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★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

●クラシック音楽●新刊情報

2023-11-14 09:51:09 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:音楽の人類史~発展と伝播の8億年の物語~

著者:マイケル・スピッツァー

訳者:竹田 円

発行:原書房

 細胞間の振動からAIの作曲まで、音楽はどのように生まれ、人類の進化と文明に何をもたらしたのか。世界をリードする音楽学者が描き出す壮大な人類史。


書名:ベートーヴェン捏造~名プロデューサーは嘘をつく~

著者:かげはら 史帆

発行:河出書房新社(河出文庫)

 現代に語り継がれるベートーヴェン像は、秘書により捏造されていた!? 「会話帳改竄事件」の真相に迫る、衝撃的な歴史ノンフィクション。「会話帳」とは、聴力を失ったベートーヴェンが周囲の人とコミュニケーションを取るために用いた筆談用ノートのこと。100年以上にもわたり多くの人々を騙し続けた「犯人」の名は、アントン・フェリックス・シンドラー。音楽家でもあり、誰よりもベートーヴェンの近くで忠誠を誓い、尽くした人物である。なぜ、何のために彼は改竄に手を染めたのか?音楽史上最大のスキャンダルの「犯人」シンドラーの目を通して、19世紀の音楽業界を辿る。音楽ファンもミステリーファンも絶賛した名作がついに文庫化。


書名:「ピアノを弾く少女」の誕生~ジェンダーと近代日本の音楽文化史~

著者:玉川裕子

発行:青土社

 なぜ少女たちはピアノを習うのか。日本に西洋音楽がもたらされ普及していくなかで、ほかの楽器に比べて一般の家庭に積極的に受け入れられていったピアノ。その習い手は、多くの場合には妻、そして娘であった。なぜほかの楽器ではなく、ピアノなのか。なぜその習い手は女性なのか。ピアノが普及していく黎明期の日本社会を丹念に追い、その背景に迫る渾身の書。【目次】 序 章 近代日本のピアノと女性 第 I 部 「ピアノを弾く女性」という記号――イメージの生成 第1章 「ピアノを弾く女性」――少女たちが夢見たもの 第2章 琴から洋琴(ピアノ)へ――近代日本の知識人男性が音楽に託したもの Intermezzo 1 「ピアノを弾く少女」と《乙女の祈り》――ドイツの場合 第II部 家庭と音楽――イメージと現実の交差するところ 第3章 百貨店と音楽――音楽と商業は手に手をとって 第4章 近代日本における家庭音楽論――「一家団欒」という未完の夢を越えて Intermezzo 2 ドイツの家庭音楽 第III部 音楽を奏でる女性たち――近代日本の音楽愛好家と職業音楽家 第5章 音楽に親しむ少女たち――女子学習院の場合 第6章 女性職業音楽家の光と影――音楽はジェンダー規範の解放区? 終 章 規範の流動性と「ピアノを弾く女性たち」


書名:ナムコはいかにして世界を変えたのか

著者:鴫原盛之

発行:Pヴァイン

 すべてはナムコからはじまった。『パックマン』『ギャラクシアン』『ニューラリーX』『ゼビウス』『マッピー』 いまや世界中で親しまれているゲーム音楽、その出生の秘密を探る。「今となっては信じられないことだが、初期の時代のビデオゲームにはゲーム音楽が存在しなかった。・・・では、いったいどのようにしてゲーム音楽が誕生し、やがて世界に類を見ない、日本独自のゲーム音楽市場が形成されるに至ったのか?今までほとんど顧みられることがなかった、ゲーム音楽誕生から今日まで至る過程の歴史を紐解くにあたり、とりわけ絶対に避けて通れないのが、ナムコの黎明期の作品である」(まえがきより)。効果音から音楽へ──多くの取材・証言から浮かびあがる、先駆者たちの試行錯誤と草創期の真実。【目次】 第1章 「ゲーム音楽」前史 第2章 伝説のメーカー、ナムコの参入 第3章 「ゲーム音楽の父」大野木宣幸 第4章 ゲーム音楽専門コンポーザーの誕生 第5章 「ゲーム音楽」市場の形成
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-10-17 09:35:26 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:古楽夜話~古楽を楽しむための60のエピソード~

著者:那須田務

発行:音楽之友社

 「著名古楽作品の誕生の背景にはこんなシーン(出来事)があった?!」「バッハ以前にもこんなに面白い作曲家がいた!」。中世・ルネサンス~バロックの主要作品を網羅した、楽しく読める「古楽・バロック音楽入門」。「レコード芸術」人気連載の書籍化。「古楽は面白そうだけれど、音楽史の勉強のようでどうも堅苦しい」、「どれを聴いても同じように聴こえてしまう」、「歴史小説やエッセイはよく読むし、古い絵画にも関心はあるけれど、音楽に結びつかない」。そうした音楽ファンに向けて、古楽をもっとリアルな生きたものとして紹介。実際のエピソードをもとに創作した「ある一夜の空想のシーン」から各話を開始し、著者ならではのわかりやすい言葉で優しく語りかける「古楽・バロック音楽入門」。古楽が苦手な音楽ファンにも手に取りやすく、中世・ルネサンス~バロック期の主要作曲家が網羅されているので、「古楽作曲家・作品事典」としても最適な一冊。


