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★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇新刊情報

2024-09-17 09:36:50 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:秋岡教授の音楽学を愉しむ24の扉

著者:秋岡 陽

発行:音楽之友社

 著者は、フェリス女学院大学にて1993年より30年にわたり、音楽学を中心に教鞭を執る。また同大学教授、学長を経て、現在は名誉教授および中学・高校も含めたフェリス女学院の学院長を務める。同書は2021年より、月刊『現代ギター』に2年間連載された「秋岡陽の新音楽時報 Yo Yo Classics」に加筆修正を行ったうえで6つのパートに編集したもの。音楽学に関する24の章は、基本的に敷居が低く身近なエッセイから始まり各テーマの深い話まで平易に展開するので、クラシック音楽や音楽学の初中級者はもとよりビギナーも面白く読める。Part1でコロナ禍を経た新しい音楽生活を提案。Part2~5では時代の流れに沿ってクラシック音楽の誕生、形式、作曲家と楽曲、日本でのクラシック音楽受容や21世紀音楽などのテーマを扱う。Part6にて楽譜・音楽と言葉について語る。自宅で音楽学を愉しむ新しいヒントやトピック満載!


書名:クラシック音楽の大疑問

著者:岡田暁生

発行:KADOKAWA(角川選書ビギナーズ)

 素朴な疑問からわかる、最初のクラシック音楽入門。指揮者は何のためにいるんですか? どうして曲が長いんですか? 国ごとに個性があるんですか? 初めて聴くならどの作曲家がいいですか? クラシック音楽が生まれたのはどんな時代ですか? そもそも、音と音楽の違いは何ですか? 専門家に素朴な疑問を投げかけたら、音楽そのものの「本質」がみえてきた。クラシック音楽に原点をもつポップス、ジャズ、現代音楽まで、新しい音楽の聴き方に出会える入門書。


書名:楽器の音

編者:日本音響学会

編著:柳田益造

著者:高橋公也、西口磯春、若槻尚斗

発行:コロナ社(音響入門シリーズ A-5)

 高校までの知識で、発音体の動きを表す微分方程式と解から楽器の音響特性を理解する。発音体の動きを表す微分方程式、解として得られる「発音体の固有振動」=「楽器の音響特性」の物理的な本質を理解することを目的とした。これは、楽器開発職人が直感的に理解していたことで、高校までの知識で十分理解可能である。


書名:校歌斉唱!~日本人が育んだ学校文化の謎~

著者:渡辺 裕

発行:新潮社

 「校歌」はどのようにして日本独自の土着文化となったか? 校歌こそは、時代を映す音楽の機微を最も体現しているジャンルである――このような視座から、全国の校歌やその歌われ方を分析。旧制中学校・高等女学校でそれぞれの進化を遂げた後、戦後の男女共学化でどう変容し、いかに学校文化として歌い継がれてきたのか。校史や学校新聞などの資料を読み込んだ、瞠目の音楽社会史。
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◇クラシック音楽◇新刊情報

2024-08-13 09:35:42 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:もっときわめる! 1曲1冊シリーズ ⑧  J.S.バッハ:《マタイ受難曲》

著者:矢澤孝樹

発行:音楽の友社

 各曲をしっかり聴きたい人向けに1冊で1曲を扱うシリーズ第8弾。J.S.バッハの代表的な宗教作品をその魅力とともに徹底詳解。現代におけるこの作品の存在意義を「序」で述べたのち、第1章では作品の成立事情について前史を含めて詳解。第2章では、バッハの宗教音楽全体の中での受難曲の位置を提示、そして微に入り細を穿った詳細な楽曲解説を展開。第3章では、演奏傾向を分類した上で、それぞれの代表盤を中心に多くの録音に言及した「録音史」を詳述。古楽を得意とし、新聞・専門誌・講演等で活躍、読者からの信頼も厚い著者が、作品の魅力を1冊で語り尽くす。


書名:トスカニーニ 良心の音楽家 (上)歌劇界での人生/(下) 決して不在でなかったマエストロ

著者:ハーヴィー・サックス

訳者:神澤俊介

発行:アルファーベターブックス

 20世紀の最も活動的で影響力の大きい音楽家であり並外れた人間であったトスカニーニの、非凡な生涯とキャリアを描いた全く新しい伝記。上下巻で1000 頁を超える大作。他の人々が作曲した作品を理解し公演するのが仕事である解釈音楽家として自らの良心に従っただけでなく、他の音楽家との関係、また人間の自由と公正を強く信奉する人間としても自らの良心に従った、良心の音楽家、巨匠トスカニーニの生涯を描く。


