goo blog サービス終了のお知らせ 

西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

志賀山俊

2015-03-26 | 三田村鳶魚を読む
素人の娘がみな踊りを習うようになると、忙しくなるのは踊りの師匠だ。
この頃、江戸で一番と言われた師匠は志賀山俊という女師匠だ。
俊は江戸で最初の振付師、志賀山万作の弟子で、
夫は長唄の名人、中山小十郎だ。

(昨日の文章の続きです)
「そうなると娘の立身出世を嬉しがって、立派な町人の子供も踊りを習う。
失費を厭わず御祭礼の踊屋台へ出演させて、世間から騒がれるのを自慢らしく眺め、
踊りの評判から大名の妾になり、両親は御部屋様の親御様のと尊敬され、
生まれもつかぬ武士にもなる。
中略…
これがお茶の間子供といって大名の奥向きで演技者として御奉公を申すことになり、
踊りの師匠様は御狂言師といって、三四軒の大名へ出入するようにもなった」

というわけで、俊のもとにはさばききれないほどの大勢の娘が通い、
お屋敷への出稽古もあって大変な羽振りのよさだった。
「江戸芸者 振りは志賀山 唄は中山」と囃されるほど、
芸者、踊子までもが夫婦のもとに殺到した。

 〓 〓 〓

 
 photo by 和尚

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。