書名:音楽 地の塩となりて

著者:村上陽一郎

発行:平凡社

 自分に従う人は、世の光でもあり、塩でもある(旧約聖書)。音楽は常に人生の傍にあった──。科学史家にしてチェリストの著者がその音楽遍歴を綴る、珠玉のエッセイ集。


書名:指先から旅をする

著者:藤田真央

発行:平凡社(発売:2023年12月6日)

 24歳にして「世界のMAO」に―規格外の天才ピアニスト、待望の初著作。20か国・100都市。世界が彼のピアノに恋をした。クラシック・シーンを更新し続ける24歳が綴った、2年間の全記録。2019年、弱冠20歳で世界3大ピアノコンクールのひとつ、「チャイコフスキー国際コンクール」で第2位入賞。以降、世界のマエストロからラブコールを受け、数々の名門オーケストラとの共演を実現させてきた藤田真央。現在はベルリンに拠点を移し、ヴェルビエ音楽祭、ルツェルン音楽祭といった欧州最高峰の舞台で観客を熱狂させている。【目次】 第1部 世界を語る(語り下ろし)1.この音にすべてを捧げたい 2.わたしの人生の節目には、モーツァルトが現れる 3."ポリーニ以来"と評された一夜 4.都響は特別な存在 5.わたしの音楽は、あのレッスン室で培われた 6.ジャンパー・マオ 7.真夏の音楽祭 8.そのアクセントが、演奏を進化させる 9.プログラムづくりから広がる世界 10.亡き恩師・野島稔先生のレパートリーを 11.モーツァルトが楽譜に残した"手がかり" 第2部 世界を綴る(エッセイ) 1.Toi toi toi! 2.幻となったピアノ・デュオ 3.憧れの赤絨毯 4.ミラノのペペロンチーノが教えてくれたこと 5.シャイーとのヨーロッパツアー 6.後世に生きる者が奏でる音楽 7.ピアニストが振るうタクト 対談 恩田陸×藤田真央 インタビュー 言葉と音楽


書名:聴かずぎらいのための 吹奏楽入門

著者:漆畑奈月、小室敬幸

発行:アルテスパブリッシング

 吹奏楽の魅力を語り尽くす画期的なガイド誕生。楽器を演らない音楽好きにもアピールする吹奏楽の魅力を全力で語り尽す。全国で演奏され親しまれてきた50曲を厳選し、輸入(海外)編と国産(日本)編に分けて紹介。ホルスト、リード、兼田敏などの定番曲から、ティケリ、ジョン・マッキー、挾間美帆の最新作まで、作曲家の特徴やプロフィール、曲の聴きどころ/吹きどころ、コンクールでの位置づけなどを徹底的に掘り下げる。軍楽隊として日本に入ってきた吹奏楽が、部活動として定着するまでの歴史もたどり、CDガイドとコラム、索引、さらにプレイリストも充実。吹奏楽を心から愛してやまない漆畑奈月とジャンルをまたいで活躍する音楽ライター小室敬幸が、熱く、濃く、深く語り下ろす、画期的な吹奏楽ガイドの登場。
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-09-19 09:41:38 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:フォーレ:《レクイエム》 ~もっときわめる! 1曲1冊シリーズ ⑥~

著者:相場ひろ

発行:音楽之友社(ON BOOKS advance)

 各曲をしっかり聴きたい人向けに1冊で1曲を扱うシリーズ第6弾。楽曲の成立過程、フォーレにおける「レクイエム」の独自性、作曲当初より演奏されていた大編成版(1900年版)と近年出版された小編成版(1893年版)の詳細、演奏・録音史と名盤30点余、日本人が愛してやまない同曲の魅力を多角的に紹介。【目次】 第1章 フォーレ《レクイエム》の魅力 第2章 楽曲紹介 01/フォーレ《レクイエム》の成立と作曲過程 02/楽譜について(大編成版の成立) 03/楽曲解説 第3章 フォーレ《レクイエム》の演奏・録音史 01/1900年版の録音史 02/1893年版の録音史 03/その他の版による演奏


書名:二十世紀のクラシック音楽を取り戻す~三度の戦争は音楽に何をしたか~

著者:ジョン・マウチェリ

訳者:松村哲哉

発行:白水社

 20世紀後半に作曲されたクラシック音楽の作品で、その後世界中のオーケストラや歌劇場のレパートリーに加わった作品はごく少ない。そして、現代の音楽であるはずの「現代音楽」は、一部の愛好家を除けば人気があるとは言いがたい。この状況を著者は、「現代のクラシック音楽というものが狭い範囲に限定されたからこそ、他のジャンルの音楽が大いに栄えているのに、オーケストラやオペラハウスがいわゆる『危機的状況』にある」と見る。現在もレパートリーの中心をなしているかつての大作曲家の系譜はどこへ行ってしまったのか?映画『風と共に去りぬ』の作曲者でウィーン楽友協会音楽院に学んだマックス・スタイナーは、かつて「仮にワーグナーが今世紀に生きていたら、映画音楽でナンバーワンの作曲家になっていたでしょう」と語った。同書は20世紀クラシック音楽の歴史を、この問題に大きな影響を与えた第一次・第二次世界大戦、冷戦とのかかわりから見ていくものである。「現代音楽」たる前衛音楽、政治的な事情で埋もれてしまった作曲家に、クラシック音楽家の系譜につらなる映画音楽やミュージカルの作曲家まで含めて語る。


