富士田吉次-73「淡島」
これで淡島願人の悪ふざけは終わり。
次は、小六節を取り入れた尺八唄。
『君は春咲く梅の花
薫り床しき閨の戸に
ハテ恋じゃもの
小六 小六
小六ついたる竹の杖
もとは尺八 中は笛
末は女郎衆の
ヤッコリャ夫(つま)恋う鹿の筆』
そして”チラシ”(曲の最終の部分をいう)で段切れとなる。
『おのが名のみを うたかの(おれの名なんてはかない)
淡島なりと戯れに(泡さ、とおどけてみる)
人々興に入相の
かねてもうけの月の暮れ
楽しかりける次第なり』
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