ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

世界初、たんぱく質「セプチン」の機能を解明=名古屋大学

2009年01月23日 | 蛋白質
 生物の細胞質分裂や精子の形成などにかかわるとされるたんぱく質「セプチン」に様々な細胞の形を制御する機能があることを、名古屋大学の滝口金吾助教らのグループが世界で初めて突きとめ、米科学誌「カレント・バイオロジー」電子版に発表した。

 セプチンは脳や精巣などに幅広く存在し、その異常がパーキンソン病や男性不妊症などに関係していることはわかっていた。

 滝口助教らが、リン脂質でできたリポソームという人工の生体膜にセプチンを加えたところ、リポソームから多数の突起が伸び、さらにセプチンが突起部分の周囲を巻くようにして糸状の線維を形成した。こうした形状は、動物の神経細胞などに見られることから、セプチンの機能が判明した。

 滝口助教は「セプチンの異常による疾患の発症原因や治療方法の究明につながる」と話している。

[読売新聞 2009年01月23日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090123-OYT1T00878.htm

マウス皮膚細胞:極小ビーズで人形=東京大学

2009年01月23日 | 再生医療
 マウスの皮膚細胞を集めた極小のビーズ約10万個を立体的につなげ、大きさ5ミリの人形を作ることに、東京大学生産技術研究所の竹内昌治准教授(マイクロデバイス工学)らが成功した。この技術を使えば、異なる種類の細胞を生きたまま整然と並べることが可能になり、ヒトの内臓などに近い状態を再現できるようになるという。

 ヒトの内臓は異なる細胞が何層にもわたり整然と並んでいる。しかし、人工的に作成しようとすると、同じ細胞同士が塊を作ったり、内部に栄養分が行き届かずに死んでしまうなどの課題があった。

 竹内准教授らは、マウスの皮膚細胞を集めた直径約0.1ミリの丸いビーズを作成。厚さ1.25ミリの型に入れて培養し、24時間後でも細胞が生きた状態の人形を作った。

 さらに、ヒトの肝臓の細胞2~4個の周囲にマウスの皮膚細胞数十個がくっついたビーズの作成にも成功した。竹内准教授は「数種類の細胞を組み合わせてより臓器に近い状態を作り、動物実験を行わなくても薬が臓器に与える影響などを調査できるようにしたい」と話している。26日からイタリアで開かれる国際会議で発表される。【斎藤広子】

[毎日新聞 2009年01月23日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20090123k0000e040014000c.html