よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

ファーブラ・フィクタ タティー編第002話67

2017-05-31 16:33:32 | 日記
 【ヴィホヂット】の悪巧みも気になるところだ。
 悪女【ヴィホヂット】は【リーチェニー】をどのように利用するのか?
 タティー達の預かり知らぬところでせっせと悪巧みに精を費やしているのだろう。
 タティー達の旅は続く。
 まだ、何事もない。
 せいぜい、ドスケベ四人衆に毎日、お風呂を覗かれているくらいのものだろう。
 まだ、安全。
 だが、これからはわからない。
 悪女、【ヴィホヂット】が正式に動き出したのだから。
 いつ、邪悪なアプローチを仕掛けて来ないとも限らないのだ。
 【ヴィホヂット】は手ぐすね引いて罠を張り、どこで仕掛けてくるかわからない。
 そんな危険性をタティーはまだ知らない。
 彼女は次に入るお風呂を楽しみにしている。
 のんきな女の子だった。


続く。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話66

2017-05-31 16:33:00 | 日記
 別に、タティーはお風呂で精神統一をしている訳では無い。
 むしろ羽を伸ばしてのんびりしているのだ。
 【リセンシア】は、
「まぁまぁ、気になるなら後でみんなで入って洗いっこしたら、私は撮影――もとい、見学させてもらうから」
 と言った。
 タティーは、
「【リセンシア】さん、鼻血……」
 とつっこむ。
 【リセンシア】の思惑はお見通しと言わんばかりだった。
 こうして、いつもの毎日が始まる。
 最初の目的地、第一の最大神殿までは後、半分と言ったところまで来ていた。
 このまま何事も無く終わるのか?
 それとも一悶着二悶着あるのか?
 あるいはもっとか?


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話65

2017-05-31 16:32:18 | 日記
 【クインスティータ】は、
「入浴への欲求に勝てないなんて、偽クアンスティータとして失格ですわよ」
 と言った。
 偽クアンスティータの条件にお風呂への誘惑に負けるなという項目はもちろん無い。
 これは、【クインスティータ】のこれはこう、あれはあぁであるべきだという決めつけ、悪い癖の一つだった。
 相変わらず直ってないのだ。
 【ヴェルト】は、
「おい、【クインスティータ】、姉さんは、お風呂で精神統一してらっしゃるんだ。【プライス】のバカ達の事なんて考えている暇はないんだよ」
 と言った。
 これも口から出任せである。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話64

2017-05-31 16:31:47 | 日記
 タティーも覗かれるとわかっているのだから、もう少し警戒しても良いものなのだが、彼女はそれよりもお風呂の魅力に取り憑かれていた。
 全て忘れてお風呂でのんびりしたいという気持ちが先に立ってしまい、ドスケベ四人衆の事などすっかり忘れてしまうのである。
 【クインスティータ】は、
「全く、この懲りないバカ四人衆も四人なら、あなたもあなたですのよ、タティーさん。女なんですから、少しは警戒なさい」
 とたしなめる。
 タティーは、
「はい……わかって居ます。でも忘れてしまうんです。つい、お風呂の気持ちよさには勝てなくて……」
 と言った。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話63

2017-05-31 16:31:12 | 日記
08 今日もこうして……


 チャプン。
「あぁ……気持ちいいですぅ~」
 一人の少女が悪女の手に落ちた事も知らずにタティーはのんきに朝風呂に入っていた。
 そうするとまたドスケベ四人衆が動き出す。
 自分達の女神――タティー・クアスンの肢体を眺めようとあの手この手で近づいてくる。
 そして、また、めざとい【クインスティータ】に見つかり、【地獄の仲人】の刑とお尻百叩きの刑に処される。
 これはもはや日課と化していた。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話62

