チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

楽しかったバイオリン協奏曲の合同練習

2011年01月31日 12時44分26秒 | 市原フィル

久しぶりに合奏の楽しさを味わうことができた。

ニールセンに意識が集中していたので、シベリウスのバイオリン協奏曲の合同練習が
メインだったことを見落としてしまい、
全くさらっていなかった自分としては「帰ろうか・・」と思うほど焦ってしまったが、
がんばって食いついていった結果、大変楽しい合奏体験となった。

楽しさのネタはいろいろある。

・シベリウスのバイオリンコンチェルトそのもののすばらしさ、美しさは格別だと思う。
・コンミスが練習の代奏をすることも素敵なことで、本当に集中して弾きこなしていて、
団員から喝采を浴びるのもいい。
・それから協奏曲という形式が、独奏者とオーケストラとの掛け合いを求めるもので、
 全員で一緒に曲を作り上げてゆく楽しさがある。
・曲をコーディネートしてゆく指揮者からのアドバイスと、合わせてゆくオケのメンバーの
 呼吸があった様子もいい。

とりわけ今回感じたのは、シベコンはチェロが3つの演奏形式に別れ、
交互に弾きあうところが面白い。

練習に先立って、チェロだけの分奏練習があり、そのときトップとサイドを誰が弾くか、
また「表と裏」の役割分担を話し合いで決めた。(曲ごとに交代するかもしれない)
チェロの「表、裏」は、指揮者に向かって左側、客席サイドに座るのが「表」で高音部を担当する。
裏はその逆で指揮者に向かった右側で、低音部を担当し、譜めくりも担当する。

なぜかと言えば、オーケストラの曲では、ほとんど例外なくチェロの分奏が必要になり、
あらかじめ分担しておかないと混乱する。
もっとも、楽団によってチェロの位置は異なり、市原では第一バイオリン横に並ぶので、
あまり「表裏」という表現は合わないのかもしれない。

さて、シベコンでのチェロパート3つの形とは。
一つはトップによるソロ
二つはトップとサイドの2人によるデュエット
三つ目がtuttiで、全員で演奏する
シベコン第3楽章は、この3形式が繰り返し現れ、僕のようなtutti担当の出番は少なく、
大半がデュエットによるバイオリンソロの伴奏ということになっている。

一見休みが多くつまらない感じもするが、実はこの掛け合いがたいへん面白い。
自分にとって初めての協奏曲ということもあるのかもしれないが、ソリストの音を聴き、
チェロの二人の演奏を聴き、
タイミングを合わせてtuttiで合わせるという繰り返しそのものが、躍動感を感じさせ、
楽しくなるのだ。

これは、協奏曲というスタイルが持つ楽しさなのか、
シベリウスが表現してくれた楽しさなのかは分からない。

伴奏といえば、以前参加したヴェルディーのレクイエムも、声楽の伴奏ともいえるが、
思い出せば大変楽しい経験だった。

いずれにせよ、独奏と伴奏、ソリストとオケとの協働作業がなければ曲が曲に
ならないということが、音楽の楽しさを一層引き出してくれているのだと思う。

 

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音取り用に電子ピアノ購入

2011年01月28日 21時38分50秒 | オケの練習

ニールセンの難所練習は続けているが、どうもフラストレーションが残ってしまう。

正確に(なつもりで)、楽譜どおりに弾いてみてはいるものの 「本当にそうなの?」と疑いが消えないのだ。
「コードのかたまりで覚えよ」と教えられたが、どうもコードが体に入ってないので実感できない。
口ずさんでみたいものだが、音程そのものが読み取れない哀しさ。

そこで正確な音程で譜面を演奏してみたくなった。

正確というと、ピアノとか、笛とかだけど、我が家にはアップライトがリビングにあるだけ。
そこまで行くのもおっくうだし、夜中にポロリポロリと変な音程を取るのも気が引ける。

「よし思い切って小型の電子ピアノを買おう!」

だいぶ前にCASIOのキーボードを買ったことがあったけど、やがて子供専用となり
引越しを繰り返すうちに部品もなくなり、廃棄してしまった。

今度は音が取れればいいんだから、ごく小さなキーボードでいい。きっと安いはず

楽天、amazonなどで調べると、3000円台でcasioのキーボードが手に入ることがわかった。
「まっこれでいいか」と思ったが、30鍵程度でいいのか心配になりコメントを見始めた。
主としてコーラスグループが音叉の代わりに使っているらしい。
あとは「こどものおもちゃで」というコメントが多かった。

