西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

74-淡島

2009-10-19 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉次-73「淡島」

これで淡島願人の悪ふざけは終わり。
次は、小六節を取り入れた尺八唄。

『君は春咲く梅の花
薫り床しき閨の戸に
ハテ恋じゃもの
小六 小六
小六ついたる竹の杖
もとは尺八 中は笛
末は女郎衆の 
ヤッコリャ夫(つま)恋う鹿の筆』

そして”チラシ”(曲の最終の部分をいう)で段切れとなる。

『おのが名のみを うたかの(おれの名なんてはかない)
淡島なりと戯れに(泡さ、とおどけてみる)
人々興に入相の
かねてもうけの月の暮れ
楽しかりける次第なり』

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tea breaku・海中百景
photo by 和尚