィルを筆頭に数多くの客演もこなし、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでは三度(2006年、2012年、2016年)指揮をつとめている。そんな巨匠ヤンソンスの生涯を幼年時代から、惜しまれつつ世を去るまで、オーケストラとの仕事を中心にたどる。ミュンヘンで長年ヤンソンスを取材してきた著者が、本人へのインタビュー、苦楽をともにしたオケメンバーによる回想、さらには個々の楽曲の演奏分析や演奏会評を交えつつ、名だたるオーケストラのシェフとしての軌跡と、その証たる精緻な音楽づくりに迫る。家族との思い出や、自身の健康面、さらにはオケのためのホール建設をめぐってたびたび辛酸をなめたことまで赤裸々に綴られる。


書名:市民オペラ

著者:石田 麻子

発行:集英社(集英社新書)

 日本独自の芸術文化。その謎が、いま明かされる。なぜ全国各地の市民社会はオペラを愛してきたのか――。音楽を愛する市民が中心となり、プロとともにオペラ公演を運営する「市民オペラ」。この日本固有の文化は、全国各地の地域ごとに芸術と社会の接点として形づくられ、半世紀にわたり醸成されてきた。一回の上演に数百人もの市民が携わる一大文化。オペラ自体が総合芸術であるため、その公演のあり方は社会状況を映しだす鏡にもなる。しかし、行政とも複雑に絡みあっているがゆえに、これまで全容が読み解かれることはなかった。なぜ、日本の市民社会はオペラを求めてきたのか――。オペラ上演研究の第一人者が満を持して論じる、初のドキュメンタリー的解説書。【目次】開演前 序幕 市民オペラを紐解く4つの視点 第1幕 市民オペラの発祥と歩み――出会いが生んだ市民オペラ 第2幕 市民オペラの展開 幕間 組織の継承――新生・藤沢市民オペラ 第3幕 市民オペラのプロデュース 第4幕 市民オペラが映し出す日本の市民社会 終幕 終演後【本書に登場するおもな市民オペラ団体(登場順)】藤沢市民オペラ/伊丹市民オペラ/立川市民オペラ/みつなかオペラ/ひたち市民オペラによるまちづくりの会/ひろしまオペラルネッサンス/まつもと市民オペラ/オペラ彩/堺シティオペラ/三河市民オペラ and more…


書名:名曲喫茶探訪~音楽と出会う場所へ~

編者:Webマガジン「ONTOMO」

発行:音楽之友社(ONTOMO MOOK)

 1960年~70年代頃に人気に火が付いたものの、近年閉店するお店があとを絶たない「名曲喫茶」。日本の文化でもある「名曲喫茶」は、コーヒーや紅茶を飲みながら、気軽にクラシックやジャズなどの音楽を聴くことができ、音楽との出会いの場にもなっている。同書では、歴史や楽曲のラインナップ、オーディオ、店主のこだわりなど、「音楽」に主眼をおいて、各名曲喫茶の魅力を紹介。また、辛酸なめ子さんによる取材レポ、初めて名曲喫茶を訪れたヒャダインさん、ふかわりょうさんのインタビューも収録。目まぐるしく変化する今の時代にこそ、昭和の面影漂う空間で、ゆったりと音楽に耳を傾けてみませんか。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-12-13 09:36:59 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:16人16曲でわかる オペラの歴史

著者:加藤浩子

発行:平凡社(平凡社新書)

 モーツァルト、ロッシーニ、ヴェルディ、ワーグナー、プッチーニ……。名高い音楽家の多くは、今も頻繁に上演される「新しい時代」を切り開いた有名オペラを作曲してきた。年月を経て、生き残ってきた人気の秘密とは何か。作品を知るには欠かせない作者の人生や作曲家が生きた時代背景までをも網羅した画期的な一冊。「椿姫」「カルメン」「フィガロの結婚」はなぜ傑作か? 作曲家16人の代表作でオペラ史の流れがまるごとつかめる。


書名:旅するピアノ

著者:伊藤正治

発行:言視舎

 3.11、原発事故の後遺症が消えない東北をめぐる「走る街角ピアノ」は、家族の確執、精神的疾患への偏見、ドメスティックバイオレンスなどの問題を絡めながら、人間ドラマを紡いでいく。


