さまざまな細胞や組織に分化する能力を持つ「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を使ってマウスの神経難病を治すことに、慶応大が成功した。岡野栄之・同大医学部教授(再生医学)は「ヒトの治療への応用には時間がかかるが、iPS細胞の効果を確認できた」と話している。
実験に使ったのは「ミエリン形成不全症」という難病を発症させたマウス。神経から腕のように伸びる軸索を覆う「ミエリン(髄鞘=ずいしょう))」と呼ばれる細胞が生まれつき作れないため、脳からの命令がうまく伝わらず、震えや歩行困難などを起こす。
研究チームは、別のマウスの体細胞に四つの遺伝子を導入して作ったiPS細胞から神経幹細胞を作り出し、病気のマウスの脊髄(せきずい)に移植した。8週間後、脊髄の神経細胞にミエリンができているのを確かめた。また、脊髄損傷で歩けなくなったマウスにこの神経幹細胞を移植したところ、歩けるようになったという。
同大などは、ミエリン形成不全症のほか、アルツハイマー病、パーキンソン病などの患者から体細胞を提供してもらい、iPS細胞を作る研究を進めている。【永山悦子】
[毎日新聞 2008年11月01日]
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081102k0000m040044000c.html
ES細胞や、iPS細胞による再生医療の実用化が日に日に身近に感じられるようになってきました。
この技術の問題点は感染症と細胞がガン化してしまう割合が高いこと、などだそうです。このようなハードルをクリアしていくと同時に、厚生労働省やFDA(アメリカ食品医薬品局)の指針といった法的なハードルもあるようですね。
「一日も早く」、と待ち望む人たちの願いがかないますように。
実験に使ったのは「ミエリン形成不全症」という難病を発症させたマウス。神経から腕のように伸びる軸索を覆う「ミエリン(髄鞘=ずいしょう))」と呼ばれる細胞が生まれつき作れないため、脳からの命令がうまく伝わらず、震えや歩行困難などを起こす。
研究チームは、別のマウスの体細胞に四つの遺伝子を導入して作ったiPS細胞から神経幹細胞を作り出し、病気のマウスの脊髄(せきずい)に移植した。8週間後、脊髄の神経細胞にミエリンができているのを確かめた。また、脊髄損傷で歩けなくなったマウスにこの神経幹細胞を移植したところ、歩けるようになったという。
同大などは、ミエリン形成不全症のほか、アルツハイマー病、パーキンソン病などの患者から体細胞を提供してもらい、iPS細胞を作る研究を進めている。【永山悦子】
[毎日新聞 2008年11月01日]
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081102k0000m040044000c.html
ES細胞や、iPS細胞による再生医療の実用化が日に日に身近に感じられるようになってきました。
この技術の問題点は感染症と細胞がガン化してしまう割合が高いこと、などだそうです。このようなハードルをクリアしていくと同時に、厚生労働省やFDA(アメリカ食品医薬品局)の指針といった法的なハードルもあるようですね。
「一日も早く」、と待ち望む人たちの願いがかないますように。