そう思ったら、自然と身体が前に出た。
普通、使徒にする者は頬などにキスをする。
それは、魔女神が本当の意味で使徒の事を信用していないからだ。
唇に唇を重ねるのは信頼の証。
その者に全面協力するという証でもある。
アエリスの時は決して自分の方からは唇にキスはしなかった。
結婚するまではとはぐらかし、頬やおでこにしていた。
それは、アエリスが完全にはリグレットを信用していなかったからだ。
リグレットの方から唇にキスをしたことはあっても、アエリスの方からは決してなかった。
本当の意味では信頼されていなかったのかも知れない。
思えば、あの頃から気持ちはすれ違っていたのかも知れない。
続く。