書名:ヴァイオリンを弾き始めた日本人~明治初年、演奏と楽器製作の幕開け~

著者:梶野絵奈

発行:青弓社

 日本人はいつ、どのようにしてヴァイオリンを演奏しはじめたのか。どのようにしてその製作を始めたのか。そして、演奏技術や楽器製作はどのように広まったのか。これまで未知だった日本でのヴァイオリン黎明期を解き明かす。いつ誰がヴァイオリンを演奏しはじめたのか――最初に伝習を始めたハリストス正教会、それに続いた洋楽協会、音楽取調掛における伝習開始の経緯や目的、具体的な実践内容をひもとく。指導に当たった外国人の宣教師や音楽教師と日本人の弟子たちとの試行錯誤、日本の音楽教育やオーケストラの萌芽についても描き出す。いつ誰がヴァイオリンを作り始めたのか――初めてヴァイオリン製作に成功した職人をはじめとする黎明期の職人について、定説の検証や新資料の発見に基づき新たな説を提示する。また楽譜や教則本が国産されて、消費の対象になる過程にも光を当てる。ヴァイオリンは音楽を楽しむ道具としてだけでなく、宗教的・教育的・政治的な意図が折り重なるなかで日本に導入された。緻密な調査により、日本の近代化と歩調を合わせてヴァイオリンが日本人に受け入れられていった当時の熱量を現代に再現する。


書名:ビートルズ・イン・ハンブルク~世界一有名なバンドを産み出した街~

著者:イアン・イングリス

訳者:朝日順子

発行:青土社

 ビートルズ、デビュー直前の修行時代。世界を席巻する前のビートルズは、駆け出しのセミプロ集団に過ぎなかった。同書は、1960年8月にビートルズのエージェントであるアラン・ウィリアムズが最初に派遣したドイツ・ハンブルクでのビートルズの様子を生き生きと描き、ハンブルクという街がビートルズの物語にどのような役割を果たしたのかを示すだけでなく、彼らが直面した困難――公演会場、年齢制限、国外追放などの問題――、そして演奏家や作曲家としての彼らを形成した経験についても詳しく描く。ビートルズはハンブルクにおいてプロのミュージシャンになっただけでなく、最終的に世界で最も人気のあるバンドになるための礎を築き始めていたことを明らかにする。
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●クラシック音楽●新刊情報

2024-07-16 09:34:17 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:ベルリオーズ ドラマと音楽~リスト・ワーグナーとの交流と共に~

著者:村山則子

発行:作品社

 リスト、パガニーニに支援され、シューマン、ショパンの支持を受け、ワーグナーに比肩しながら母国での活動に苦闘したフランス・ロマン主義の風雲児ベルリオーズ。書簡や自伝、主要作品の分析、錯綜する人間関係を通して多感な鬼才の人間像を剔出。「今回のベルリオーズはこれまでの三作のように一つの論点を設け、それを展開して結論に至る方式ではなく、むしろベルリオーズの人間性に焦点を当て、多方面からの視点を加えて、その立体像を浮かび上がらせることを心掛けた。彼の音楽作品については、その全体像を見るのではなく、あくまで「ドラマと音楽」という観点から、三作品のみに留めた。主に残された書簡や自伝から構成し、ベルリオーズ、そして彼を取り巻くワーグナーやリスト等の声が直接響き、こだまする作品にしたいと考えた」(「終わりに」より)


書名:バレンボイム/サイード 音楽と社会<新装版>

著者:ダニエル・バレンボイム、エドワード・W・サイード

編者:アラ・グゼリミアン

訳者:中野真紀子

発行:みすず書房

 エルサレム生まれカイロ育ち、ニューヨークに住むパレスチナ人エドワード・サイード。かたやユダヤ人としてブエノスアイレスに生まれ、イスラエル国籍、ロンドン、パリ、シカゴ、そしてベルリンを中心に活躍する指揮者・ピアニスト、ダニエル・バレンボイム。つねに境界をまたいで移動しつづけている二人が、音楽と文学と社会を語り尽くした6章。パレスチナとイスラエルの若き音楽家をともに招き、ともに学んだワイマール・ワークショップの話から、グローバリズムと土地、アイデンティティの問題、オスロ合意、フルトヴェングラー、ベートーヴェン、ワーグナーなど、白熱のセッションが続く。「わたしたちはあらゆる種類の関心事を共有する親しい友人として、二人いっしょに、自分たちの人生の相似したところ(パラレル)と相反したところ(パラドックス)を探求していたのである」——E・W・サイード。


書名:クラシック名盤復刻カタログ

著者:松本大輔

発行:青弓社

 廃盤になったレコードの名演奏をデジタル音源として復刻しているアリア・レーベルから厳選し、楽曲の背景にある演奏家と指揮者の人生や時代、人物の魅力とともに案内する。入手困難なヴァイオリニストの復刻盤、カラヤンの知る人ぞ知る貴重な録音も紹介する。ベートーヴェンの『運命』やチャイコフスキーの『悲愴』など、同じ楽曲でも演奏者や指揮者によって異なる魅力をもつクラシック音楽。思わず笑ってしまうものや予想を超える仰天の演奏を、楽曲の背景にある演奏家と指揮者の人生や時代、その人だけがもつ魅力とともに案内する。「悶絶必至のトスカニーニの演奏」や、戦争のなか開催されたフルトヴェングラーのコンサート録音などを幅広く紹介。入手困難なCDが多いヴァイオリニストの復刻盤、カラヤンの知る人ぞ知る貴重な録音にもふれる。クラシック・ファンはもちろん、初心者も「ちょっとだけ聴いたことがある」「名前は知っている」あの曲の名演や、これまで知らなかった演奏家の一面に出合える絶好のディスクガイド。


