「なめやがって」
リグレットは毒づく。
「あら、舐めたかったら、舐めても良かったのよ。シャイなのね、あなた」
マリスはからかう。
「ちょちょちょ、ちょっと、あんた、恥ずかしくないの?」
シリスが動揺する。
彼女にとっては大胆過ぎる行動だったからだ。
「あら、魔女神がこの程度でオタオタするなんて、あなたの方がどうかしていると思うけど?ねぇ、桃色の魔女神さん」
「あ、あたいはそんなはしたない事なんてしないもん」
「なら、魔女神としては半人前以下ね。大人しく私に殺されて生け贄のカウントをよこしなさいな」
「べーだ。あんたなんかに殺されてやるもんですか。やっちゃえ、リグレット君」
「そこのへっぽこ魔女神に言われてやるのもしゃくだが、あんたは俺に喧嘩を売った。きっちりけじめはつけさせてもらうぜ、茶色の魔女神、マリスさんよ」
「あら、まだ、間に合うわよ。【ネーベル】を潰した腕は買えるわ。今ならまだ、私の忠実な下僕として認めてあげるわ」