書名:親愛なるレニー~レナード・バーンスタインと戦後日本の物語~

著者:吉原真里

発行:アルテスパブリッシング

 ワシントンの図書館で著者が出逢った数百通の手紙。それは、世界の巨匠レナード・バーンスタインと知られざるふたりの日本人との心の交歓の記録だった。カズコ──日本でおそらく最初の、そしてもっとも熱心なファン。クニ──バーンスタインと激しい恋に落ち、その夢の実現に尽力した人物。マエストロとふたりの日本人とが紡いだ愛の物語を軸に、冷戦期アメリカの文化戦略、高度成長期日本に花開く音楽文化が描かれる。感動の音楽ノンフィクションがここに誕生。


書名:更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち

著者:村上春樹

発行:文藝春秋

 村上春樹のクラシック音楽談義第2弾。「村上さんはクラシック音楽をこんなに愛しているのか」と驚きをもって迎えられた書物の第2弾。よりマニアックになって帰ってきた。グレン・グールドによる「ゴルトベルク変奏曲」やモーツァルトやブルックナー等々、次から次へと音楽愛を語り、それぞれの演奏の特質について縦横無尽に語る。読んでから聞くか、聞いてから読むか、愉しみは尽きない。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-11-15 09:37:43 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:ショパン~プリンス・オブ・ザ・ロマンティックス~

著者:アダム・ザモイスキ

訳者:大西直樹、楠原祥子

発行:音楽之友社

 著者のアダム・ザモイスキは、当時ショパン本人を支援していたポーランド貴族の末裔。ロンドン在住の歴史家・著述家で、これまでに2冊のショパンと14冊のポーランド史に関する著作がある。同書はショパンを社会、政治、貴族を中心とした人間関係の中でとらえ、ジョルジュ・サンドとの関連も興味深く、珍しい原資料が扱われている好著である。ヴェールを剥がされたショパン。即興するショパン、教えるショパン、恋するショパン、お洒落なショパン、商売上手なショパン。その矛盾に満ちた素顔が、さまざまな証言によって明かされる。――青柳いづみこ(文筆家・ピアニスト)


書名:日本の「第九」~合唱が社会を変える~

著者:矢羽々 崇

発行:白水社

 なぜ市民が参加し、年末に行なわれるのか。「第九」が若き日本にもたらした自由と平等。ベートーヴェンが1824年に完成させた「交響曲第九番」は世界中で演奏され、日本では毎年5万人以上が歌っている。この「第九」がいかにして日本に受け入れられ、市民参加型の合唱として定着していったのか。そこにはシラーやベートーヴェンの自由や兄弟愛などへの思いに共鳴し、「第九」を演奏しようとする人びとの姿が見出される。またラジオやレコードといったメディアがこのブームを支えていたことにも気づかされる。市民参加型として、戦後すぐの時期に日本各地で上演され、1954年には東京の勤労者音楽協議会(労音)が会員参加による「第九」を実現した。さらに調べを進めると、すでに戦前戦中にその土台が整っていたことがわかる。私立学校の合唱団が、新交響楽団(現NHK交響楽団)と幾度となく「第九」を共演するなど、自由学園、成城学園、玉川学園などの教育において音楽などの芸術が重要視され、盛んに合唱がおこなわれていたのである。これまであまり知られてこなかった松本や岡山などの「第九」上演関係者の言葉に触れながら、新しいものをみずから生み出そうという希望と熱気に満ちた若々しい日本の姿を描き出す。自由や平等を謳う「第九」の合唱を通して、自分たちで新しいものを生み出そうという希望と熱気に満ちた若々しき日本の姿を描き出す。


書名:ショパン・コンクール見聞録~革命を起こした若きピアニストたち~

著者:青柳 いづみこ

発行:集英社(集英社新書)

