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2018-02-18 18:28:15 | 特別支援

<学習障害>iPad使わせてください 学校に訴えて可能に

2/18(日) 11:19配信

毎日新聞

 iPadを使わせてください--。学習障害の一つ、ディスレクシア(読み書き障害)と診断された静岡県浜松市立和田小学校5年生の男児(11)が昨年3月、学校にタブレット端末の使用を手紙で訴え、今学期から一部機能が使えるようになった。障害でうまくできない部分をタブレット端末が補ってくれ、自信が出てきたという。【奥山智己】

 「おはよう」。どの学年の児童も登校して着席すると、黒板脇の「予定帳」を確認する。始業前のわずかの間に、翌日の持ち物など連絡事項をノートに書き込んだ。その中で、男児はランドセルからiPadを取り出して、予定帳を撮影。帰宅後、それを見ながら翌日の支度をするのが日課になっている。

 小さい頃から、長い文章を書くのが苦手だった。文章を黙読すれば内容はすぐ頭に入るが、音読すると声がたどたどしくなる。

 小学校に入学して、まず予定帳を書き写す「壁」にぶつかった。時間内に書ききれない。忘れ物が多く、何度もからかわれた。友達には障害のことを話しておらず、ストレスで頭が痛くなり、体調が悪くなることも。宿題は、自分で考えた答えを母(40)に伝え、子どもの字に見えるよう利き手でない左手で代筆してもらった。

 主治医の薦めで、3年生の時に両親にiPadを買ってもらった。いろいろなアプリを試し、音声入力の機能を使えば考えがすぐにまとまり宿題がスムーズにできるようになる。「学校でも使えたらいいな」。思いが募り、4年生の時に担任の教諭に手紙を出す決心をした。iPadで文章をまとめると時間をかけて便箋に書き写し、昨年3月に渡した。

 しかし、5年生になっても状況は変わらなかった。学校に提出する書類で再び自分の意思を伝えたり、両親が学校に頼んだりするなどして、ようやく2学期から試験的に使えるようになる。他の児童がいない別室で、担任の教諭らに使い方を見てもらい、効果を確認してもらった。

 「僕は書くのが苦手です」。2学期が終わる12月中旬、教室にいるみんなの前で自分の障害を伝え、iPadを使う理由を発表した。3学期に入り、授業で黒板を撮影するなどして使っている。「今までごめんね」。周りから、からかわれることもなくなった。

 授業中には音声入力ができないため、キーボードが早く打てるよう練習している。「これから一生懸命勉強して、将来は海洋学者になりたい」。男児は、はにかみながら夢を語った。

 ◇障害児童、学ぶ環境整備へ

 情報通信技術(ICT)機器の発達に加え、障害を理由にした不当な差別を禁じた障害者差別解消法が2016年に施行され、公立学校での配慮が義務化されたことで、障害を抱えていても通常学級で学ぶ環境は整いつつある。ディスレクシアの啓発や支援をするNPO法人「EDGE」(エッジ、東京都)によると、学校でのタブレット端末の使用は、各地で増えている。

 エッジの藤堂栄子会長は「長い目で見て、それぞれの子どもに合った合理的な使い方を学校側が検討してほしい」と指摘する。

 浜松市立和田小学校の鈴木右二教頭は「男児が周りの児童から特別視されないか考慮した。主治医が学校で説明してくれ、校内での理解が深まった」と話す。



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