たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?
今日はラヴェル:ピアノ協奏曲です。
この曲は、アメリカ旅行からフランスに戻ったラヴェルが自分で演奏するために作曲した曲です。アメリカで聴いたと思われるジャズの要素も入っていて、他の作曲家のピアノ協奏曲とはちょっと違った雰囲気を持っているピアノ協奏曲だと思います。
完成した協奏曲は、体調不良などもあって結局自分ではピアノを演奏する事が出来なかったようですが、元気よく快活でテクニカルな第1・3楽章と、しんみりと聴かせる第2楽章がなんとも多彩なラヴェルらしい一曲です。
第1楽章:パチン!とムチの音が響くと、フルートとピアノが軽妙に始まります。
淡々と響くふたつの音は次第に盛り上がると、少しはしゃいだようなトランペット
がフレーズを引き継いでいきます。
曲が落ち着くと、ピアノのゆったりとしたジャズのような響きに、フルートや
ウッドブロックのリズムがスパイスを効かせていくようです。
しばらくするとピアノの動きも速くなり、軽快なフレーズをなめらかに奏でます。
テクニカルなフレーズを軽々とこなしていきます。素早いパッセージの間に
管楽器が入ると、機敏な動きには圧倒されます。
やがて冒頭のフレーズをピアノと管楽器が賑やかに響かせます。
一度、静かになるとピアノがポツリ、ポツリと響き寂しげな雰囲気になりますが、
静けさの中にフルートが一瞬響くと、すこし驚きます。
また静かになると、ピアノの音色が穏やかに流れ、涼しげな表情をみせてくれます。
やがてピアノのが低音を力強く響かせると、曲に勢いが戻り、管楽器を巻き込んで
華やかに盛り上がって曲を締めくくります。
第2楽章:中低音のおだやかなピアノがしんみりとしたフレーズで、ゆっくりと
始まると、けだるい感じがなんとも心地よく響いてきます。
寂しげでもあり、物憂げなピアノの響きがトリルに変わりフルートの響きが
すうっと入ると、それまで目元にたまっていた涙がすうっと頬をつたって流れ
落ちてくるかのような気持ちになってしまいます。
ピアノとフルートのゆっくりとしたメロディは続き、突然の涙にとまどって
しまいますが、弦楽器が入るとそれを大きく包み込んでくれるように響きます。
ピアノの暗いメロディは弦楽器になだめられるように次第に明さを取り戻します。
しかし、明い表情を取り戻したかのように聴こえたピアノも、安心したのか、
返って大粒の涙をポロポロとこぼすように、キラキラと輝くような美しい
ピアノの音色を聴かせてくれます。
ピアノと同時に流れるイングリッシュホルンも、おだやかな表情でそっと
見守るように、やさしいメロディを聴かせてくれます。
最後はフルートの音色が、さわやかに響くと、まるで何事も無かったかのように
どこまでも続くピアノのトリルで終わっていきます。
第3楽章:金管楽器が大きく響き渡ると、勢いのあるピアノが大急ぎではじまります。
クラリネットやフルートが疾風のように入ると、曲が引き締まります。
トランペットにスネヤドラムがピシャリと入ると、一度仕切り直したピアノは、
また勢いよく走り出していきます。
トライアングルがジリリー!と響き、ムチがまたピシャリ!と入り、おどけたような
ホルンが入ると、ひと息入れますが、
ピアノの勢いは止まらずにどんどん前に、前にとまっしぐらに進んでいきます。
管楽器を巻き込みながら盛り上がりを見せると、ピアノはとどまる事を忘れた
かのようにどんどんと進み、最後はバスドラムがドン!と締めて終わります。
「ラヴェルの生涯」を調べていて、「何かラヴェルの曲の記事も書かないとなぁ、」なんて思って、ラヴェルの作品をいろいろ聴きながら、どれにしようかと思ってました。
それで、CDは持っていたんですけど、そんなに聴いていなかったこの「ピアノ協奏曲」をプレイヤーに入れて流していました。
これまでにも、何回か聴いた事があったこの曲でしたけど、第1楽章がやたら賑やかで、めまぐるしい程に動く曲だったので、どちらかと言うと最初に聴いて以来あんまり聴かない曲になっていましたが、今回、何気なく流していたCDを聴いて、ハッ!としたのが第2楽章でした。
こんなに温かくて美しいメロディがあったなんて・・・!