書名:世界の音~楽器の歴史と文化~

著者:郡司すみ 

解説:森重 行敏

発行:講談社(講談社学術文庫)

 「打楽器を持たない民族はいない」。古来、人は自身の体やモノを叩いて感情を伝え、動物の鳴き声や雨風などの自然音を真似、再現してきた。楽器発祥から2万年。信仰の祭礼、政治儀式、軍事の士気高揚・・・・・・あらゆる場面に浸透していった「音」と「音楽」。気候風土や時代背景に合わせ、世界各地の「音」は、どのように姿を変えてきたのか。西洋音楽と民族音楽、その対比が示す真意は? 「音」で考える、ユニークかつ雄大な文化人類学(同書は『世界楽器入門 好きな音 嫌いな音』<1989年1月 朝日選書>を改題)。【目次】 第一章 ミンゾク楽器 第二章 楽器の起源 第三章 楽器分類を通して見た諸民族の楽器観 第四章 楽器の音 第五章 楽器の分布と歴史 第六章 風土と音 第七章 音・数・楽器 第八章 メディアとしての楽器 第九章 手作りについて 第十章 好きな音嫌いな音 第十一章 東方の楽器・西方の楽器 解説「人類共通の財産ーー音楽とは何か?ーー」森重行敏(洗足学園音楽大学現代邦楽研究所所長)


書名:クリティカル・ワード ポピュラー音楽~〈聴く〉を広げる・更新する~

著者:永冨真梨、忠聡太、日高良祐=編著|有國明弘、ヴィニットポン ルジラット(石川ルジラット)、大嶌徹、大尾侑子、尾鼻崇、大和田俊之、葛西周、加藤賢、上岡磨奈、川本聡胤、金悠進、源河亨、篠田ミル、ジョンソン・エイドリエン・レネー、谷口文和、中條千晴、鳥居祐介、永井純一、平石貴士、福永健一、藤嶋陽子、増田聡、松浦知也、溝尻真也、村田麻里子、山崎晶、輪島裕介

発行:フィルムアート社

 28のキーワードで学ぶポピュラー音楽研究の基礎から最前線まで。ジェンダー、人種、階級、ジャンル、法、アニメ、シティ、アマチュアリズム・・・幅広いキーワードと現代的な事例から、音楽文化を考え常識を問い直す。近年、学術的な研究領域としての地位を確立しつつある「ポピュラー音楽」研究に関する基礎的な知識を解説しつつ、最新の動向を初学者にも分かりやすく紹介した本邦初の入門書。同書は3部構成になっており、「第1部 基礎編」では、ポピュラー音楽研究の基底を支える概念として8つを取り上げ、それぞれのキーワードからポピュラー音楽を概観する。「第2部 事例編」では、ポピュラー音楽研究のなかでも比較的蓄積の多いトピックを照射する。各項目はそれぞれの学術的議論を概観した上で、ポピュラー音楽研究全体、そして、他分野と横断・接続し、新しい学術領域を開拓する、発展的な学術的問いも示唆する。「第3部 拡張編」では、近年の音楽文化を領域横断的に語る上で欠かせないキーワードを掲げて、ポピュラー音楽それ自体とそのコンテクストを扱ってきた従来の研究から一歩外に踏み出し、新鮮な空気を吸うための論考を集めた。これまで日本語で読むことのできなかった重要トピックや論点も多数収録し、研究者や学生だけでなく、音楽を「分析したい人」、「語りたい人」にとっての手引きとしても有用な一冊となっている。
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-08-15 09:38:54 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:ドヴォルザークの音符たち<新装版>~池辺晋一郎の「新ドヴォルザーク考」~

著者:池辺晋一郎

発行:音楽之友社

 メロディの山!メロディの連鎖!これが、ドヴォルザークなのだ。大作曲家たちの“すごさ”“素晴らしさ”が楽しくわかる、すべてのクラシック音楽ファン座右の書、日本クラシック音楽界の重鎮・池辺晋一郎の代表著作「音符たち」シリーズ。新装版化されたバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスに続き、根強い人気を誇るドヴォルザークが刊行。「こむずかしそうな学者的解説やアナリーゼは避け、名曲の楽譜に並んだ“音符たち”の、いわば「行間」から裏側をのぞき、そこからオッと思える芽を見つけ、摘み取り、いじくりまわしてみる―。それらを「同業者として作曲家の立場で行う」という同シリーズのコンセプトのもと、チェコが生んだメロディ・メーカー、ドヴォルザークが創り上げた名曲の名曲たるゆえんを、「新世界より」「ユモレスク」やチェロ協奏曲だけでなく、知られざる名曲まで軽妙洒脱な筆致で説き明かす。


書名:パリの音楽サロン~ベルエポックから狂乱の時代まで~

著者:青柳いづみこ

発行:岩波書店(岩波新書)