 5年に1度行われ、世界三大音楽コンクールで最も権威がある「ショパン・コンクール」。若きピアニストの登竜門として有名なその第18回大会は、日本そして世界中でかつてない注目を集めた。デビュー以来 “一番チケットが取れないピアニスト” 反田恭平が日本人として51年ぶりに2位、前回大会も活躍した小林愛実が4位とダブル入賞をはたし、YouTuberとしても活躍する角野隼斗、進藤実優、牛田智大、沢田蒼梧らの日本勢も大健闘した。さらに、優勝したブルース・リウ、同率2位のガジェヴ、3位のガルシア・ガルシアなど、予選・本選を戦ったピアニストたちは皆レベルが高く個性的で、彼らは既存の価値観を覆すような “革命的な” 演奏を見せた。これまでと大きく変わった今大会の現場では何が起こっていたのか? 音と言葉を自在に操る著者が検証する。


書名:日本のピアニスト~その軌跡と現在地~

著者:本間ひろむ

発行:光文社(光文社新書)

 女優とピアニストは職業ではない。女優は生まれながらにして女優であり、ピアニストは生まれながらにしてピアニストなのである。(中略)。それでもピアニストになりたい、と願う若者はこの国にはたくさんいる。何なんだろう、ピアニストという響きが放つこの魔力は。その一方で、音大生なのに鬼火ひとつ満足に弾けない人が大勢いるのはどうしてだろう!?(「まえがき」より)世界中で愛されるピアノという楽器。日本には、いつ、どのように伝わったのか。日本で初めてピアノが製造されたのはいつか。わが国のピアニストたちが歩んできた軌跡を辿りながら、今日、私たちが目にしている”日本の新しいピアニスト像”までを射程に入れて考察。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-10-18 09:42:08 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:音楽とは~ニコラス・クックが語る5つの視点~

著者:ニコラス・クック

訳者:福中冬子

発行:音楽之友社

 同書は、オクスフォード大学出版局の入門書シリーズ「Very Short Introductions」のひとつ「Music」第二版(2021年刊行)の翻訳書。演奏実践の研究を通じた音楽史記述で知られる音楽学者ニコラス・クックが、西洋の音楽伝統にとどまらない様々なイシューを平易な文体で紹介し、リアルな人びとがリアルな世界で創り出す「諸音楽」を考えるための5つの視点を展開する。キーワードは、文化実践としての音楽、ベートーヴェン、初音ミク、楽譜と録音、オーセンティシティー、スター文化、世界音楽、音楽と共同体、SNS、ディジタル・テクノロジー、グローバル化、ポストコロニアル主義、など。翻訳は東京藝術大学音楽学部教授・福中冬子。芸術や歴史の知識・教養は言うまでもなく、今の時代に求められている「疑う力・問題発見能力=情報リテラシー」を身につけるための格好の1冊。レポート作成や自由研究のテーマ選びに、ゼミでのディスカッション用テキストに、読書会の題材に、手始めの1冊として役立つ。


書名:日本のヴァイオリン史~楽器の誕生から明治維新まで~

著者:梶野 絵奈

発行:青弓社

 ヴァイオリンは、16世紀に北イタリアでその原型となる楽器が生み出されて以来、ヨーロッパの芸術音楽で中心的な役割を担ったのはもちろん、世界各地でジェンダーや階層を超えて多くの人々に演奏されてきた。では、ヴァイオリンは日本でどのように受容されたのだろうか。16世紀から17世紀にかけてのヴァイオリンの原型やそれに類似する楽器の足跡をたどり、近世日本にキリスト教の宣教師によって日本に持ち込まれたことを確認する。そして、鎖国期日本の長崎・出島で「黒坊」と呼ばれたインドネシアからの「奴隷」によってヴァイオリンが演奏されたことを掘り起こし、インドネシアでのヴァイオリンの演奏実践にも光を当てて、非ヨーロッパ文化圏での受容を明らかにする。加えて、黒船来航以降の事例として、来日したヴァイオリニストによる長崎での初コンサートや横浜の外国人居留地での音楽活動にも目を向けて、明治維新前後の受容にも迫る。ヴァイオリンは日本では明治維新前後に普及し始めたが、これまでは「クラシック音楽を演奏する楽器」「西洋文化への憧れ」などの視点で語られてきた。同書では、西洋音楽受容史としてではなく、人々が従来からの価値観や音楽習慣、箏・三味線などの芸能実践を踏まえて「楽器としてのヴァイオリン」にどのように携わり、どのような営みをおこなっていたのかを掘り起こす。カラーも含め、貴重な図版も多数所収。