「ん~これでいいのか」とやはり疑問が強まった。

もう一度条件を設定し始めると・・・
 ⇒まずは狭い部屋をさらに狭くすることは避けたい。だからちょこっと立てかけて置ける形がいい。
 ⇒ニールセンをはじめとする、オケの楽譜を演奏できなければいけない。ある程度の鍵盤数が欲しい。
 ⇒あまりに軽薄な音でピロピロした楽器ではすぐに捨てたくなるかもしれないので、音色も大事か。
 ⇒電池でも動き、イヤフォンが使えること・・
 ⇒1万円前後までなら支払いは大丈夫か・・

ということで、再度ネット検索すると浮かび上がってたのがYAMAHAのキーボードだった。
(途中迷ったものもあったが、それはPC打ち込み専用ということで、作曲用だったみたいだ)
決め手は「さすがにYAMAHAはいい音。ピアノも持っているけど結構満足してます」みたいなコメント。
YAMAHAの人が書いている可能性も否定はできないが、案外本当のことではないかと1クリックした。

届いたのがこれだ

実際に部屋に入れてみると、机を占領する大きさにちょっと驚いた。
ピアノのようなタッチであるはずはないが、サンプリングした様々な音が使えて便利だ。

おぼつかない指さばきで(むろんワンフィンガーで)、ニールセンの難所をさらったが、
正確な音は出せても、演奏したときの塊としての実感に結びつかない段階だ。

恐らく、ピアノで弾き、チェロでさらい、またピアノで音を取って・・・という繰り返しで、
実感がつかめるのではないかと期待している。

ちなみに、購入してから近所の○○電気というチェーン店て現物を見たけど、
送料込みでもamazonの方が2千円近く安かった。ネット恐るべしだ。

 

 

 

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30年ぶりに毛蟹で腹いっぱいになった!

2011年01月24日 22時34分57秒 | その他雑感

かれこれ30年近く前に、上司に連れられて赤坂の料亭で毛蟹をご馳走になったことがある。

そんなバブルのころを思い出し、たった一杯の毛蟹で腹いっぱいになったことを家人に話すと
「私は食べたことない!」ときた。
「僕だってそれっきりだよ」と抗弁する間もなく「一人だけずるい!」と悪者になったことがある。
そんな会話も 何年も前のことだけど、本日リベンジすることがかなった。

仕事帰りに上野広小路を歩いているとき、すっかり変ってしまったアメヨコ近辺の中に、
何も変らぬ佇まいの店があるのに引き寄せられた。
「吉池」だ。

ここで買い物をしたことはなかったが、山手線で通過するたびに
「まだあるな~、どんな店なのだろう」と思って、気になっていた場所だった。
最近では落石防止の防護ネットが全体を覆っている。

中に入ってみると、1階の魚売り場は人で込み合っていた。
並んだ商品は、近所のスパーの魚売り場と違って、鮮魚だけでなく干物など種類も豊富で、
陸揚げされた港や、どこで作られたのかが細かく表示されている。

目にとまったのがで大きな毛蟹だった。
ひときわでかいのがロシアから輸入されたオホーツク海産。
その隣に小ぶりで、ちょっと赤みが強い北海道産の毛蟹が並べられていた。
(どう違うのかわからない)
その赤みがかった小ぶりな毛蟹で、30年前の記憶がよみがえったのだった。

「おじさん、これどうやって食べるの」と聞くと
「あ~茹でてあるからそのまま食えるよ」

大きめのロシア産が一杯2500円とある。その隣の小ぶりな方は3200円となっている。

「何でこっちのほうが大きいのに安いんですか」
蟹を持ち上げて調べたおじさん
「ああこっちは冷凍だ。小さいのは朝茹でだからから旨いよ」

毛蟹だけで腹一杯にするには、でかい方がいいんじゃないかな~・・・
でも不味かったら、目も当てられないし・・・
小さくて高い方ほうでも、手持ちの金で払えることが分かり購入した。
「今日の晩飯は蟹で腹いっぱいにするから」とメールを打っておいて、
我が家に戻った。