 今日のコンクールのように、19世紀後半、芸術家たちはサロンから世へ出て行った。そしてサロンは、音楽と文学、絵画などジャンルを超えた若い芸術家たちが才能を響かせ合い新しい芸術を創造する舞台でもあった。ショパン、フォーレ、ドビュッシー、サティ、コクトー……。パリを舞台に若い芸術家たちの交流を描く。


書名:人生が楽しくなる 西洋音楽史入門

著者:山﨑 圭一

発行:PHP研究所

 歴史を知ると、クラシック音楽が何倍も楽しめる。クラシック音楽を知るのに、最適な手段は「歴史と一緒に学ぶ」こと。教育YouTuberムンディ先生が〈ヨーロッパを中心とした歴史〉と〈音楽の歴史〉の両方を同時に紹介するありそうでなかった入門書。「これ、聴いたことある!」「この曲のことか……」「この時、ここで生まれた音楽なのか」知っている曲が、どう書でさらに分かる。<同書の特徴>①歴史のストーリーと、その時代の事件や人物を題材にした曲を紹介、そしてその時代に生きた作曲家と、その作曲家の代表曲を解説。②紹介した曲についての参考となるYouTube動画のリンクのQRコードを載せている。こちらを読み込むと、YouTubeの外部サイトが立ち上がり、紹介した曲の聴きどころから再生される。【目次】第1章 太古の音楽と古代の音楽 第2章 中世の音楽(5~14世紀) 第3章 ルネサンス音楽の時代(14~16世紀) 第4章 バロック音楽の時代(17世紀~18世紀前半) 第5章 古典派音楽の時代① (18世紀中期~後期) 第6章 古典派音楽の時代② ( 18 世紀末~19世紀初頭) 第7章 ロマン派音楽の時代① (19世紀前半) 第8章 ロマン派音楽の時代② (19世紀後半) 第9章 20世紀前半の音楽 第10章 戦後の世界


書名:古楽の終焉~HIP〈歴史的知識にもとづく演奏〉とはなにか~

著者:ブルース・ヘインズ

訳者:大竹尚之

発行:アルテスパブリッシング

 クラシック/古楽界に衝撃を与える問題の書、ついに邦訳なる。ピリオド・アプローチはほんとうに正しいのか?クラシック音楽に真の生命をあたえるものはなにか?!過去の音楽をそっくり再現して、どうするのか?なぜ儀式のように音楽を聴かなければならないのか?原典至上主義?──それは「テクスト・フェティシズム」にすぎないのでは?古楽が追求すべきオーセンティシティとはどこにあるのか?そして、「HIP(歴史的知識にもとづく演奏)」とは何をめざすものなのか?フランス・ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラなどでオーボエ奏者、リコーダー奏者として活躍したほか、楽器製作や音楽学研究の分野でも多大な実績を残し、2011年に惜しまれつつ世を去った著者が、2007年に発表したThe End of Early Music: A Period Performer’s History of Music for the Twenty-First Century(Oxford University Press)。音楽史のとらえ方を根底から更新し、クラシック音楽家の意識変革をうながし、返す刀で「原典至上主義」に拘泥する古楽演奏にも疑問符を突きつけた同書は、発表と同時に大きな話題を巻き起こした。「HIP(historically-inspired perfomance; historically-informed performance=歴史的知識にもとづく演奏)」と「修辞学的音楽(rhetorical music)」の理想を知り、楽譜に書かれた音楽をただ再現するだけでなく、生命力にあふれたパフォーマンスをおこなうために、すべての音楽家がひもとくべき書、ついに待望の完訳。
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-07-18 09:36:00 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:音楽と生命

著者:坂本 龍一、福岡 伸一

発行:集英社

 「教授」と「ハカセ」──長年親交のある二人による初の人生論。80年代、テクノミュージックで一世を風靡した「教授」こと坂本龍一。以来、常に第一線で活躍し続けてきたが、近年は電子音楽とは対照的な自然の「ノイズ」を取り入れたサウンドを次々と発表。一方、「ハカセ」こと福岡伸一も、分子生物学者としてDNA解析に象徴される要素還元主義的な科学を追求してきたが、その方法論に疑問を抱き、生命現象を一つの「流れ」として捉える独自の生命哲学、動的平衡論を確立。20年来の付き合いという両者が、さまざまな挫折を経験しながら現在に至るまでの道のりを語り合う。コロナ・パンデミック以降、死生観が劇的に変わる今だからこそ、私たちの生を輝かせることに目を向けたい。音楽、アート、哲学、科学など、多方面に造詣の深い二人が、対話を重ねた末にたどり着いたものとは──。


書名:モーツァルトは生きるちから~藤田真央の世界~

著者:伊熊 よし子

発行:ぶらあぼホールディングス

販売:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

 ソニー・クラシカルからモーツァルトのピアノ・ソナタ全集をリリースし話題となった藤田真央に、音楽ジャーナリストの伊熊よし子がロングインタビューを敢行。東京、そしてベルリンから届く藤田の生の声をもとに書き上げたライフストーリー。幼少期をはじめとした、藤田の貴重なプライベート写真なども多数掲載しているほか、共演アーティストからの特別寄稿も併載(牛田智大、佐藤晴真、高関健、服部百音、山田和樹)。