書名:あの素晴しい日々~加藤和彦、「加藤和彦」を語る~

著者:加藤和彦、前田祥丈

監修:牧村憲一

発行:百年舎

 2009年に亡くなった加藤和彦が生前、膨大な時間を掛けて受けたインタビューをまとめた一冊。その生い立ちからザ・フォーク・クルセダーズ、サディスティック・ミカ・バンド、ソロ以降、そして1993年当時の音楽観・人生観に至るまでを、古くから彼を知る前田祥丈が細部にわたって聞き、書き上げた。空前のブームとなった「帰って来たヨッパライ」はなぜ世に出ることになったのか。日本のバンドとして初めて世界的な評価を受けたサディスティック・ミカ・バンドの当時の活動。そして安井かずみとの日々……。「ここまで語るのか」とページを繰る手に思わす力が入ってしまうほど引き込まれてしまう。
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●クラシック音楽●新刊情報

2024-06-18 09:44:52 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:指揮者 小澤征爾~世界のOZAWA 軌跡と継承~

編者:音楽之友社

発行:音楽の友社(ONTOMO MOOK)

 2024年2月6日、世界的指揮者の小澤征爾が逝去した。享年88。1959年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝以降、次々と世界の名門オーケストラの音楽監督を歴任、2002年にはオペラの殿堂であるウィーン国立歌劇場の音楽監督に東洋人として初の就任を果たすなどして、世界のクラシック音楽界の頂点に上り詰めた。一方、新日本フィルの立ち上げ、サイトウ・キネンオーケストラの結成、水戸室内管弦楽団での総監督を務めるなど日本でも精力的に活躍。また、教育活動にも精力的に取り組み、小澤征爾音楽塾、小澤国際室内楽アカデミーなどで後進の指導にあたった。日本が誇る世界のOZAWAの八面六臂な活動を追い、次世代への継承を紹介する。ウィーン国立歌劇場、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルでの公演データ、ディスコグラフィ付き。【目次]】序章 巻頭言 片山杜秀/略年譜 第1章 挑戦と飛躍 アメリカ名門オーケストラでの活躍 第2章 世界の頂点 ウィーン国立歌劇場音楽監督、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル 第3章 日本での活動 世界に通用するオーケストラを。教育活動への情熱的取り組み ディスコグラフィ


書名:史料で読み解くベートーヴェン

著者:大崎滋生

発行:春秋社

 ベートーヴェンの伝記や作品史を構成してきた数々の逸話と対峙し、史料を通じてその真実性をあらためて検討する。虚飾や誇張、思い込みや誤解によって、「楽聖」というクリシェとともにひとり歩きしてしまった「孤高の天才芸術家」という虚像――巧みな演出によりその虚像を作り出したシンドラーや、それに翻弄され続けた多くの研究者たちの言説を、書簡や会話帖を活用して徹底的に検証し、フランス革命前後の激動の時代、政治・社会情勢に翻弄されながら、雇い主なきフリーランスの芸術家として、金銭問題や人間関係をどうにかやりくりしつつ、作曲から出版にいたる創作活動を続けた、等身大のベートーヴェンの生き様が、より高い精度で立ち現れてくる。「ベートーヴェン像再構築」「ベートーヴェン完全詳細年譜」を経た著者が、ベートーヴェン研究の核心にあらためて一石を投じる。


書名:近衞秀麿の手形帖~マエストロの秘蔵コレクション~

監修:近衞音楽研究所

発行:アルテスパブリッシング

 フルトヴェングラー、ストラヴィンスキー、シャリアピン、ストコフスキー……大音楽家70人の手形を原寸大・オールカラーで観る!日本楽壇の父、近衞秀麿が蒐集したコレクションを一挙公開。巨匠たちの素顔がよみがえる!表紙に「Forget Me Not」という題字の記された3冊の手形帖──。指揮者・作曲家として、黎明期の日本楽壇を牽引した近衞秀麿(1898–1973)は、交流した音楽家たちにこの手形帖を渡し、そこに手形とメッセージを残してもらうことを生涯の愉しみとしていた。同書は、近衞が1935年(昭和10)から1971年(昭和46)まで、戦前から最晩年まで36年間にわたって蒐集しつづけた大音楽家たちの手形70点を、関連資料とともに収載したものである。「日本楽壇の父」と崇められながら、ひとりの音楽愛好家として巨匠たちへの憧れを隠すことのなかった近衞のコレクターとしての姿と、20世紀の巨匠たちの素顔が垣間見える貴重なコレクションである。【近衞秀麿(このえ・ひでまろ、1898-1973)】1898年、 貴族院議長および学習院院長を務めた近衞篤麿の次男として東京に生まれる。異母兄は日本の総理大臣を務めた近衞文麿(1891-1945)。今日のNHK交響楽団の前身である新交響楽団を結成し、日本の交響楽の普及・発展の基礎を確立する一方、ベルリン・ フィルハーモニー管弦楽団やフィラデルフィア管弦楽団など欧米各地のオーケストラを指揮し、国際的な評価を得た。また、フルトヴェングラーやストコフスキーといった指揮者、リヒャルト・シュトラウス、 シベリウス、ストラヴィンスキーといった作曲家たちと親交を結び、 近衞との交流を通して来日した音楽家も少なくない。