大きめの皿に載せてみてびっくり。小さいはずが 「でかい!」


早速、「毛蟹のうまい食べ方」をネットでチェックすると、インターネットというのはすごい。
毛蟹の食べ方だけでなく、You Tubeでは毛蟹のさばき方の実演が何種類もあった。
しかも、毛蟹は「大きさより、重さが大事」とある。今日の選択は正しかったのだ。

パソコンでの情報を頼りに、大き目のハサミを駆使して「解体ショー」を開始。
途中熱燗を蟹味噌の詰まった甲羅に注ぎ、ちょっと一服し、
この後、足の周囲を丁寧に切り開いたあとは
ただ、ひたすら無言で食べ続けた。

おどろいたことに、一人で一杯の蟹を食べきることが出来なかった。
さばいた蟹の身が、茶碗山盛り一杯分は残ってしまった。
時間を置いて、蟹の殻を煮込んで「蟹雑炊」に舌鼓を打って、本日の蟹三昧は終了。

今日学んだこと。

料亭で毛蟹を頼むと、一杯1万円は下らないだろう。
蟹ツアーに行くとなると、何万円もかかるはず。
しかし御徒町「吉池」なら3200円でそれが可能なのだ。

遠くから見ているだけでなく、もっと好奇心を逞しくして、行ってみることだ。
年末に家族全員で毛蟹パーティーを予定することにした。

 

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「オケ老人!」が楽しい

2011年01月22日 22時42分55秒 | その他雑感

「オケ老人!」 (小学館文庫 荒木 源  著) を読んだ。

題名からして、ちょっと遊びが感じられて面白そう。
もう読まれている人も多いと思うけど、市民オケに入っている人は、読むと楽しいはず。

 

あらすじは・・・

主人公がたまたま立ち寄った市民オケの演奏会に感動して、入団希望の連絡をすると
オーディションもなく「即入団OK!」となった。
こりゃ嬉しいと、10年触ってなかったバイオリンを取り出し、リビングに防音室まで購入して
合同練習に駆けつけてみると、そこはまるで老人ホーム。「世界最高齢」のアマオケだった。

どこで勘違いしたのか、同じ街に紛らわしい名前のオケが二つ存在していて、入団したのは
「ボケ老人(失礼)」ばかりのガタガタの楽団だった。
このオケときたら、補聴器、呼吸器、認知症のメンバーが溢れ、合奏が成立しない。
ホルンなど不可欠のパートには穴があき、無論演奏会を開いた経験もなかったのだ。
30代とはいえ最年少の主人公は、ここでやむなく指揮者をやらされるはめに・・

「やってられない」と感じた彼は、
もう一方の「エリートオケ」のオーディションを受けて、辛うじて平行入団することにした。

しかし、ここからが大変。

「エリートオケ」では団員を切磋琢磨をさせるために各パートで技量が落ちるものを
一人だけ「降り番」にするルール。
演奏会に向けての練習には、なぜかロシアから世界的な指揮者が指導に来ることになっており、
団員のライバル意識は激しく、主人公は苦闘むなしく「エリートオケ」から脱落してしまう。

やる気を失った彼は、音楽そのものを諦めようとするも、
老人たちの希望で「老人オケ」の指揮を続けることになる。

実は「老人オケ」と「エリートオケ」はかつて一つの楽団だったが、
主催者の策略で、年寄りたちがはじき出されたという因縁があった。
物語の最後には「老人オケ」が力を出し切って市民を感動させ、
「エリートオケ」を解散に追い込み、再び一緒になるというめでたしめでたしの話・・・

無理にまとめると元も子もなくなるが、この小説の面白さは、この10倍あるのだ。

二つのオケのストーリーに絡み合って、いくつもの筋が展開してゆく。

1)なぜか、ロシアスパイ組織の日本に対する諜報活動の話が同時進行で展開してゆき
この二つのオケの確執に謀略がからみあって、最後は緊張感のある大団円に向かう。
つまり「エスピオナージュ」ものもハラハラどきどきもある。
2)老人の一人が「振り込め詐欺」にあい、その犯人を突き止める筋
3)地方都市の、電気店と大型チェーン店の生き残りを掛けての戦いの筋もある。
   (実はそのまま「老人オケ」のリーダーと「エリートオケ」の主催者になっている)
4)「ロミオとジュリエット」の悲劇を予感させる複線があり、両オケのリーダーの娘、息子が
恋愛にあるものの、両方の親は知らない・・・
5)主人公(高校教師)と女性教師との恋の行方・・・
6)スパイによる、謀略と、暗殺計画の進行。それがクライマックスに・・