書名:ミュージック・ヒストリオグラフィー ~どうしてこうなった?音楽の歴史~

著者:松本直美

発行:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

 バロック時代のバッハ、古典派のモーツァルト、ロマン派の幕を開けたベートーヴェン・・・音楽史を少しでも習ったことがある人には馴染みのある時代区分や作曲家の名前。肖像画とセットで思い浮かべる人や、「伝記を読んだことがある!」という人も多いはず。けれど、 よく見ると“音楽史”には日本史や世界史ではありえない、おかしな点がたくさんある。どうしてこうなった?そして、音楽史はこれからどう書かれるのか?同書では過去から現在までの「音楽史の書かれ方」を振り返り、新たな視点でアップデートし続ける音楽史の最前線をご案内。【著者】松本 直美 Naomi Matsumoto
京都市生まれ。英国ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部上級講師。専門は歴史的音楽学、特にオペラ研究。愛知県立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業、トリニティ音楽大学大学院声楽専攻修了、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部大学院修士課程ならびに博士課程修了。17世紀及び19世紀のオペラの研究でこれまでにOverseas Research Scheme Award、British Federation of Women Graduates National Award、Gladys Krieble Delmas Foundation British Award、イタリア ルッカ市ロータリークラブ プッチーニ研究コンクール特別賞などを受賞。


書名:やっぱレコードもろオモロい~ヴィニジャンが知りたかった山ほどのこと~

著者:田中伊佐資

編者;stereo

発行:音楽之友社(ONTOMO MOOK)

 月刊誌「stereo」の人気連載「ヴィニジャン」をまとめたムック化の第3弾。“ヴィニジャン”とはヴィニール・ジャンキーズの略でレコード(Vinyl)を激しく愛するフリークたちのこと。著者の田中伊佐資氏自身のことであり、また著者の興味の先でもある。レコードのことなら何でも知りたい著者の行動を記した内容で、大きなテーマは「レコードを買って・聴いて・もっと音を良くする」こと。レコードショップ巡りをはじめ、カートリッジやケーブルなど再生の装置にまつわる話など、興味はあらゆる方向に向けられている。連載回数を重ねて話はディープになっていき、情報はマニア向けなのだが、田中氏独自の軽妙な文体は、レコード初心者であっても読みやすく笑いも誘い、エッセイとしても楽しく読める。「stereo」誌掲載時は1回あたりモノクロ4ページであったところをカラー6ページに組み直し、カラー化によりレコードの特徴であるジャケットデザインも映える。
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-06-13 09:46:19 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:ベートーヴェン症候群~音楽を自伝として聴く~

著者:マーク・エヴァン・ボンズ

訳者:堀 朋平、西田紘子

発行:春秋社

 なぜわれわれは芸術表現に 作り手の人生を読み取ろうとするのか。あらゆる音楽の「聴き方」に深く浸透している「症候群(シンドローム)」の正体をときあかす。ベートーヴェンの交響曲に彼の「人生の苦悩」を、モーツァルトのソナタに「母を喪った悲しみ」を――病的なまでに音楽に作曲家の自己のほとばしりを聴こうとする”ベートーヴェン症候群”。文学・哲学・美学の文献と当時の音楽批評をくまなく渉猟した著者が、19世紀にパラダイムとなり、その後200年にわたってベートーヴェンとともに醸成されてきた音楽聴取のありかたを丁寧に炙り出す。


書名:ごまかさないクラシック音楽

著者:岡田暁生、片山杜秀

発行:新潮社(新潮選書)

 美しい旋律に隠された「危険な本音」とは――? バッハ以前はなぜ「クラシック」ではないのか? ハイドンが学んだ「イギリス趣味」とは何か? モーツァルトが20世紀を先取りできた理由とは? ベートーヴェンは「株式会社の創業社長」? ショパンの「3分間」もワーグナーの「3時間」も根は同じ? 古楽から現代音楽まで、「名曲の魔力」を学び直せる最強の入門書。【目次】 はじめに――岡田暁生 序章 バッハ以前の一千年はどこに行ったのか 第一章 バッハは「音楽の父」か 第二章 ウィーン古典派と音楽の近代 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン 第三章 ロマン派というブラックホール 第四章 クラシック音楽の終焉? おわりに――片山杜秀


書名:名曲の裏側~クラシック音楽家のヤバすぎる人生~

著者:渋谷ゆう子

発行:ポプラ社(ポプラ新書)

 ある者は女性問題に頭を抱え、ある者はお金の工面に泣き、またある者は鬼嫁に責め立てられ……。クラシック音楽という高尚で優美なイメージから程遠い一面に注目することで、偉大な音楽家たちがのこした名曲を、より味わい深く楽しむことができる。恋愛、結婚、借金、孤独……、音楽家の人生を知ると、あの名曲がもっと深まる。読みながら楽曲を堪能できるプレイリスト付き。【目次】 1 名曲はフラれ続けたからこそ生まれた? 生涯独身、恋愛不遇のベートーベン 2 10日で一曲! ワーカホリックで悪戯好きの変人、モーツァルト 3 もっともビジネスセンスに秀でた音楽家。美食と経営、生き方に閃きのあるロッシーニ 4 甘く切ない音律で新しい音楽世界を作った、女性たちを翻弄したドビュッシーの狂気と魅力 5 あの有名な「愛の楽章」はこうして生まれた。交響曲の大家マーラー、歓喜と苦しみ 6 才能は愛人によって引き出されるもの!? コミュ障×病弱なピアノの詩人ショパン 7 良好な男女関係を築く方法は? シューマン、妻クララの丈夫な関係 8 客席では失神する女性が続出? クラシック史上、一番のモテ男リスト 9「白鳥の湖」は大富豪未亡人のおかげ? 推し活に支えられたチャイコフスキー 10 ワルツがまるで違った曲に?「美しき青きドナウ」シュトラウス2世のねじれた家族愛 11 国家予算をも動かした? 超俺様気質のワーグナーが生み出す壮大な世界


