神経細胞の発達や活動に不可欠な遺伝子が染色体上の一定の場所に集中して存在し、その大部分が特定の酵素によって活性化されることを、岡山大大学院の筒井研教授(遺伝情報動態学)らの研究チームが突き止めた。この酵素による遺伝子の活性化異常が精神疾患の原因となっている可能性が考えられ、治療法の開発につながる成果として注目される。
筒井教授らは、細胞の核に存在する「II型DNAトポイソメラーゼβ(トポIIβ)」という酵素に着目。ラットの脳の神経細胞を使い、遺伝子にどのような影響を与えるのかを調べた。
遺伝子の働きを調べたところ、トポIIβによって活性化される遺伝子は、染色体上の遺伝子がない部分(遺伝子砂漠)の両側に存在するケースが多いことを確認。これらの遺伝子が働いてできたタンパク質の機能を解析すると、9割以上が神経細胞の発達や活動に不可欠なものだった。
[山陽新聞 2009年01月22日]
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2009/01/22/2009012223095852002.html