書き出したらきりが・・ない。楽しさてんこ盛りのエンターテインメント=つまり面白い。

僕にとって一番リアリティーがあったのは、入団して必死に追いつこうと努力する主人公の姿。
なんだか、新しいオケに入団して、悪戦苦闘している自分を見ているようで。

それから文庫版の書評を書いているのが、あの藤谷治氏というのもいい。
盗まれたチェロが登場した「船に乗れ!」で睡眠不足にしてくれた藤谷さんに
解説でまた会えたのも嬉しかった。

音楽の小説は「ブラバン」と「船に乗れ!」くらいしか読んだ記憶が無いけど、
(あと小澤 征爾の自伝と、「僕はいかに指揮者になったのか」(佐渡裕)は面白かった)

どなたか、音楽関係の小説を紹介して頂いたら嬉しいのですが。
最近、なかなか本が読めなくなって・・こんな小説なら楽しいと思うので。

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ポジション表も見なくなったな~

2011年01月18日 00時46分33秒 | チェロ

チェロでオケに参加を始めたころ、どこがどうなっているのか・・と思いあぐねて作成した
「ポジション一覧」も最近は全く見なくなった。

特に第4ポジション以上になると、どう押さえていいのかも分からなかったけど、
最近は自然と指が動いてくれるようになった。

練習し始めて二年半くらいだったかもしれない。
試行錯誤の積み重ねがいつの間にか、指に記憶を蓄積したのかも。
そうなったとき「な~んだ、オクターブ違うだけジャン」と頭でも理解できた。

やっぱ頭先行のつもりが、体験先行でゆかないと進めないタイプかもしれないな~。

ニールセンだって、きっとそうなるはずと信じで進もう。

 

 

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ニールセン初練習~難所が増加した

2011年01月17日 18時06分11秒 | 市原フィル

常任指揮者の小出英樹先生を迎えて、初の合同練習が先日行われた。

市原フィル定期演奏会でのドヴォルザーク「交響曲第8番」、
伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」に感動して入団者が殺到したという。
その指揮をされたのが小出氏だった。(聞くところによると、本当にどこかの先生とのこと)

練習の前半では、部分部分で止めながら、演奏のポイントを指示して進めていった。
後半では、全楽章をノンストップで一気に合わせるという流れ。
 テンポは予測どおり、現在の自分には「猛スピード」。恐らく演奏会のテンポで通されたのだと思う。
その結果、完全に落っこちて「弓を持ってるだけ」という部分が4分の1近くに達した。
難しさを自覚していた1楽章だけでなく、2~4楽章の随所に「難所」も発見できた。

氏の第一印象は、アマチュアの実力や出来上がり方をよく分かっていて、
「この人について頑張ろう!」とやる気にさせてくれる人だと感じた。

当日の練習でチェロの主席を張っていたのは、新入団同期のチェロ歴30年の方だったが、
チェロ団を立派にリードしていて「キャリアと実力の違い」を実感させられた。
練習終了後「さすがですね~」と声を掛けると「いや~全然だめ。あの速度で本気でやるのかな~、
とてもとても・・」と首をかしげていた。
実力ある人は、実力あるなりに強い反省を持って帰ったのだと思う。

さてベテランでも難しいというニールセンに、どうしたら少しでもアクセスできるのか、
困って前回書いたブログに、大変貴重なアドバイスをいただき感激した。

<政>さんからは、「やっつけ方」というアドバイス。(やっつけ方っていう表現、いい感じ!)
 「早いパッセージはドレミで声に出して言う。歌えなくても、お経のようにスラスラ言うこと」
 練習当日も「読めなきゃ演奏できないからね」とアドバイスをくれた。

<ハリー>さんからは、「かたまりで」というアドバイス。(和音としてとらえるのは政さんと同じ)
 ハリーさんはさらに細かく、どのようにフレーズを解析してゆけばいいのか、
 構造的なとらえかたを教えていただいた。

