客引きの男は女の使徒になる約束でも取り付けているのだろう。
もっとも、いざ、魔女神になれるとなったら、あんまり優秀そうに見えないあの男も裏切られて殺されるだろう事は容易に推測がつく。
魔女神になる女というのはたいがいの場合、裏切りはお手の物だ。
信じて仕えても飽きられて、ポイッと捨てられるかも知れないのだ。
リグレットはその醜いやり口を見てきたからこそ、相手にするつもりは無かった。
彼は解っている。
そうやってせこくやっている女は決して魔女神にはなれない。
途中で、正義感に燃える人間に見つかって、殺されるだろう。
魔女神になる女はもっと大物の巨悪なんだ。
あんな小物じゃない。
続く。