書名:カーザ・ヴェルディ~世界一ユニークな音楽家のための高齢者施設~

著者:藤田彩歌

発行:ヤマハミュージックエンタテインメント

 一つ屋根の下に、20代から106歳までの音楽家が暮らすとどんなことが起きる!?作曲家ヴェルディが私財を投じて設立した高齢者施設「カーザ・ヴェルディ」。世界でも類を見ない「音楽家のための」老人ホームに、20代で入居することになった著者(メゾソプラノ歌手)が綴るエッセイ。イタリア・ミラノにある高齢者施設「カーザ・ヴェルディ」は、「音楽家が、引退後も生涯音楽的な生活ができるように」という作曲家ヴェルディの願いを込めて1902年に設立された。現在では、高齢者とは別にミラノ市内の音大に通う学生を最大16名まで受け入れており、私はその「若手音楽家」の一人として入居することに……。音楽家ばかりが一つ屋根の下で暮らすと一体どんなことが起きるのか、音楽家という共通点を持つお年寄りと若者達のあいだに、どんな交流が生まれるのか――驚きの連続だったカーザ・ヴェルディの暮らしを紹介する。


書名(DVD):私たちの認知症合唱団~音楽療法がもたらす効果~

監訳:小口江美子

制作:BBC

発行:丸善出版(DVD:Our Dementia Choir1/Episode1 )

 音楽療法は、認知症患者やその介護をする人たちの生活を変えることができる。俳優のヴィッキー・マクルーアは認知症患者を募り、認知症合唱団を結成する。そして医学、音楽療法、演奏の各分野の専門家が彼らの練習とリハーサルに同行し協働する。最先端の脳スキャンや、驚くべき実験によって、音楽を演奏したり聴いたりすることが脳にもたらす効果を明らかにする。認知症患者である彼らは、課題曲を覚え、2500人の観客の前でショーを成功させることが出来るのか?
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-09-13 09:44:04 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:水車屋の美しい娘~シューベルトとミュラーと浄化の調べ~

著者:梅津 時比古

発行:春秋社

 「冬の旅」と並ぶシューベルトの連作歌曲「水車屋の美しい娘(美しき水車小屋の娘)Die schöne Müllerin」で歌われているのは、ある若者の素朴でせつない恋愛模様である。だが、それだけだろうか。これまで見逃されてきた差別とエロスの視点で "水車屋の娘" の影を追いながら、作曲家シューベルトと詩人ミュラーが作り出した作品世界のより奥深い解釈へと導く。付・歌詞対訳。


書名:老後とピアノ

著者:稲垣えみ子

発行:ポプラ社

 朝日新聞を退職し、50歳を過ぎて始めたのは、ピアノ。人生後半戦、ずっとやりたくても、できなかったことをやってみる。他人の評価はどうでもいい。エゴを捨て、自分を信じ、「いま」を楽しむことの幸せを、ピアノは教えてくれた。老後を朗らかに生きていくエッセイ集。恩田陸氏、清水ミチコ氏、推薦。【目次】1章 40年ぶりのピアノ 2章 弾きたい曲を弾いてみる 3章 動かぬ体、働かぬ脳 4章 ああ発表会 5章 老後とピアノ コラム 大人のピアノのはじめかた 付録 私が挑んだ曲一覧 付録 私の好きな名盤11選


書名:作詞入門~実例で学ぶポイントとコツ~

著者:昆 真由美、平賀 宏之

発行:スタイルノート

 現役の作詞家・昆 真由美による実践的な作詞教本。同書のために書き下ろした歌詞を例に、概念の解説のみならず、多数の具体例によって、初心者にもわかりやすい内容になっている。また、作詞は文芸ではなく音楽であるという立場から、作曲家・平賀宏之による楽典の基礎や作詞家が覚えておくべき音楽専門用語も網羅。文字と音、両方からのアプローチでより理解を深める。メロディーへの言葉の乗せ方や歌のジャンル、楽典の基礎、楽曲コンペの仕組みから、実際に著者が作詞をする際の方法を、書き下ろしの歌詞をもとに、詞を先に作るケース、曲を先に作るケース、それぞれの書き方のポイントを実例とともに詳しく解説。


