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臓器移植:移植後「うつ」の原因、「免疫抑制剤の副作用」=自治医科大学

2007年03月06日 | 薬理
 臓器移植を受けた患者がうつ状態を起こすのは、免疫抑制剤による副作用の可能性が高いことが、自治医科大の小林英司教授(移植免疫)らの研究で明らかになった。臓器移植専門の米医学誌に発表される。

 研究チームは「移植後の免疫抑制剤の投与方法などを工夫すれば、うつ状態を効果的に解消できるかもしれない」と分析している。

 これまで移植後にうつ状態を起こしたり、落ち込む患者が目立つのは、移植による心理的な影響と考えられていた。

 研究チームは、臓器移植の普及につながった代表的な免疫抑制剤「シクロスポリン」を健康なマウスに投与し、様子を観察した。通常マウスは互いに体を寄せ合って眠るが、シクロスポリンを投与すると、互いに警戒し、1匹ずつ離れて眠った。また、高さ1メートルに設置した一部に壁のない通路を歩かせたところ、シクロスポリンを投与したマウスは、壁のないところを歩けなくなるなど、おびえた様子を見せた。

 人の社会性の低下や不安には、ドーパミンやセロトニンという神経伝達物質の働きの低下が関与しているとされるが、シクロスポリンを投与したマウスの脳内のドーパミンとセロトニンの分泌量は、投与しないマウスの半分以下だった。【永山悦子】

[毎日新聞 / 2007年3月6日]
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070306ddm002100070000c.html


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