書名:音楽を信じる~We believe in music!~

著者:村井邦彦

発行:日本経済新聞出版

 教科書にも載っている国民的愛唱歌「翼をください」で知られ、数々の個性的な名曲で歌謡曲に新風を吹き込んだ作曲家が、デビュー間もない24歳で音楽出版社「アルファミュージック」を旗揚げする。高校生だったユーミンの才能を見出し、今や世界の若者が「シティポップ」としてもてはやす質の高い楽曲やコンセプトアルバムを次々と世に送りだし、アメリカのレコード会社と契約を結んで、YMOの世界進出を成功させる。その多面的な活躍を貫く「村井邦彦」の美学の源泉が、同書の此処かしこから顔をのぞかせる。80年に及ぶ半生の時々の出来事を、カメラで活写するようにつづった自伝は、新しいカルチャーの勃興期に誰と誰が出会い、そこでどのような化学変化が起きたかがみずみずしく描かれており、時代を経ていささかも古びることはない。平成から令和にかけて登場したミュージシャンにとって、あたりまえのスタンダードが実はいかに新しく過激なものであったか、そのことを新たに発見する書になるであろう。あこがれからではなく、最初から等身大で欧米とフランクに向き合えた人たちが生み出した日本の音楽のアイデンティティーが、たしかにここにはある。
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●クラシック音楽●新刊情報

2024-05-20 17:35:10 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:モーツァルト 父の夢、子の夢~往復書簡から読み解く「父と子のデュオドラマ」~

編訳:モーツァルトの手紙を読む会

発行:音楽之友社

 モーツァルトはその短い生涯のほぼ3分の1を旅に費やした。職探しの旅とされる「マンハイム=パリ旅行」(1777年9月23日~1779年1月15日)は、そのなかでも重要な旅のひとつで、初めて父親が息子に同伴しなかった旅でもあった。同書は、この旅の際にレオポルトとヴォルフガング父子が交わした往復書簡のなかから、父子の興味深い関係を窺い知ることができる手紙を厳選し、両者の掛け合いに主軸を置いて「会話性」を持たせたもので、父子による「デュオドラマ(2人だけの対話劇)」の魅力を伝える書簡集となっている。モーツァルト・ファンだけでなく、すべての音楽ファン必携の一冊。


書名:バイロイト祝祭の黄金時代~ライヴ録音でたどるワーグナー上演史~

著者:吉田 真

発行:アルファベータブックス

 ドイツの巨匠ワーグナーが遺したオペラのみを上演するバイロイト祝祭。当代一の歌手と指揮者と、気鋭の演出家による公演は常に話題となり、世界で最もチケットが取りにくいとされる。バイロイト祝祭の戦後最初の1951年から1970年代半ばまでの「新バイロイト」の「黄金時代」を現存するすべての録音記録をもとに徹底検証。世界にも例のない、ワーグナー上演史。【登場する主な指揮者・歌手】フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、カラヤン、カイルベルト、クレメンス・クラウス、ヨッフム、クリュイタンス、サヴァリッシュ、マタチッチ、ラインスドルフ、ケンペ、マゼール、クリップス、ベーム、スウィートナー、ブーレーズ、カルロス・クライバー、ヴァルナイ、メードル、ニルソン、ヴィントガッセン、ホッター、ナイトリンガー、グラインドルほか


書名:日本音楽の構造

著者:中村明一

発行:アルテスパブリッシング

 ロングセラー『倍音』『「密息」で身体が変わる』の著者が、日本音楽の根源的な価値に迫る。尺八奏者として活躍しながら深めてきた長年の研究を集大成した日本音楽論の決定版。古今の伝統音楽・芸能、各地の民謡から現代のJ-POPまでをとりあげ、「倍音」「密息」に加えて「微小音量」「微少変化」「リズムの自由性」「言語性・音響性」「間」などをキーワードにした方法論で分析。過去・現在のあらゆる日本音楽を貫く構造を解き明かす。人類の未来を照らし出す「日本の音楽」の宇宙を巡る壮大な旅へ。


書名:あなたがあの曲を好きなわけ~「音楽の好み」がわかる七つの要素~

著者:スーザン・ロジャース、オギ・オーガス

訳者:中川 泉

発行:化学同人

 〝殿下〟プリンスの名作を手掛け、全米ナンバーワンヒットをプロデュースした著者が、あの曲にどうしようもなく惹かれる理由を探る。数々の名作を手掛けた音楽プロデューサーから認知神経科学者に転身したスーザン・ロジャースが、音楽の七つの要素(本物らしさ、リアリズム、斬新さ,メロディー、歌詞、リズム、音色)に基づく「リスナー特性」によって、好きな曲で心が動かされる理由を明らかにしていく。この、リスナー特性を探ることで、音楽とのつながりが深まり、自分の個性も見えてくるという。科学に裏打ちされた洞察を織り込み、あらゆるジャンルの音楽に光を当て、レコード制作の舞台裏やプロデュース術も紹介する本書を読めば、音楽の楽しみ方が大きく変わる。
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●クラシック音楽●新刊情報

