だからこそ、認める訳にはいかなかった。
助かった気持ち、感謝の気持ちはあっても、それを口にして出す事は出来なかった。
だから、つい、心にもない言葉が出てしまう。
「ふん、魔女神め、やっぱり嘘つきだな」
「つきたくてついた嘘じゃないもん」
「ついてくるな」
「なんで?あたい達、もうパートナーみたいなもんでしょ」
「ふざけるな、俺は一人でもやってやる」
「無理しないで使ってよ、あたいの力」
「魔女神が」
「あたいにはシリスって名前があるもん。しーちゃんって呼んでも良いよ」
「誰が呼ぶか、お前など、魔女神で十分だ」
「それじゃ、他の魔女神と区別つかないじゃない」
「だったら桃魔女神だ」
「それ、言いにくくない?」
「じゃあ、略して桃だ」
「桃か……それならまぁ」
「じゃあな、桃、俺は行く」
「あーん、待ってよぉ」