書名:バレエの世界史~美を追求する舞踊の600年~

著者:海野 敏

発行:中央公論新社(中公新書)

 バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。19世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ―600年の歴史を通観する。
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-05-09 09:37:00 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:音楽は自由にする~追悼・坂本龍一~

著者:坂本龍一

発行:新潮社

 坂本龍一(1952年―2023年、71歳没)が語る坂本龍一。激動の半生と、いつも響いていた音楽への想いを自らの言葉で克明に語った初の自伝。「あまり気が進まないけれど」と前置きしつつ、日本が誇る世界的音楽家は語り始めた。伝説的な編集者である父の記憶。ピアノとの出合い。幼稚園での初めての作曲。高校での学生運動。YMOの狂騒。「ラストエンペラー」での苦闘と栄光。同時多発テロの衝撃。そして辿りついた新しい音楽――。華やかさと裏腹の激動の半生と、いつも響いていた音楽への想いを自らの言葉で克明に語った初の自伝。


書名:「音楽の都」ウィーンの誕生

著者:ジェラルド・グローマー

発行:岩波書店(岩波新書)

 ウィーンはいかにして「音楽の都」になったのか。18世紀後半のウィーンでは、宮廷や教会などによる支援、劇場の発展、音楽教育の普及と聴衆の拡大、演奏会や舞踏会の展開など、多彩な要素が相互に作用しながら、音楽文化が重層的かつ豊かに形成されていった。膨大な同時代の史資料を駆使して描かれる「音楽の都」の実像。


書名:セザール・フランク

著者:ヴァンサン・ダンディ

訳者:佐藤 浩

発行:アルファベータブックス

 セザール・フランク(1822年―1890年)をよりよく知り、 より多く愛するための真の福音書。フランクの高弟で作曲家のヴァンサン・ダンディ(1851年―1931年)が、敬愛する師のために筆をとった思い出の書。伝記としてだけではなく、優れた芸術論・教育論としても読める名著。昭和28年刊行の音楽之友社版を復刊。


書名:続 音楽はお好きですか?

著者:藤岡幸夫

発行:敬文舎

 名曲に隠された作曲家たちの想い、世界有数の指揮者たちとの出会いと別れ、みずからの失敗談など、興味深いお話が満載。指揮者の道を歩みはじめてから、演奏会ではできるかぎりの高みをめざして音楽に向き合い、シベリウスや英国の音楽など、とくに大切にしている作曲家たちの作品紹介や、邦人作品の初演に力を入れてきた著者。また、演奏会ではトークを入れて、クラシックの敷居を低くしてオーケストラファンの裾野を拡げる活動も精力的にやってきた。本の執筆も、クラシックをもっと身近に感じていただきたいと願ったから。前著「音楽はお好きですか?」は、英国デビューするまでを、幼少のころのエピソードを交えながら、親しみやすい内容にした。今回の続巻は、指揮者のこと、楽曲のこと、作曲者のことに重きをおいて書き下ろしている。もちろん、おもしろいエピソードも満載。【藤岡幸夫】慶應義塾大学、英国王立ノーザン音楽大学指揮科卒。「サー・チャールズ・グローヴス記念奨学賞」を特例で受賞。現在、関西フィル首席指揮者、東京シティフィル首席客演指揮者。BSテレ東 音楽番組「エンターザミュージック」の指揮と司会でお馴染み。
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-04-18 09:35:07 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:指揮のおけいこ

著者:岩城宏之

発行:河出書房新社(河出文庫)

 指揮者の役割とは?指揮の上達法とは?暗譜のコツと大失敗、意外と多い指揮台からの落下etc。世界的マエストロで名エッセイストが明かす、楽しくてちょっとためになる「指揮」の秘密。著者の岩城宏之 (1932年―2006年)は、東京藝術大学在学中にNHK交響楽団副指揮者となり、1956年デビュー。以後、世界のトップ・オーケストラを指揮。エッセイストとしても知られ、著書に「フィルハーモニーの風景」「音の影」など多数。