2024-04-23 09:43:50 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:大楽必易~わたくしの伊福部昭伝~

著者:片山杜秀

発行:新潮社

 「ゴジラ」で音楽革命を起こした作曲家の生涯を直話で辿る決定版評伝。”ドシラ ドシラ ドシラソラシドシラ”というテーマ曲で怪獣に生命を与えた伊福部昭。原点はアイヌとの深い交流だった。北海道のアマチュア作曲家がチェレプニン賞第1位となり活躍した戦前・戦中から放射線被曝による雌伏を経て、映画で復活。91年の生涯を世界音楽史の中で捉え直し、なぜ幼児の心すら攫うのか、その秘密を探る。


書名:コンクール文化論~競技としての芸術・表現活動を問う~

編著:宮入恭平、増野亜子、神保夏子、小塩さとみ

発行:青弓社

 私たちは音楽を演奏し、ダンスを踊り、それら表現を見ることで日々の彩りを豊かにし、ときに癒やされ、励まされもしている。本来、優劣をつける必要がないにもかかわらず、人はなぜコンクールの場を設けて、芸術やパフォーマンスで競い合うのか。ショパンコンクールからK-POPのオーディション番組、ダンススポーツ、民謡、伝統音楽、古典芸能、そして学校のコンクール、バレエ教室の発表まで、多種多様なコンクールの事例を紹介して、パフォーミングアーツを競い合うことの多様性と共通点、魅力やダイナミズム、問題点を浮き彫りにする。演者や表現者が認められるべく努力し、審査員が真剣な眼差しを向け、観客が歓声を上げ、称賛を送る――コンクールという場で創造される表現の可能性、そこに生じる演者のキャリアや挫折、そして社会的な意義に多面的に迫るユニークな論考集。


書名:やさしく学ぶ 楽典の森

監修:長野俊樹

編者:中村寛子

イラスト:ごとうまきこ

発行:音楽の友社

 季節ごとに移りかわる森の植物や動物たちのイラストとともに、楽しく音楽の基礎が学べる初心者向けの楽典入門書。音符、休符、拍子といった楽譜の読み方から、音程、音階、コードといった演奏に必要な基礎知識までを平易な言葉やイラスト、譜例で説明。初心者がつまずきやすいポイントもしっかりフォローしている。また、章ごとに設けた「練習問題」で、知識が得られたかどうかを確認しながら進めることができる構成なので、独学者にもおすすめ。対象は、子ども向けでは簡単すぎるけど、大人の演奏経験者向けの本では難しい…というジュニア~大人・シニアの初心者。歌の伴奏などが必要となる保育士養成学校と同レベルの知識習得を目指す。カラー64ページ、2色32ページ。


書名:ピアノトリオ~モダンジャズへの入り口~

著者:マイク・モラスキー

発行:岩波書店(岩波新書)

 日本のジャズレコードやライブの多くを占めるピアノトリオ。バンドのリズムセクションが独立して成立した比較的新しい演奏編成とはいえ、モダンジャズの入り口でもある。その歴史を繙き、パウエルからエヴァンス、チック・コリア、ジャレットなど様々なピアノトリオのアルバムを取り上げ、具体的な魅力、聴き方を語る。
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●クラシック音楽●新刊情報

2024-03-18 11:05:54 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:プロコフィエフ

著者:菊間史織

発行:音楽之友社(作曲家◎人と作品)
 
 ウクライナに生まれ、大陸をまたにかけて活躍したロシアの作曲家プロコフィエフの、海外の最新研究を反映した日本語評伝がついに刊行。「生涯篇」では、プロコフィエフ研究の日本での第一人者である著者が、日記・手紙、最新の研究から、彼の考えや足取りを丁寧にたどり、彼の作曲への献身と聴衆への愛を浮かび上がらせる。プロコフィエフ研究は海外に資料が散在しているため困難で、古いままの情報が共有されてきたが、彼の人生と音楽活動について、今まで日本語では読めなかった多くの事実が明かされていく。「作品篇」では、バレエ音楽《シンデレラ》、小学校音楽科の教科書に長らく使われていた《ピーターと狼》や、ピアノ協奏曲、映画音楽など、ジャンルが多岐にわたる各作品の創作の背景や詳細が、当時の社会情勢もふくめてまとめられている。「作品一覧」「年譜」の資料篇も充実。プロコフィエフ、ひいてはロシア音楽のファン必携の一冊。


