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遺伝情報運ぶたんぱく質、「歩く」仕組みを解明=早稲田大学

2007年05月25日 | 蛋白質
 細胞内での「荷物の運び屋」と呼ばれる、ごく小さなたんぱく質が、まるで二本足で歩いているかのように動く仕組みを、早稲田大理工学術院の木下一彦教授(生物物理学)らのチームが解明した。

 分子レベルの微細な機械(ナノマシン)の開発にもつながる成果で、25日発行の米科学誌「サイエンス」に掲載される。

 このたんぱく質は「ミオシン5」で、大きさは1万分の1ミリ程度。細胞内で、遺伝情報を担っているリボ核酸(RNA)などを運ぶ役割をしている。逆V字の形に開いた2本の足のようなパーツを持っており、その足を使って、まるでレールの上を進むように、細胞内の線維上を一定方向に移動していく。

 木下教授らは、その足に目印となる大きなたんぱく質を結合させた上で、顕微鏡を使ってビデオ撮影し、その動きを詳しく調べた。

 その結果、ミオシン5はまず、両足が分岐する「股(こ)関節」部分を前に押し出すことで、線維にくっついている「後ろ足」を線維から離していた。次に、線維から離れて自由に動くようになった「後ろ足」に、水分子が衝突して、「後ろ足」が回転。その結果、「後ろ足」は前方の線維に着地していた。これを交互に繰り返すことにより、約2分間で2000分の1ミリの距離を「歩行」していた。

[読売新聞 / 2007年05月25日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070525ik01.htm

早稲田大学 プレスリリース
『分子モーター、ミオシン5の歩く様子を直接観察』
http://www.waseda.jp/jp/pr07/070525_p.html


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