「ほら、あたい、生け贄のストックが茶色の魔女神と合わせて二百五十七になっちゃったから、目障りだってちょっかいをかけて来たのが居て、リグレット君が……」
「そうか……色々と面倒な立場だな、お前さんも……」
「うん……そだね。あたいも静かに暮らしたいんだけど、向こうはそう思ってくれなくてさ……」
「だからって死のうって思うなよ。お前さんはもう、二百五十七人、マリスも入れれば二百五十八人の命を背負ってんだからよぉ。大事に生きてみせな。私はこんなにも立派な人生を送ったんだってな」
「良いのかな、それで?」
「お前さんが死んでも、犠牲になった人間は戻って来ねぇんだぜ。それに、性格の悪い魔女神の糧になるよりお前さんの糧になってた方が百万倍ましだと思うがね」
「ありがと、マスター」
「じゃあ、行ってこい、この跳ねっ返りが」
カルロスはシリスのおしりをパシンと叩く。
「いたっ、あ、マスターセクハラだよ」
「正義の魔女神なら、それくらいサービスしろや、それにしても相変わらず、良いケツしてんな、嬢ちゃん」
「えっち!もう、……行ってきます」
「行ってこい。無事に帰ったらまた触ってやっから」
「べーだ。もう触らせませんよぉーだ」
続く。