書名:交響曲 名盤鑑定百科

著者:吉井亜彦

発行:亜紀書房

 掲載ディスク6000枚超!モーツァルトからベートーベン、ブラームス、マーラー、シベリウス、ショスタコーヴィチ、クラシック交響曲を代表する100の名曲を解説。100曲それぞれについて、戦前の歴史的録音から必聴の定番、埋もれた名演、2020年代の最新盤まで膨大な音源を紹介。名曲を心ゆくまで味わい、自分だけの一枚をさがすための必携のガイド。クラシック交響曲のガイドとして長く愛されてきた『名盤鑑定百科 交響曲篇』(春秋社)に、データを大幅に追加して編む決定版。


書名:生活はクラシック音楽でできている~家電や映画、結婚式まで日常になじんだ名曲~

著者:渋谷ゆう子

発行:笠間書院

 日本人には少し敷居が高く感じられるクラシック音楽。でもコンサートホールまで聴きに行かない人でも、実は生活の中でさまざまな形で耳にしている。例えば、炊飯器の炊き上がりやお風呂のお湯張り完了で流れる電子音で、TVの人気番組のオープニングテーマとして、映画やアニメの名シーンの一部として、または運動会や結婚式を盛り上げるBGMとして……。それらの名曲は、ただ聴いているだけでも美しさに浸れるが、そこに隠された作曲家の人生や当時の時代背景、作曲の意図を知ることで、より心に響いてくるものばかり。そして、曲を理解することが、映画などを深く鑑賞することにもつながる。クラシック音楽に触れる機会を探している人、教養として音楽の知識を身につけたい人、そして音楽を通して日常生活をちょっと違った視点で眺めたい人にもおすすめの一冊。紹介した曲をすぐに聴けるQRコード付き。


書名:レコード芸術2023年総集編

別冊付録:レコード・イヤーブック2023年1~7月号&補遺

編者:音楽之友社

発行:音楽之友社(ONTOMO MOOK)

 2023年7月号で休刊した『レコード芸術』。恒例の看板企画であった「レコード・アカデミー賞」は、形を変えて「ONTOMO MOOKレコード・アカデミー賞」として行なう。今回は、『レコード芸術』1~7月号の特選盤から月評の各担当筆者が1位から3位までを選定。これまでのような合議・投票により大賞や部門賞などを選出する方法ではなく、各筆者単独によるランキングとする。ほか、2023年後半に関しては対談形式でのディスク紹介など、「買うべき&聴くべき」ディスクが満載。別冊付録の「レコード・イヤーブック」は、月刊誌1~7月号巻末掲載分についてはこれまでと同じ形式で、それ以降のディスク情報については簡略化して1冊にまとめた。
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●クラシック音楽●新刊情報

2024-02-20 09:58:19 | 新刊情報



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書名:奇跡の歌姫 マリア・カラス~ドラマティックな人生を駆け抜けた~

編者:「音楽の友」、「レコード芸術」

発行:音楽之友社(ONTOMO MOOK)

 生涯をオペラに捧げた伝説のディーヴァ、マリア・カラス。オペラ史上もっとも名の知られたソプラノ歌手は、この世を去ってから約50年経ってもなお、燦然と輝き続け、多くの人を魅了してやまない。カラスの生誕100周年を記念し、彼女の53年の人生を紐解く。


書名:音楽教程

著者:ボエティウス

訳者:伊藤友計

発行:講談社(講談社学術文庫)

 古典的学識に通じ『哲学の慰め』『算術教程』などを著した「最後のローマ人」ボエティウス。その著作群は大きく4つに分けられる。数学的諸学科に関する教育的作品、アリストテレス、キケロ、ポルフュリオスなどの著作の翻訳と注釈、キリスト教神学の哲学的考察、そして最後に『哲学の慰め』。『音楽教程』は第一期に属するもので、ピュタゴラス以降の音楽理論を総覧し詳述しており、後世とくに中世~18世紀までの西洋音楽理論に絶大な影響力を維持していた。「協和・不協和」「音程と旋律」「オクターヴ」「5度」「4度」「全音」「半音」など、音の性質を体系立てたことの意義は大きい。オクターヴの完璧さは何に由来するのか、5度、4度の協和が「完全」である理由は何なのか、また、半音は本当に全音の「半分」なのか、あるいは、旋法の構造はどのようなものなのか。聴覚に甘美に響くことが音楽の起源ではあるにせよ、そこに判断のすべてを任せる姿勢を批判し、強調されるのは最終的な完全性と認識は理性に存するという一点である。そのうえで探求されるのは、音程あるいは協和音に関する数学的解明であり、モノコルドの弦長を二分割、三分割、四分割……と計算を尽くす方法で「数比」の重要性を明確にし、音程の根拠を示すこと。1500年ほども前に形作られたこの理論の骨子は、音響科学などの知見をもって近代の音楽理論が挑んだ刷新の試みにも完全に克服されたとは言えず、いまだに西洋音楽の基盤をなすものである。同書は、19世紀のラテン語版刊行物を底本とし、英・仏・独・露語版を参照して翻訳した、初めての日本語版。


書名:日本のヴァイオリニスト~弦楽器奏者の現在・過去・未来~

著者:本間ひろむ

発行:光文社(光文社新書)

