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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
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神経突起を作るタンパク質を発見=九州大学

2006年11月03日 | 脳、神経
 神経細胞で情報のやりとりを担う神経突起を形作るのに欠かせないタンパク質を九州大の中山敬一教授らが発見、「プロトルーディン」と名付け、3日付の米科学誌サイエンスに発表した。神経細胞が変性して下半身がまひする「遺伝性痙性対(けいせいつい)まひ」の治療に役立つ可能性があるという。

 神経細胞は、核のある細胞体から多数の神経突起が伸びている。突起は長いもので約1メートルにも達するが、突起が作られるメカニズムは謎だった。

 研究チームは、突起形成にかかわる分子を探すうちにプロトルーディンを発見。がん細胞にこのタンパク質を大量に入れたところ、丸い細胞の細胞膜が部分的に伸びて突起ができた。

 一方、神経細胞でこのタンパク質の働きを抑えると、細胞膜がすべての方向に伸びて広がるだけで、突起はできなかった。このことから、プロトルーディンが特定の方向に細胞膜を伸ばして突起を形成する働きを担っていると判断した。

 中山教授は「プロトルーディンが細胞膜の材料となる脂質を運ぶと、そこで細胞膜が伸びて突起になるのだろう」と話している。

[京都新聞 / 2006年11月03日]
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006110300023&genre=G1&area=Z10

Protrudin Induces Neurite Formation by Directional Membrane Trafficking
Science 3 November 2006: Vol. 314. no. 5800, pp. 818 - 821
DOI: 10.1126/science.1134027
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/314/5800/818


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