それから、もう一度最初から聴き直してみると、第1・3楽章も、細かいところがあるにも関わらず、それを豪快に弾きこなしていくところが、なんとも圧巻の一曲でした。
演奏時間は20分少々と、協奏曲としてもそれほど長くはありませんが、いろんな意味でボリュームは満点の曲だと思います。
それにしても、こんなにいい曲があったのに聴き逃して(素通り)いたなんて…、ちょっとショックな今日この頃です。
≪オススメCD≫
アルゲリッチのピアノでどうぞ
【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★
≪おすすめシチュエーション≫
いろんな要素が満載のピアノ協奏曲です
今日はラヴェル:ピアノ協奏曲です。
この曲は、アメリカ旅行からフランスに戻ったラヴェルが自分で演奏するために作曲した曲です。アメリカで聴いたと思われるジャズの要素も入っていて、他の作曲家のピアノ協奏曲とはちょっと違った雰囲気を持っているピアノ協奏曲だと思います。
完成した協奏曲は、体調不良などもあって結局自分ではピアノを演奏する事が出来なかったようですが、元気よく快活でテクニカルな第1・3楽章と、しんみりと聴かせる第2楽章がなんとも多彩なラヴェルらしい一曲です。
第1楽章:パチン!とムチの音が響くと、フルートとピアノが軽妙に始まります。
淡々と響くふたつの音は次第に盛り上がると、少しはしゃいだようなトランペット
がフレーズを引き継いでいきます。
曲が落ち着くと、ピアノのゆったりとしたジャズのような響きに、フルートや
ウッドブロックのリズムがスパイスを効かせていくようです。
しばらくするとピアノの動きも速くなり、軽快なフレーズをなめらかに奏でます。
テクニカルなフレーズを軽々とこなしていきます。素早いパッセージの間に
管楽器が入ると、機敏な動きには圧倒されます。
やがて冒頭のフレーズをピアノと管楽器が賑やかに響かせます。
一度、静かになるとピアノがポツリ、ポツリと響き寂しげな雰囲気になりますが、
静けさの中にフルートが一瞬響くと、すこし驚きます。
また静かになると、ピアノの音色が穏やかに流れ、涼しげな表情をみせてくれます。
やがてピアノのが低音を力強く響かせると、曲に勢いが戻り、管楽器を巻き込んで
華やかに盛り上がって曲を締めくくります。
第2楽章:中低音のおだやかなピアノがしんみりとしたフレーズで、ゆっくりと
始まると、けだるい感じがなんとも心地よく響いてきます。
寂しげでもあり、物憂げなピアノの響きがトリルに変わりフルートの響きが
すうっと入ると、それまで目元にたまっていた涙がすうっと頬をつたって流れ
落ちてくるかのような気持ちになってしまいます。
ピアノとフルートのゆっくりとしたメロディは続き、突然の涙にとまどって
しまいますが、弦楽器が入るとそれを大きく包み込んでくれるように響きます。
ピアノの暗いメロディは弦楽器になだめられるように次第に明さを取り戻します。
しかし、明い表情を取り戻したかのように聴こえたピアノも、安心したのか、
返って大粒の涙をポロポロとこぼすように、キラキラと輝くような美しい
ピアノの音色を聴かせてくれます。
ピアノと同時に流れるイングリッシュホルンも、おだやかな表情でそっと
見守るように、やさしいメロディを聴かせてくれます。
最後はフルートの音色が、さわやかに響くと、まるで何事も無かったかのように
どこまでも続くピアノのトリルで終わっていきます。
第3楽章:金管楽器が大きく響き渡ると、勢いのあるピアノが大急ぎではじまります。
クラリネットやフルートが疾風のように入ると、曲が引き締まります。
トランペットにスネヤドラムがピシャリと入ると、一度仕切り直したピアノは、
また勢いよく走り出していきます。
トライアングルがジリリー!と響き、ムチがまたピシャリ!と入り、おどけたような
ホルンが入ると、ひと息入れますが、
ピアノの勢いは止まらずにどんどん前に、前にとまっしぐらに進んでいきます。
管楽器を巻き込みながら盛り上がりを見せると、ピアノはとどまる事を忘れた
かのようにどんどんと進み、最後はバスドラムがドン!と締めて終わります。
「ラヴェルの生涯」を調べていて、「何かラヴェルの曲の記事も書かないとなぁ、」なんて思って、ラヴェルの作品をいろいろ聴きながら、どれにしようかと思ってました。
それで、CDは持っていたんですけど、そんなに聴いていなかったこの「ピアノ協奏曲」をプレイヤーに入れて流していました。
これまでにも、何回か聴いた事があったこの曲でしたけど、第1楽章がやたら賑やかで、めまぐるしい程に動く曲だったので、どちらかと言うと最初に聴いて以来あんまり聴かない曲になっていましたが、今回、何気なく流していたCDを聴いて、ハッ!としたのが第2楽章でした。
こんなに温かくて美しいメロディがあったなんて・・・!
それから、もう一度最初から聴き直してみると、第1・3楽章も、細かいところがあるにも関わらず、それを豪快に弾きこなしていくところが、なんとも圧巻の一曲でした。
演奏時間は20分少々と、協奏曲としてもそれほど長くはありませんが、いろんな意味でボリュームは満点の曲だと思います。
それにしても、こんなにいい曲があったのに聴き逃して(素通り)いたなんて…、ちょっとショックな今日この頃です。
≪オススメCD≫
アルゲリッチのピアノでどうぞ
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★
≪おすすめシチュエーション≫
いろんな要素が満載のピアノ協奏曲です