 ヴァイオリンがヴァイオリニストを選ぶ――。ピアノはその美しいキーを指で叩くだけできれいな音が出る。しかし、ヴァイオリンはそうはいかない――。その草木も生えていない石ころだらけの場所からスタートして、美しい音を出し、音程をキープし、豊かな音楽を創り出すまでどれだけの時間がかかるのだろう――。(「まえがき」より抜粋)16世紀後半には既に完成されていたヴァイオリン。日本におけるヴァイオリン受容史から、「歴史的な名器」ストラディヴァリウスとグァルネリ・デル・ジェスをめぐるエピソード、新世代の弦楽器奏者まで、ヴァイオリニスト、ヴィオリスト、チェリストたちが歩んできた苦闘と栄光の物語。


書名:ピアノより大きなピアニスト~年金生活者マリーヤ・ユーディナの運命~

著者:武藤洋二

発行:みすず書房

 マリーヤ・ユーディナ(1899-1970)。スターリン本人を手紙で批判して銃殺されず、リヒテルなどが「太陽のように崇めた」ロシアの伝説的ピアニストである。二枚の黒衣しか持たず(一枚は演奏会用)、年金をすべて貧しい人、助けを求める人に使い、自分は病身で借金まみれ。冬物のコートがなく、リューマチなのに満足な靴もなく、賃貸のピアノの借料が払えない。無防備が人生の原則で、人の不幸を知ってしまったら、財布にいくらあるかを考えない。自分の心を裏切らない、意に沿わないことはやらない。最後まで他者救済に自分を活用し、ピアニスト以前に人間であった。庵に住んで「窓の月」を唯一の持物とした良寛。「丈夫ナカラダ」に憧れながら、農民のための肥料設計に命を削った宮沢賢治。ベートーヴェン、カザルス、チェーホフ、石牟礼道子、樹木希林など、私たちにもなじみのある〈群像〉とともにユーディナの生き方を描く。人の嘆き、悲しみ、おののきを自らのものとするピアニストの音色。ユーディナの演奏は内的な力が外へと放熱し、音楽そのものとなって彼方へと向かった。専門にとじこもらず、命を使う場がピアノより大きかった比類なきピアニストの光跡。
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●クラシック音楽●新刊情報

2024-01-23 09:34:21 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:音楽力を伸ばす「譜読み」の基本~楽譜攻略13のステップ~

著者:山本美芽

発行:ヤマハミュージックエンタテインメント

 「楽譜はなぜ読めたほうがいい?」「耳コピはダメ?」「効率的な身につけ方は?」「音楽的な活用法は?」「そもそも譜読みってなんだろう」――そんな疑問がすべて解決。楽譜との向き合い方を変え、「譜読み」を効率的に身につけ演奏を変えるための一冊。楽譜を自由に読めるようになるのは意外に大変。世の中には、楽譜が読めなくても楽器を自由に演奏している人もたくさんいる。では、苦労して楽譜を読めるようにすることに、どのような意味があるのか?同書は、楽譜を読んで演奏すること(譜読み)の意味を根本から問い直し、譜読みの意義や目的、そして演奏につなげるための効率的な学習法を考えていく。ピアノ教本研究家でもある著者が、数多くの音楽指導者への取材を通して見えてきた譜読みの効果とは? また、より実践的な目的につなげるための学習法や実践法とは?同書を読むことで譜面への理解が深まり、音楽との向き合い方がきっと変わるはず。


書名:日本のクラシック音楽は歪んでいる~12の批判的考察~

著者:森本恭正

発行:光文社(光文社新書)

 同書における批判の眼目は、日本における西洋音楽の導入において、いかに我々は間違ってそれらを受け入れ、その上その間違いに誰も気がつかず、あるいは気がついた者がいたとしても訂正せず、しかも現在まで間違い続けてきたか、という点である(「批評1 日本のクラシック音楽受容の躓き」より)。明治期に導入された西洋音楽。だが、その釦は最初から掛け違っていた。そして日本のクラシック音楽は、掛け違った釦のまま「権威」という衣を纏い、今日へと至る。作曲家・指揮者として活躍する著者が、20年を超える思考の上に辿り着いて示す、西洋音楽の本質。【目次】批判1 日本のクラシック音楽受容の躓き 批判2 西洋音楽と日本音楽の隔たり 批判3 邦楽のルーツ 批判4 なぜ行進は左足から始まるのか 批判5 西洋音楽と暴力 批判6 バロック音楽が変えたもの 批判7 誰もが吉田秀和を讃えている 批判8 楽譜から見落とされる音 批判9 歌の翼 批判10 音楽を運ぶ 批判11 現代日本の音楽状況 批判12 創(キズ)を造る行為


書名:ルービンシュタイン 全録音をCDで聴く

著者:藤田恵司

発行:アルファベータブックス

 ルービンシュタインの生涯にわたってなされた全ての録音(1928年~1976年)を、彼の人生においての出来事とともに論じ、CDで聴けるようにガイドする。「己の演奏を後世に残す」という強い使命感を持って晩年まで録音に挑み続けたピアニストのアルトゥール・ルービンシュタイン(1887年―1982年)。彼の代名詞とも言えるショパンの演奏をはじめ、全ての録音データを網羅するとともに、彼の音楽人生も辿っていく。【全録音ディスコグラフィー付】