書名:ヴィラ゠ロボス~ブラジルの大地に歌わせるために~

著者:木許裕介

発行:春秋社

 ブラジルの作曲家の巨匠、ヴィラ゠ロボス(1887年―1959年)の評伝。クラシックから、ギターやボサノヴァの領域にも繋がる膨大な作品を、激動の生涯や数々の伝説と共に解説。20世紀のブラジルとフランス、そして世界中を旅した作曲家が創造した音楽と魂に迫る。第Ⅰ部「生涯と作品」では、ヴィラ゠ロボスが極めて戦略的に構築していった「自身のイメージ」に纏わる伝説を、彼の激動の生涯とともに精密に調査していく。第Ⅱ部「作品総論」では、ヴィラ゠ロボスの膨大な作品の分析を試みる。ギターやピアノなどのソロ楽器の作品から、管弦楽曲や合唱などの大規模作品、さらには室内楽、協奏曲、オペラなど多岐にわたるジャンルを網羅する。1987年から蓄積された日本ヴィラ゠ロボス協会の諸研究と演奏活動、2017年以来駐日ブラジル大使館と提携して開催してきたゼミナールの研究成果に加え、執筆者が指揮者としてヴィラ゠ロボス演奏を経験してきた内容が組み込まれている。さらに、筆者自身が現地ブラジル・リオデジャネイロで調達してきた資料・写真も多数掲載する。


書名:音楽音響

編者:日本音響学会

編著:亀川 徹

著者:足立整治、西口磯春、松谷晃宏、高橋公也、若槻尚斗、星野悦子、谷口高士、山本由紀子、三浦雅展、大田健紘、丸井淳史

発行:コロナ社(音響学講座9)

 同書は、楽器音響学、音楽の心理学、音楽演奏の科学、音楽情報処理、音響技術と社会との関係を解説する。第1章では音楽に欠かせない楽器の音響学について概観する。有史以来さまざまな楽器が作られてきたが、同書では、音の減衰する楽器と持続する楽器に分けてそれらの音の発生から、固有周波数、固有モードによって演奏音の大きさや音高、音色を決定するメカニズムについて解説。第2章では、音楽を聴いて人間がどのように感じるかを探求する音楽心理学から、音楽の認知、感情、協和感についてとりあげる。第3章は、音楽の演奏を対象とした研究として、MIDIを用いた演奏記録や音響信号を用いた分析手法など演奏者と音響信号を対象とした研究手法を紹介。第4章では、情報技術を用いた音楽の処理について、和声の処理やポピュラー音楽におけるコード理論の応用、音楽に関する分析、音響合成の方法について解説。そして第5章では、社会とともに変化してきた音楽の背景にある音響技術やコンピュータ技術などの科学技術の発展を辿りながら、音響技術と音楽の関わりについて俯瞰する。


書名:クラシック33名盤へのオマージュ

著者:加来久敏

発行:東京図書出版

 著者が人生のフィナーレに選ぶ33枚のレコード。ヨーロッパ音楽無宿や米国留学などでの数々の名曲との出会い。日頃の鑑賞や若い頃の豊富な海外での体験を通して33盤を選ぶなんて、酷なこと。不可能である。しかし、何枚かは入れ替わることがあるかもしれないが、選んだ33盤はこれからもコアー・コレクションであり続けるにちがいない。
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-03-14 09:38:34 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:モーツァルトのオペラ 「愛」の発見

著者:岡田暁生

発行:講談社(講談社学術文庫)

 重厚なベートーヴェンやワーグナーに比べ、軽妙洒脱・癒やし音楽の旗手と捉えられがちなモーツァルト。しかしその美しい旋律の陰には、残酷な<仕掛け>がいくつも潜んでいた――。≪後宮からの逃走≫~≪魔笛≫に至る喜劇オペラの比較と恋愛描写の変遷を、熱狂的モーツァルティアンである著者が、細部に亘って吟味・考察。既存の論評を鮮やかに覆す、画期の書(「恋愛哲学者モーツァルト」(2008年3月刊行新潮選書を改題)。


書名:わが友、シューベルト

著者:堀朋平

発行:アルテスパブリッシング

 狂騒、神、愛(エロス)、成熟──聴くものすべてを包みこむあの“親しさ”はどこから来るのか。近年めざましい進展をみせるシューベルト研究。その中心人物による記念碑的労作が誕生!19世紀初頭──動乱の予感をはらむ凪(なぎ)の時代を、誰よりも疾(はや)く駈けぬけた作曲家の実像に肉迫する。「幸薄い早世の作曲家」という従来のイメージを覆し、「自らの欲求に衝き動かされ、めまいのするような愛に満たされて生きた人」として、いまだかつてないシューベルト像を提示。シューベルトの生きた時代を追体験し、その無意識の領域にまでせまるべく、手を伸ばした情報の幅広さと密度はまさに圧倒的。数多くのカラー図版を掲げながら、従来にない解像度で描きだす作曲家の実像は、まさに「わが友」というべき親密さに到達している。


書名:音楽学への招待

著者:沼野 雄司

発行:春秋社

 音楽についての学問といっても、その裾野は実に広い。同書では大作曲家の「駄作」からプロレスラーのテーマ音楽、さらには「モーツァルト効果」まで、さまざまな対象を歴史・社会学・心理学など多彩な切り口で考察する。かくも自由で融通無碍な学問のススメ。


書名:シャンソンと日本人

著者:生明俊雄

発行:集英社(集英社新書)