二方ともファゴットの名手。思えばチェロの演奏で迷っているときは、たいていFgが導いてくれていた。
困ったら「Fg吹きにきけ!」という新発見でもあった。

(そうそう、A線が切れて困っている・・・には
<もをりす>さんから、弦の上手な交換の方法を教えてもらったんだっけ)

チェロと同時に始めたブログだけど、「困ったこと」があると、誰かが見ていてくれて暖かいアドバイスをいただける。
寒空の下で、ほっとできる焚き火に出会ったような、甘酒をもらったような嬉しさだと感じる。

せっかくのアドバス、練習に活かしながら「隘路(悪路?)」を進みたいと思っています。

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少しずつ、コツコツと

2011年01月13日 23時26分37秒 | 市原フィル

ニールセンの交響曲第二番に毎晩取り組んでいる。

取り組んでいるというか、難所に取り付こうと悪戦苦闘中だ。
とりわけ第一楽章は、軟鉄のナイフで岩石に穴を開けようとしているようで遅々として進まない。

 

第一楽章には速いパッセージが随所に出てくる。
下記の3連譜は、fffで弾き抜けなければならないが、音の流れに未だ脈絡を案じられないので困っている。
チャイコフスキーでも、ベートーベンでも速い部分はいろいろあったと思うが、
それでも「節回し」を覚えることができたような気がする。

しかしニールセンは(作者には申し訳ないが)メロディックな感じがしない。
飛び跳ねた感じでできているので、感覚をつかむのに時間がかかる。
結局、「手と体」が覚えて無意識に出来るようになるまで、練習を重ねるしかないという感じだ。

 

第一楽章の終盤になると、Allegloにpoco Piuがくっついて「今までより速く」とっなっている。
そこに登場するのが、下記のような16分音符の連続。
目下のところでは、まともに弾けるようになる感じがしない。

 

ニールセンの交響曲第2番は、楽章ごとに人間の性格類型がつけられている。

第1楽章は「胆汁質」だから、その気質に合ったように、怒りっぽく短気な、急き込むような動きということだろうか。
第2楽章は「粘着質」なので、ウニウニと鼻歌では絶対困難な副旋律を弾かなければならない。
第3楽章はmalincolicoだから「陰鬱」な感じに・・・

ニールセンとの付き合いはまだ、始まったばかりだけど、こっちのほうが、腹が立ったり、憂鬱になりそうだ。

しかし、あのヨーヨーマも子供時代にはバッハの無伴奏をマスターするのに
毎晩2小節ずつ(?)練習したというではないか。

難解なニールセンも、毎晩毎晩、同じ難所を繰り返してゆくことで、
釘で岩を削るよう、いつか穴を開けられるのだと信じよう。

そして演奏会まであと半年で通り抜けられることを期待して今晩もコツコツやろう。

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ラーセンのA線が立て続けに切れた!

2011年01月09日 13時11分54秒 | チェロ

年末に張り替えたA線が、調弦中にブチッとはじけ飛んだのが昨日の朝のことだった。
「お店で張り替えてもらったばかりなのに、こんなこともあるのか・・・」と訝しく思いながらも
あわててamazon経由で新しいLarsenのA線を発注。値引きはあったが4170円は痛い。

夜のオケ初練習に間に合わないので、捨てずに取っておいた古い弦に張り替えて参加した。
古い弦のおかげでニールセンの全体練習は「無事?」終了できた(自分の課題は山ほど見つかったが・・)

そして今朝、Larsenは自宅に届いた。何というスピードの速さだ!


さっそくA線の張り替え作業に取り掛かった。

ところが、なかなか、このA線のピッチがA(442Hz)まで上がってくれない。
年末にはペグホールの調整までしたのに、なんだか詰まっている感じで、
1音下のGで止まってしまうのだ。

仕方なく「えいやっ!」とペグをまわしたところ・・・「ブチッ」とまたも嫌な音。
「外れたか」と良い方に考えながら弦を見ると・・・またもぶちきれているではないか!

一体何が起こっているのだろう?


