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木の抗菌物質を作る酵素解明=京都大学

2007年12月11日 | 蛋白質
 スギやヒノキなど針葉樹の色のついた心材に蓄積している抗菌成分ヒノキレジノールを作る酵素を、京都大生存圏研究所の梅澤俊明教授(樹木代謝機能化学)らのグループが突き止めた。

 立体構造が違うヒノキレジノールを作り分けることもでき、これまで知られていなかった植物の機構の一端が明らかになった。米国科学アカデミー紀要で11日、発表する。

 ヒノキレジノールはスギなどのほか、化学式は同じだが立体構造の違う幾何異性体のヒノキレジノールがアスパラガスにもある。梅澤教授はアスパラガスからヒノキレジノールを作る酵素を構成する2種類のタンパク質(α、β)を発見し、タンパク質を作る遺伝子を特定した。遺伝子を働かせて耐久性の高い木材にしたり、逆に働きを抑えることで心材の色を抑えたりすることが期待できるという。

 この酵素はαとβが結びついたペアの構造で働いているが、αかβどちらか1種類だけのペアだとスギなどと同じ構造のヒノキレジノールを作ることも分かった。「タンパク質の組み合わせを変えるだけで幾何異性体ができるのはこれまで知られていない現象。それぞれが特定の幾何異性体だけを作っている理由は分からないが、興味深い機構だ」(梅澤教授)という。

[京都新聞電子版 / 2007年12月11日]
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007121100100&genre=G1&area=K10


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