書名:ヒット曲のリズムの秘密

著者:ドクター・キャピタル

発行:集英社インターナショナル(インターナショナル新書)

 歌は世につれ、世は歌につれ――歌謡曲からJ-POP、時代ごとに人々を魅了してきたヒット曲の数々。しかし、なぜあの曲はヒットしたのか? どの部分が人々の琴線に触れたのか? 普段、テレビや街中で耳にするヒット曲について、アメリカ人音楽教授が本気で解説。ギターを片手に関西弁をあやつる彼の名は、ドクター・キャピタル。「そもそもヒット曲とは何なのか?」という大きな疑問に答えることから始まり、J-POPのヒット曲が持つ「リズムの秘密」について徹底的に考察しながら、日本の大衆音楽を丸裸にする一冊。人気Youtuber、ドクター・キャピタルのJ-POP解説が初の書籍化。<解説曲>アンジェラ・アキ〈手紙~拝啓 十五の君へ~〉/宇多田ヒカル〈One Last Kiss〉/ガロ〈学生街の喫茶店〉/ゲスの極み乙女。〈私以外私じゃないの〉/郷ひろみ〈2億4千万の瞳〉/篠原涼子 with t. komuro〈恋しさと せつなさと 心強さと〉/寺尾聰〈ルビーの指環〉/藤井風〈何なんw〉/GReeeeN〈キセキ〉など 60曲以上。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-08-16 09:44:38 | 新刊情報





<新刊情報>




書名:演奏する喜び、考える喜び

著者:チャールズ・ローゼン、キャサリン・テマーソン

訳者:笠羽映子

発行:みすず書房

 世界的なピアニストで、音楽理論家としても活躍したチャールズ・ローゼンが、友人テマーソンを聞き手に、縦横無尽に音楽の喜びを語る。師匠ローゼンタールが驚異的な技巧でブラームスを振り向かせた話、音楽分析は演奏に必要か、シューマン、ベートーヴェン、バッハの技法、演奏と楽譜の緊張関係、ピアノを弾くことの身体的喜びについて。明晰に、率直に、生き生きと語られた言葉たちは、音楽の喜びの核心を軽やかに告げている。ピアニストとしての体験に裏打ちされた、珠玉の洞察。演奏する喜び、考える喜び。


書名:終止符のない人生

著者:反田恭平

発行:幻冬舎 

 夢を叶えた瞬間からすべてが始まる。日本人として51年ぶりの「ショパン国際ピアノコンクール」第2位の快挙、自身のレーベル設立、日本初“株式会社”オーケストラの結成、クラシック界のDX化。脚光を浴びる若き天才は、次代の革命家でもあった―いま世界が注目する音楽家の軌跡と未来。


書名:SPレコード入門~基礎知識から史料活用まで~

著者:毛利 眞人

発行:スタイルノート

 アナログレコードへの関心が高まっている現代に最適な1冊。個人はもとより図書館や博物館からも「古いレコードを所蔵しているものの、盤面を見ても年代も記号の意味も何もかも分からない」という声が聞かれる。同書はそんなレコードを所蔵する人々の現場の声から生まれた。趣味性が高いがゆえに学術史料として扱われにくかったSPレコードを、いかにして史料として読み解くか。同書は、昔のレコードを現代に活かす「レコード・アーカイブ学」を提唱し、SPレコードの扱い方、歴史、メタデータの取得法、世界のデータベースの現況を解説したSPレコード・ガイドブック。


書名:どうにもとまらない歌謡曲~70年代のジェンダー~

著者:舌津智之

発行:筑摩書房(ちくま文庫)

 激動の1970年代、男らしさ・女らしさの在り方は大きく変わり始めていた。阿久悠、山本リンダ、ピンク・レディー、西城秀樹、松本隆、太田裕美、桑田佳祐…メディアの発信力が加速度的に巨大化するなか、老若男女が自然と口ずさむことのできた歌謡曲の数々。その時代の「思想」というべき楽曲たちが日本社会に映したものとは?―衝撃の名著、待望の文庫化。解説 斎藤美奈子。著者の舌津智之は、1964年、愛知県生まれ。東京大学大学院修士課程修了、テキサス大学オースティン校にて博士号取得。2022年現在、立教大学文学部教授。「抒情するアメリカ モダニズム文学の明滅」(2009年)ほか著書・共著書多数。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-07-19 10:46:59 | 新刊情報



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書名:彷徨 フランツ・シューベルトの生涯

著者:中田朋樹

発行:島影社

 31年の短い生涯を青春から「冬の旅」まで駆け抜けたシューベルトのすべてがここに。シューベルトの音楽、それは彼の人生そのものの流露であった




書名:音楽家である前に、人間であれ!