     【 千切れてしまった 2本の新品ラーセン 】

この年末年始で新品のLarsenが二本もやられたのはなぜだろう。
自問自答してみる

 「ネット購入は信用できないのか・・」
 「いやいや店で交換してもらっても切れたよな・・」
 「何かチェロに不具合があるのだろうか・・」
 「弦の枕のあたりが鋭角になっているのか・・」

結局分からないので、馴染みの担当の方に電話して、ネックの上の方で切れている状況を説明。
すると
「最近こういう話が多いんです。長く使っていると松脂が糸枕にくっついてすべりが悪くなることがあります。
 鉛筆でこすってみてください。鉛筆の粉で滑りやすくなると思います」とのこと。
なるほど、ネックの上のほうで切れているので、それが原因かも・・と作業に取り掛かった。

でもそんなに松脂はくっついているとは思えないので、もう一度切れた弦をチェロと照合してみると、
切れた弦は2本とも、糸枕より上で千切れていることが分かった。

「こりゃペグ穴そのものが切断事故を起こしているのか・・修理が必要かも」

そこでもう一度電話相談すると
「そうなると、チェロ本体の問題ではないですね。糸の巻き方が悪いんですね」
「えっ!どういうことですか?」
「弦をペグホールに巻き込んでいませんか?そうすると動かなくなって切れますよ」

・・そうかもしれない。確かにペグを巻いてゆくと、ある部分で全く動かなくなる。
自分の巻き方が悪いのが根本原因だったのか!

またも古い弦を取り出して、今度は弦が穴に巻き込まれないよう、丁寧に巻いてゆく。
しかし、二回もブチ切れた経験があると どこで切れるのか怖くて、なかなかAまで巻き込めない。
千切れたスチールの切れ端が目に当たって、失明したらどうしよう・・・などと思いながら
顔を背けてペグを巻き込むが、Gのあたりまでくると、どうしても巻き込む力が萎えてくる・・

こんなことやっていても 埒が明かないので糸巻きのあたりの弦を点検しながら最後は
「えいや!」と巻き込むと、スムーズに調弦できた。
「原因は、自分の巻き方だったのか・・」と納得せざるを得なかった

しかし疑問は残った。
「お店で職人さんに巻いてもらったLarsenも切れたではないか・・」という疑問だ。

そこで思い起こしたのは、このところの寒波の影響で 弦がビロビロに緩むことが頻発していた。
そのとき、ほとんど全部の弦が、何回かビロビロになり、巻き直していたのだ。
つまり、年末に職人さんが巻いてくれた弦も自分流で巻きなおしていたのだった。

改めてチェロの入門書を見ると「間違った巻き方だと弦が切れることがある」と書いてあった。
その挿絵には弦がきれいに平行線で巻かれていた。
場合によってはペグ穴に近すぎると切れてしまうことまでは書いてはなかったけど、
本当に初歩的なミスを起こしていたのだ。
高い授業料を払って学んだことになる。

連続切断のショックで家内に「また弦が切れた!」と愚痴ると
「力づくでやったんでしょう。チェロ子さんに優しくしないから『嫌っ』て言っているのよ」
だって。おっしゃるとおり。
事情は知らなくても 妻は常に正しいものである。

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オケを移籍し、明日から新しい世界に

2011年01月07日 23時54分02秒 | 市原フィル

新しい市民オーケストラへの入団が決まった。
明日から第一回目の練習が始まる。

これまで3年間お世話になったのは外房の中核都市茂原にある「茂原交響楽団」だった。
これからは、内房は市原市にある「市原フィルハーモニー管弦楽団」のお世話になることに。
潤沢な基金に支えられた茂原に比べ、ボランタリーに始まった市原は団員の自主活動が支え。
歴史も少し浅く ホームページで見ると、若く活発な印象だ。

どちらの楽団も練習会場、演奏会会場とも、自宅から40分程度のドライブで到着する。
(我が家は房総半島のちょうど真ん中、分水峰にあたっている)

市原フィルの演奏活動は少しゆったりと設定されているようだ。
「2年で3回の演奏会」だそうで、演奏会の間隔に今までより何ヶ月か余裕がある。
茂原では毎年定期演奏会、秋のファミリーコンサート、アンサンブルコンサート、
他のオケとの合同演奏など盛りだくさんの予定が組まれていた。

アマチュア団員とし一番怖いのは、仕事と演奏会のスケジュールが衝突すること。
いくら練習しても出られないのではつらすぎる。このことは仕事とのバッティングで思い知らされた。
幸い、いまのところ市原フィルの7月の演奏会には出られそうだ。