書名:ロックの正体~歌と殺戮のサピエンス全史~

著者:樫原辰郎

発行:晶文社

 なぜ歌うのか? なぜ踊るのか? なぜ戦うのか?ロック文化から見えてくる、ヒト 700 万年の Like a Rolling Stone!ロックとはなんだったのか? 進化心理学、認知科学、神経科学、人類学、霊長類学、自然主義哲学、二重過程理論、処刑理論、生物学的市場仮説、お婆ちゃん仮説 etc. ──最新のサイエンスと歴史知識を駆使してロック文化を多角的に考察する。情熱的に語られがちなロックを、冷静に、理性的に、縁側で渋茶をすするお爺さんのように語る、ポップカルチャーの哲学。好評連載「ロックの正体」(晶文社スクラップブック)を完全書籍化。
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●クラシック音楽●新刊情報

2023-12-19 09:36:41 | 新刊情報



<新刊情報>




書名:ハイクポホヤの光と風

著者:舘野 泉

発行:音楽の友社

 2015~21年にかけて「音楽の友」誌で連載されたピアニスト・舘野 泉のエッセイ、「80歳の屋根裏部屋」と「ハイクポホヤの光りと風」をまとめた一冊。書籍化にあたり、連載後の21年10月~23年4月の間の出来事についても大幅に加筆を加えた。60年を超える演奏生活の中で舘野が魅了された作曲家やその作品――ムソルグスキー、グラナドス、ハチャトゥリアン、シベリウス、矢代秋雄、三善晃、間宮芳夫、吉松隆――、そしてのべ数千回のコンサートで巡った世界各地の場所――アイスランド、フランス、ロシア、アルゼンチン、インド、ラオス――など、このほかに家族など大切な人々についても綴っている。「ハイクポホヤ」とは、舘野の別荘があるフィンランドの湖畔の一角。そこに降り注ぐ光や吹き抜ける風のように、音楽と共に移ろいゆく人生の機微を独自の感性でとらえた文章は、作品解説でも自伝でもない、唯一無二の語りである。


書名:オペラ大図鑑

著者:アラン・ライディング、レスリー・ダントン=ダウナー

監修:加藤浩子

発行:河出書房新社

 オペラの誕生から現代の新作に至るまで、400年超にわたる壮大な総合芸術の世界を、豪華ヴィジュアル満載でたどる決定版大型ガイド。作曲家、台本作家、182もの作品を網羅。すべてのオペラ愛好家に捧ぐ。1607年モンテヴェルディの「オルフェオ」からコジ・ファン・トゥッテ、ラ・ボエーム、そしてブロークバック・マウンテンなど現代のオペラまで、作曲家・演目・歌手・舞台・建築を網羅しオペラの壮大な歴史をたどる究極のビジュアルガイド。【同書の特徴】 1:ルネサンスから21世紀まで182の重要作品とその作曲家・作品の特徴を膨大な図版で詳説 2:各作品の初演情報などデータ面も充実、各国の進化を示すために年代順に配列 3:作品紹介には代表的な舞台写真も数多く紹介


書名:杜のオーケストラ~仙台フィル50年の物語~

著者:須永 誠

発行:音楽之友社

 「これで金を取る気なのか!」 約190人もの関係者への取材・確認を敢行。指揮者はなぜ怒ったのか? 求められた音楽像は? 東日本大震災やコロナ禍でも音楽の灯を絶やさなかった理由とは?――50年にわたる物語が幕を上げる。1973年冬、杜の都・仙台の寺院に集まった音楽家4人が、オーケストラの設立を決意する。まもなくプロ化するも、理想の相違や、楽団員の確保、資金繰りの困難が待っていた。数々の痛みを経験しながらも同オケは、東北の音楽文化の中核を担い、東京公演や海外公演、そして国際音楽コンクールなど世界的な檜舞台を踏むようになる。仙台フィルを形づくってきた芥川也寸志、籾山和明、円光寺雅彦、外山雄三、梅田俊明、パスカル・ヴェロ、飯守泰次郎、高関健、山田和樹ら指揮者との絆、地元のみならず全国の音楽家、音楽ファンから寄せられる信頼。そして、プロとしての矜持・・・。常に挑戦し続ける地方オケの雄の素顔。


書名:ジャズピアノ (上)(下)~その歴史から聴き方まで~

著者:マイク・モラスキー

発行:岩波書店

 ジャズ演奏を裏から支えるピアノを手掛かりに、全く新しい切り口からジャズの歴史をたどる。外国語文献を駆使し、印象論を越えた、具体的な聴きどころ、鑑賞のヒントに満ちた、類書のないジャズ論。繰り返し聞いていた演奏が、新鮮に聞こえてくる! 上巻は、ジャズの誕生からビバップ、クールジャズの成立まで。下巻は、ハードバップの展開から現在までの歴史をたどり、ジャズピアノのテクニックを解説、さらに様々編成の中にピアノを聴く。
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