著者:石田泰尚

発行:音楽之友社

 その強面の容姿とは裏腹に、繊細で正統的な音楽へのアプローチで人気沸騰中の石田泰尚による初めての単行本。著者のコアなファンや音楽家を目指す若い人たちのみならず、広く多様な世代に向かって発信する「生きるためのメッセージ集」である。著者のこれまでの歩みを俯瞰しつつ、様々な逆境を跳ね返してきたその類まれな信念を言語化。彼が愛した音楽、ファッション、彼を愛する人たちの証言も織り込み、硬派なヴァイオリニストの魂の軌跡を追う。




書名:鍵盤の天皇~井口基成とその血族~

著者:中丸美繪

発行:中央公論新社

 斎藤秀雄とともに日本の音楽教育をリードし、多くの優秀な音楽家を育て、演奏家としても生涯活躍した井口基成。妹・愛子、妻・秋子とともに、一門で今日のピアノ界を築いたその生涯を描く。




書名:クラシック偽作・疑作大全  

著者:近藤健児、久保 健

発行:青弓社

 大作曲家作とされている楽曲に紛れ込んだ、真の作曲家が別にいることが判明している偽作と、それが別にいると疑われている疑作の数々。情報の断片を収集して紹介し、真作でなくとも感動を覚える掘り出し物も含め、貴重な音源情報を網羅した初のガイドブック。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-06-14 09:41:37 | 新刊情報








<新刊情報>




書名:バイロイトのフルトヴェングラー~バルバラ・フレーメル夫人の独白~

著者:バルバラ・フレーメル

取材・文:眞峰紀一郎、中山 実

発行:音楽之友社

 月刊「音楽の友」(音楽之友社)で2015年に5回にわたって連載された「素顔のフルトヴェングラー バルバラ・フレーメル夫人の独白―フォイステル家に遺されたもの」の書籍化。フルトヴェングラーは1931年に初めてバイロイト音楽祭に出演するにあたり、期間中の滞在所としてフォイステル家を選んだ。そこで知り合った人たちと彼は死ぬまで親密な関係を続け、特に次女のバルバラさんとは多くの手紙を交換した。今回、バルバラさんは貴重な手紙と写真を公開。くつろぐフルトヴェングラーの素顔を伝える貴重な証言になっている。広瀬大介氏による特別寄稿「フルトヴェングラーがバイロイトに遺したもの」を新たに収録。




書名:演奏家が語る音楽の哲学

著者:大嶋義実

発行:講談社(講談社選書メチエ)

 音楽は演奏家を抜きに現実化しない。人間によってしか血の通った音楽を、楽譜の向こう側にある音楽を蘇らせることはできないのである。同書は芸術大学で指導する一方、演奏家としても第一線で活躍中のフルーティストによる、演奏という観点から見た音楽論である。つねにその瞬間瞬間の現れとしての音楽を生み出す者だからこそ得られる洞察、そこから個性と普遍という大きな問題へも視野を広げていく。【目次】第一章 音を奏でる人類 第二章 「音楽そのもの」との交歓 第三章 音楽に表れるのは個性か普遍性か 第四章 音符の奥に立ち上がる音楽 第五章 響かせること、響きを合わせること




