チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古、明日からはどういう工事が始まるのか? コンクリートブロック投下と仮設道路造成を阻止するために

2016年01月24日 | 沖縄日記・辺野古

  1月24日(日)、今日は宜野湾の市長選。志村さんが勝てば辺野古新基地建設を阻止する展望が大きく開ける。しかし、政府・防衛局は宜野湾の市長選の結果に関わらず、辺野古の工事を続行すると強調しており、明日以降、辺野古は大変な状況となるだろう。25日(月)は、防衛局の工事再開を阻止するための海上大行動が予定されている。

 当面、政府・防衛局が狙っているのは、大浦湾へのコンクリートブロック投下とシュワブ沿岸部での工事用仮設道路工事であろう。以下、防衛局から公文書公開請求で入手した工事の設計図書をもとに、想定される今後の工事予定について説明する。

1.大浦湾へのコンクリートブロック投下について

  防衛局は昨年11月22日にコンクリートブロックを積んだ大型台船を大浦湾に進入させた。これらは汚濁防止膜を固定するためのアンカーであるが、岩礁破砕許可の範囲を逸脱したものだという指摘により、その後、2ケ月以上も投下できない状態が続いている。

 1月18日のブログでも説明したが、翁長知事は防衛局に対して、昨年12月18日、「当該照会内容の確認ができるまで、先に搬入された汚濁防止膜用コンクリートブロックを海域に投入しないよう」と指示をした。しかし、防衛局はこの知事の指示を無視したままコンクリートブロックを投下しようとしている。

 汚濁防止膜(コンクリートブロックを含む)の設置箇所は下の図の赤線部分である。防衛局の埋立承認願書では「本埋立工事を施工するに当り、埋立工事期間中の海水の濁り拡散防止を目的として汚濁防止膜を展開する」としているが、最初に施工されるK-9護岸やA護岸の造成に際しては汚濁防止膜設置の予定はない。

 昨年11月にンクリートブロックを持ち込んだ理由は明らかではないが、護岸工のためでないとすると考えられるのは海上作業ヤードの西側(下図では左側)の汚濁防止膜(浮沈式)の固定のためである。

 なお、この海上作業ヤードの西側には固定式の汚濁防止膜も設置される(下図の青部分)。そのためには海底を平坦にするために根固め用袋材が敷設されるが、それについても岩礁破砕許可申請が必要なことは言うまでもない。

 

2.工事用仮設道路工事について

  昨年9月、防衛局長は海上ボーリング調査後の工事予定として「工事用仮設道路」造成を明言した。昨年11月末から始まったシュワブの浜での「付替道路」工事はその一貫である。

 下の図を参照されたい。工事用仮設道路①(国道329号線を高架で渡り大浦湾まで)と工事用仮設道路②(そこから南の辺野古手前の陸上作業ヤードまで)については、一昨年12月、仲井真前知事が設計概要変更申請を承認した。今回着工された「付替道路」(下の赤線部分)は、国道329号線からの工事用仮設道路①が高架橋で降りてくるので、シュワブ内の既設道路からこの仮設道路に取り付くための道路であるが、着工に際して設計概要変更申請の手続きがされておらず公有水面埋立法違反である。

 県も、本年1月12日、防衛局に文書を出し、「新たな道路工事である場合、公有水面埋立法第13条に基づく設計概要変更申請が必用となることから、手続が完了するまでは、当該道路に関わる作業を行わないよう」という指示を行った。

 防衛局は、この「付替道路」造成への批判が集中したため、昨年12月中旬、工事を一時停止せざるを得なくなった。しかしこの道路は、埋立本体工事の最初の護岸工事(K-9護岸)のための工事用進入路であり、防衛局は知事の指示に従わないまま工事を再開する恐れも強い。この「付替道路」が完成すれば、K-9護岸造成のために大量の捨石(50~200Kgほどの岩)が大浦湾に投下される。

 また、工事用仮設道路①~③の造成工事は、名護市教育委員会の文化財調査を終えてからしか着工できない。名護市教育委員会の文化財調査は、下の図の陸上作業ヤードと工事用仮設道路②のA工区での試掘調査を終え、まもなく工事用仮設道路③の箇所に入ろうとしている。従って、防衛局が工事用仮設道路の工事に入るとすれば、②のA工区の造成からであろう(工事用仮設道路②のA工区の工事は、何故か、「工事用仮設道路」工事ではなく、大成建設を中心とした共同企業体に発注した「中仕切岸壁新設」工事の中に含まれている。)

 この工事用仮設道路のA工区は、海岸部に栗石を入れた根固め用袋材(2トンのもの388ケ、1トンのもの25,700ケ)を敷設し、その間に割栗石を置き、上部を砕石舗装して造成される。ほとんどは海の中での造成であり、その意味では大浦湾に石材・土砂を投下する最初の工事となる。また、砕石舗装には、旧米軍兵舎を解体したコンクリート殻を破砕した再生砕石が使われる。

 必要とされる栗石は大型ダンプトラックで約3,100台にもなる。これらの栗石は本部から陸路運ばれるが、防衛局にとっても、ゲート前での座り込みを排除しながらこれだけ大量の栗石を搬入することは簡単ではない。ゲート前での座り込みを強化すれば、この工事用仮設道路の造成を阻止できるのだ。

 

 

 

 

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