 東京五輪2020の閉会式で歌われた「愛の讃歌」をはじめ、老若男女が一度は聴いたことのある名曲がそろい、越路吹雪、菅原洋一、美輪明宏など不世出の歌手を生み出したシャンソン。戦後間もなくの大ブームとその後の人気下降の謎に、作家のなかにし礼や歌手の芦野宏といったキーパーソンの軌跡をたどりながら迫る。シャンソンがいかに日本のポピュラー音楽の礎となり、日本人の音楽観に影響を与えてきたか。100年にわたる歴史と変遷、そこに躍動するアーティストたちのヒューマンドラマにスポットを当てた初めての書。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2023-02-14 09:58:14 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:ウィーン・フィルの哲学~至高の楽団はなぜ経営母体を持たないのか~

著者: 渋谷 ゆう子

発行:NHK出版(NHK出版新書)

 正統にして先鋭。180年受け継がれてきた音楽と伝統の奇跡。言わずと知れた世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。なんと彼らは創設から一貫して経営母体を持たず、その運営を演奏家たち自身が行っている。なぜ彼らは長きにわたり後ろ盾なしで存続し、伝統を守り続けてきたのか。2020年、コロナ禍でコンサート開催が困難を極めた時期の来日公演の舞台裏から、組織のマネジメント形態や奏者たちによる「民主制」の内実、偉大な音楽家との関わりや戦時の対応、変化するマネタイズの手法まで。音楽ジャーナリストとして楽団長や団員に取材を行い、同時に彼らのレコーディングにも参加する著者が明かす、180年続くウィーン・フィルの「行動原理」。「目次】第1章 音楽界のファーストペンギン 第2章 ウィーン・フィルとは何者か 第3章 ウィーン音楽文化と自主運営の歴史 第4章 戦争が落とした影 第5章 王たちの民主主義 第6章 アート・マネジメントの先駆として


書名:キッチンからカーネギー・ホールへ~エセル・スタークとモントリオール女性交響楽団~

著者:マリア・ノリエガ・ラクウォル

訳者:藤村奈緒美

発行:ヤマハ

 オーケストラが女性演奏家への門戸を閉ざしていた1940年代、カナダ。自ら指揮棒を持ち、女性たちだけでオーケストラを立ち上げた人物がいた。彼女の名はエセル・スターク。スタークによって結成されたモントリオール女性交響楽団は、何を成し遂げたのか。【目次】プロローグ  平等を求める闘い 第1章 マエストラの生い立ち 第2章 女性の魅力が輝くとき 第3章 方向転換 第4章 抑えがたい力と動かしがたいものとの出会い 第5章 景気づけ 第6章 クレッシェンド 第7章 一番乗りの凱歌 第8章 発展に伴う痛み 第9章 デクレッシェンド 第10章 カーテンコール 第11章 受け継がれていくもの


書名:新時代の名曲名盤500+100

編者:レコード芸術

発行:音楽之友社(ONTOMO MOOK)

 名盤ガイドの決定版。新たなランキングで話題沸騰。過去数回にわたってムック化され、発売のたびに好評を得ている「レコード芸術」ムックの定番「名曲名盤」の最新版。前回の刊行以来6年ぶりとなる。今回は「レコード芸術」誌上で2020年から2022年に渡って掲載された特集「新時代の名曲名盤500」と、2022年9月、11月号に掲載された特集「新時代の名曲名盤プラス100」を底本とし、1冊にまとめている。個人が選んだ名盤ガイドは多数あるが、8名という複数の投票によって選定するという方法を採っている名盤ガイドは他に例を見ず、信頼度が非常に高い好企画だ。各曲で「ベスト1」に選ばれたディスクについては、ジャケット写真の掲載並びに選者によるコメントが付くほか、各曲について、投票結果についての講評も記されている。また各筆者には本誌掲載後に発売されたディスクを含めて、投票の見直しをしており、2023年現在の最新名盤ガイドの決定版として、ファン必携の1冊。


書名:ゼロから分かる! ジャズ入門
 
監修:後藤雅洋

発行:世界文化社

 世界にジャズは溢れてる!ジャズ入門書の決定版。音楽に囲まれて育った耳の肥えたあなた、いまこそ最強の音楽ジャンル、ジャズを知ろう。多種多様な音楽にジャズは忍びこみ、楽曲の骨格を支えたり、可能性を広げたり。そして、耳をすませば、TVから映画、ラーメン店のBGMにまでジャズが溢れている。知れば知るほど、楽しめる音楽、それが〝ジャズ〟。同書を読んで、ジャズを自由に楽しもう。【目次】まえがき 「ジャズとは何か?」500字でお答えしましょう。 1章 世界はジャズに溢れてる?!今こそジャズを聴くべき時〈対談:後藤雅洋×村井康司〉 2章 ジャズの世界を感じてみよう 映画と本とマンガで聴くジャズ 3章 音楽と世界の100年を見通す 早わかりジャズの歴史 4章 あなた好みのジャズが必ずある ジャズのスタイル 10 5章 このひと吹きが世界を変えた ジャズの先駆者 10 6章 知っていると10倍楽しい ジャズの常識曲〈ジャズ・スタンダード〉25 7章 いつだって現在進行形! 21世紀のジャズとジャズマン 10 8章 さあジャズを聴きに行こう! 全国おすすめジャズ喫茶&ライヴハウス・ガイド 専門書がスラスラ読めるジャズのキーワード 100
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