書名:ラドゥ・ルプーは語らない。~沈黙のピアニストをたどる20の素描(デッサン)~

編者:板垣千佳子

発行:アルテスパブリッシング

 ルーマニア出身の名ピアニスト ラドゥ・ルプーが2022年4月17日、スイス・ローザンヌの自宅で死去した。享年76歳。ラドゥ・ルプー(1945年―2022年)は、ルーマニア、ガラツ出身。1959年にブカレスト音楽院でフロリカ・ムジチェスクに入門(天才ピアニストのリパッティと同門)。1960年より1968年までモスクワ音楽院に留学してスタニスラフ・ネイガウスらに師事する。1966年第2回「ヴァン・クライバーン国際コンクール」、1967年「エネスコ国際コンクール」、1969年「リーズ国際ピアノ・コンクール」においてそれぞれ優勝。1969年のリサイタルでロンドン・デビューを成功させたのを機に、イギリスを本拠に国際的な演奏活動を行う。ロンドン・デビュー当時に地元紙により”千人に一人のリリシスト”と呼ばれ、以降、これがルプーを形容する表現としてしばしば使われた。

 同書を企画し、編者をつとめたのは、長年ルプーの担当マネージャーとして来日公演をアシストし、海外での公演にも通いつめた音楽マネージャー。その熱意と、ルプーからの信頼によって実現した、日本オリジナル企画にして、本人公認の唯一の書籍。




書名:ウルトラ音楽術

著者:冬木 透、青山 通

発行:集英社インターナショナル(インターナショナル新書)

 「ウルトラセブン」の音楽はどのようにして生まれたのか?「ウルトラセブン」の作曲家・冬木透の半生と創作活動について、初めて書籍としてまとめた1冊。満州で過ごした幼少期にどのような体験をし、戦後、いかにして音楽の道へ進むことを決意したのか。そして同書では作曲・録音・選曲といった「ウルトラセブン」の制作工程の秘話や、冬木自身が印象に残っている楽曲、それらを語る上で欠かせない各監督との思い出を大公開。そこには昭和の熱気あふれるテレビ番組制作の情景が浮かび上がる。さらに冬木の作曲の根幹にあるクラシック音楽や、本名の蒔田尚昊名義で発表した宗教音楽などの作品についても収載した。すべての「ウルトラセブン」ファン、特撮ファン、冬木ファン垂涎のエピソードが盛りだくさんの1冊。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-05-17 09:37:02 | 新刊情報



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書名:ベートーヴェン症候群~音楽を自伝として聴く~

著者:マーク・エヴァン・ボンズ

訳者:堀 朋平、西田 紘子

発行:春秋社

 ベートーヴェンの交響曲に彼の「人生の苦悩」を、モーツァルトのソナタに「母を喪った悲しみ」を――病的なまでに音楽に作曲家の自己のほとばしりを聴こうとする「ベートーヴェン症候群」。文学・哲学・美学の文献と当時の音楽批評をくまなく渉猟した著者が、19世紀にパラダイムとなり、その後200年にわたってベートーヴェンとともに醸成されてきた音楽聴取のありかたを丁寧に炙り出す。われわれは何に耳を傾けているのか。主観と客観──表現と聴取のパラダイムがせめぎあう歴史を俯瞰する刺激的な考証。





書名:楽器の科学~美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」~

著者:フランソワ・デュボワ 

訳者:木村 彩

発行:講談社(ブルーバックス)

 弾く人も聴く人も、科学の視点で音楽を楽しもう。ピアノ、バイオリン、トランペット、マリンバ……「魅惑の響き」はどう作られるのか?楽器の個性を生み出す「倍音」とは?音色を美しくする「共鳴」とは?バイオリンの最重要パーツ「魂柱」とは?楽器の素晴らしさを引き出すコンサートホールの条件は?そして、プロが考える「最高の楽器」とは?フランスで最も栄誉ある音楽勲章を最年少受章した著者が楽器の秘密を解き明かす。【目次】プレリュード──音楽は「五線譜上のサイエンス」第1楽章 作曲の「かけ算」を支える楽器たち──楽器には5種類ある 第2楽章 楽器の個性は「倍音」で決まる──楽器が奏でる「音」の科学1 第3楽章 楽器の音色は「共鳴」が美しくする──楽器が奏でる「音」の科学2第4楽章 「楽器の最高性能」を引き出す空間とは?──コンサートホールの音響科学 第5楽章 演奏の極意──世界的ソリスト10人が教えるプロの楽器論