2017-05-31 16:30:39 | 日記
 夜は更に更けていく。
 悪夢への道は始まったばかり。
 彼女は一歩一歩、踏み出していく。
 逃れられない毒蜘蛛に捕まってしまった。
 【ヴィホヂット】という悪女はそうやって、自分に忠実なしもべを増やしてきたのだ。
 【ヴィホヂット】の悪巧みは今日も冴え渡る。
 悪いことを考えさせたら彼女は天才的だった。
 クアンスティータが生まれてしまったら、この悪事は通じない。
 偽クアンスティータが管理している甘い時代だったからこそ通じる悪意だった。
「あぁん……」
 また、一人、悪女の手先が生まれようとしていた。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話61

2017-05-31 16:30:07 | 日記
 家には複数の女達が待っていた。
 【ヴィホヂット】によってしもべとされてしまった先輩達だ。
 【リーチェニー】は抵抗したが、多勢に無勢。
 あらがう術はなかった。
 【ヴィホヂット】は、
「怖いのは最初だけよ。だんだん気持ち良くなるから」
 と言ってほほえんだ。
 悪意をうまく隠した微笑だ。
 恐怖に駆られていた【リーチェニー】はそこに救いを求めてしまう。
 それが悪夢の始まりだとも知らずに。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話60

2017-05-31 16:28:58 | 日記
 【ヴィホヂット】はこっそりとしのびより、彼女に手をかけようとしていたのだから。
 彼女のピンチを知る者はそこにはいない。
 やがて、【リーチェニー】は【ヴィホヂット】と共に、【ヴィホヂット】が借りた愛の巣に向かって行った。
 それは、まるで美しい蝶を絡め取った蜘蛛の巣のようだった。
 やがて、少しずつ【リーチェニー】は懐柔(かいじゅう)されていく。
 【ヴィホヂット】の忠実な尖兵として調教されていくのだ。
 哀れな【リーチェニー】。
 怪しく笑う【ヴィホヂット】。
 怪しい夜は更けていく。
 純真な少女を悪夢に誘う、危険な夜が。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話59

2017-05-31 16:28:24 | 日記
 【ヴィホヂット】は、
「えぇ、すぐ近くに……」
 と答えた。
 もちろん嘘である。
 【リーチェニー】をたらし込むために借りた家があるだけである。
 抱いてしまえばこちらのもの。
 後は何とでもなると【ヴィホヂット】は思って居た。
 悪党の発想である。
 危ない。
 自分の夢にまっすぐな【リーチェニー】が【ヴィホヂット】の毒牙にかかろうとしていた。
 だが、それを助ける者は居ない。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話58

2017-05-31 16:27:52 | 日記
 だが、【ヴィホヂット】の策略にはまって次第に悪の道を歩いて行くことになるのだろう。
 ご愁傷様である。
 【ヴィホヂット】は、
「さぁ、行きましょう。あなたとは夜通し語り合いたいわ。是非、私の家に泊まっていってね」
 と言った。
 【リーチェニー】は
「この辺にあるの?」
 と聞いた。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話57

2017-05-31 16:27:16 | 日記
 さっきも【リーチェニー】が【片手間】という言葉に僅かな嫌悪感を持ったと判断した【ヴィホヂット】は舌の根も乾かない内に真剣路線で話を進めていた。
 【リーチェニー】はファンを疑ってはいけないという思い込みから、だんだんと丸め込まれて行く。
 一時間後には、
「わかりました。【ヴィホヂット】さんの真剣な気持ち、私も真剣に考えさせていただきます」
 と言っていた。
 【ヴィホヂット】は、
(しめた。籠絡完了ね……)
 とほくそ笑んでいたが、それを【リーチェニー】には見せない。
 こうして、忠実なしもべをまた一人、増やして行くのだった。
 【リーチェニー】はまだ悪役というタイプではない。


ファーブラ・フィクタ タティー編第002話56

2017-05-31 16:26:43 | 日記
 あの子は何が気に入る。
 あの子は何が気に入らない。
 この子は何が気に入る。
 この子は何が気に入らない。
 その子は何が気に入る。
 その子は何が気に入らない。
 どの子が何が気に入って何が気に入らないというのを瞬時に見極め、口説き方を修正していくのだ。