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インフルエンザ新薬に道?ウイルス増殖の仕組み発見=東京大学医科学研究所

2008年07月10日 | 蛋白質
 インフルエンザウイルスが人の細胞に感染して増えるために欠かせない複数のたんぱく質を、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス感染)らのグループが突き止めた。新薬の開発に道を開く成果として注目されそうだ。10日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。

 ウイルスは感染した細胞がもともと持っているたんぱく質を利用して増殖している。しかし、インフルエンザの場合、どんなたんぱく質がかかわっているかはほとんどわかっていなかった。

 ショウジョウバエの細胞に感染するように遺伝子を改変したインフルエンザウイルスを作製。細胞のどのたんぱく質が増殖にかかわっているかを調べた。

 すると、人と共通して持っているたんぱく質のうち、エネルギーを生み出したり、細胞の呼吸を助けたり、リボ核酸(RNA)の輸送にかかわったりする三つのたんぱく質の働きを抑えると、ウイルスが増殖できないことがわかった。

 現在、インフルエンザの治療薬として使われているタミフルは、すでに薬が効かない耐性ウイルスが報告されている。河岡教授は「今回特定したたんぱく質とウイルスの相互作用を抑えることができれば、新しい薬や治療法の開発につながる」と話している。

[朝日新聞 2008年07月10日]
http://www.asahi.com/science/update/0710/TKY200807100163.html


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