書名:蘇る、安川加壽子の「ことば」

編者:青柳いづみこ

発行:音楽の友社

 2022年安川加壽子生誕100年にあたり、偉大なピアニストであり教育者であった安川加壽子のインタビュー記事や執筆記事を集めた1冊。演奏者として、指導者として、戦後日本の音楽界を牽引してきた彼女から発せられる率直な「ことば」を収載。音楽においても、家庭においても、人付き合いにおいても、どのような信念のもとにその美学を貫いていったのか、興味深いエピソードも満載。『メトードローズ』をはじめとする数々のピアノ教本や曲集の狙いを読み解くにも大いにヒントになるメッセージが随所に見られる。愛弟子の一人、青柳いづみこ氏による各章に付されたコラムで、当時の背景を踏まえながらより理解を深くすることができる。




書名:シティポップとは何か

編著:柴崎祐二

著者:岸野雄一 、モーリッツ・ソメ 、加藤 賢、長谷川陽平

発行:河出書房新社

 国内外で空前のブームに湧くシティポップ。それはどんな音楽/文化現象なのか? リバイバルの理由は? 隠れ潜む問題とは? 充実のゲスト寄稿も交え、あらゆる角度から紐解く決定版論考。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2022-04-19 09:37:09 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:ハイリゲンシュタットの遺書の真実~ベートーヴェンの先進性・革新性と人間性の秘密~

著者:岸 伸典

発行:幻冬舎

 1802年10月、ベートーヴェンが31歳のときに書いた「ハイリゲンシュタットの遺書」。20代後半から耳が聞こえずらくなり、自殺をも考えたベートーヴェンが二人の弟宛に書いたもので、病の苦しみが綴られるも、その書の中には「芸術が自殺を引きとめてくれた」とも記されている。同書では遺書が書かれた背景を分析し、遺書後のベートーヴェンの作品について、それらの先進性・革新性が各交響曲を主体に述べられている。この遺書が「耳の病を苦にするものの芸術のために生きることを決意した遺書」であるとする、従来の一般的な位置づけをはるかに超える意義・意味を有すると捉えている著者の新鮮な解釈で読み応えのある一冊に仕上がっている。




書名:小澤征爾、兄弟と語る~音楽、人間、ほんとうのこと~

著者:小澤俊夫、小澤征爾、小澤幹雄

発行:岩波書店

 60年以上にわたり世界を舞台に活躍してきた、クラシック音楽界の巨匠、小澤征爾。中国に生まれ、引き揚げ後の貧しい暮らしと音楽武者修行を経て、多くの人に支えられ切り拓いた、その人生。昔ばなし研究者の兄・俊夫と、エッセイストでタレントの弟・幹雄との、やわらかで率直な語りあいにより、これまでの歩みをふりかえる。




書名:室井摩耶子 百一歳のピアニスト

著者:矢島多美

発行:音楽の友社

 ピアニスト・室井摩耶子(むろい・まやこ)の私設秘書として彼女の活動を見守ってきた著者による、唯一の公式評伝。室井摩耶子84歳から100歳までのコンサートを中心に、戦前からの彼女の足跡を詳細に記したファン必携の本。資料性に優れ、同時にその時々に室井摩耶子がどんな音楽を造形したかという音楽批評としても一級の価値を持つ。室井摩耶子101歳の誕生日直前に出版。なお、室井摩耶子は100歳の現役ピアニストとして2022年の名誉都民に選出された。音楽界では小澤征爾に次いで二人目。映画「ここに泉あり」で本人役で出演。2012年「新日鉄音楽賞」特別賞受賞。2019年「文化庁長官表彰」を受ける。




書名:アメリカ音楽の新しい地図

著者:大和田俊之

発行:筑摩書房

 テイラー・スウィフト、ケンドリック・ラマー、ブルーノ・マーズ、カーディ・B、ラナ・デル・レイ、チャンス・ザ・ラッパー、そしてBTS―2010年代以降のアメリカ音楽シーンを彩るポップスターたち。激変する政治経済、人口動態、メディア、そしてコロナ禍の中で、彼らの輝きはいかなる現代アメリカの相貌を描きだすのか。「アメリカ音楽史」の著者にして、ポピュラー音楽研究の俊英が放つ最新のアメリカ音楽グラフィティ。
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