二番目に怖いというか哀しいのは、他の団員は弾きこなしているのに、自分だけ曲目が難しく歯が立たないこと。
さて明日から始まるオケの全体練習は、一体どんな感じなのだろうか。
演目はニールセンの「交響曲第2番」とシベリウスの「バイオリン協奏曲」と決まっている。

残念ながらニールセンという作曲家は知らなかった。
ウィキベディアすると、デンマーク一の作曲家で、マーラーと同時代くらいの人らしい。
どんな曲かもわからないので、まずはYou Tubeで聞き込み、CDも購入した。
送られてきた楽譜とCDを照合して聴きながら、大変な難曲だと感じた。
練習を始めてみたものの、残念ながら「演奏不可能」な部分が沢山出てきた。

レッスンのとき師匠に「ニールセンどうですか?」とたずねてみたら、
「これアマチュアでやるんですか・・・厄介なんですよね・・私も弾けないところがありますよ」
との答え。(無論、師匠はニールセンは全交響曲を経験済みだった)

んー、それほどの難曲をどうして選択したのかはまだ分からないが、
きっと市原の皆さんはチャレンジして乗り越えてゆこうとしているに違いない。

一方シベリウスのバイオリンコンチェルトは名曲だ。
美しい、切ない、研ぎ澄まされた、心に響く・・・バイオリンの高音、
暖かな、穏やかな、包み込むような、優しさに満ちた・・・・バイオリンの低音
その魅力が仇となって、CDについ聴き惚れてしまい、練習はほとんで出来ていない。

これから新しい仲間とコンサートに向けて恥ずかしくないよう、練習をしなければならない。
♯と♭が山のように出てくる速いパッセージにうなされそうだ。
厳しい7ヶ月になることを覚悟しよう。

自分にできることは、素直に自分の現実を受け止め着実に進むこと。
できるだけ、まっさらな気持ちで参加してゆこう。

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新年初レッスン 総ざらえと新たな課題

2011年01月05日 23時07分40秒 | レッスン

新しい年初めてのレッスンに向かった。
足掛け4年お世話になっている先生に、オケ退団の報告と、新しい弓のお披露目もかねて。

久しぶりのレッスン室に入ると、先生は机に向かい、五線紙に鉛筆で何かを書いている。珍しい光景だ。
覗き込むと、C-Dur、D-Dur、B-Durのスケールと運指が書き込まれてゆく。

「おっ新しい課題か!こいつは春から縁起がいい!」と期待が膨らんだ


しかし僕の楽器をいつものように調整したあと始まったのは・・
やっぱり、G線のダウンボーイングの基本からだった

弓をG線上に止め、ダウン。引き終えたら一旦弓を止めてアップボーイング。
相変わらずままならない。
「結局今日もこのままか」と思っていたら、先生はこの3年間の総復習をしてくれた。

まず右手でいうと
 ・弓の持ち方
 ・ダウンとアップの指と手首の動かし方
 ・アップとダウンの間に隙間をつくらないこと
 ・何よりも「脱力」

左手でいうと
 ・ネックの構え方(人差し指一本でぶら下がる感覚)
 ・その指を動かさず、腕を揺らすのがビブラートであること
 ・弦は押さえるのではなく、指先を滑らせて自然に止まる感覚に
 ・手は脱力して、指先が指板に重みで落ちる感覚で押さえる
 などなど基本中の基本を総ざらえしていただいた。

さらに 今日は新しいことも沢山盛り込まれていった

その1 小指での弦の押さえ方(無理に押さえるのではなく、自然に押さえる方法)
    (1,2,3と押さえたあと4の小指は弦に届かない。それをどうすることで弾けるのか)

その2 第1ポジションから第4以上に移動するときは腕が先行すること
    (腕が指に先行して、目的のポジションに移動していないと間に合わないということ)

その3 いわゆる「拡張形」の正しい方法
    (書籍やブログでは知っていたが目の前で「やって見せ、させてみる」のは初めてだった)

その4 これら3点の総合練習としての、スケールの練習
    (実は部屋に入ったとき先生が作っていた楽譜は、この練習のためのものだった)

その楽譜がこれだ

これは一部だけど、見て驚いたのはスケールが第4ポジションより上のハイトーンまで伸びていること。
「オーケストラでは色んな音を出さないといけないですからね」とおっしゃる先生の親心を感じた。
先生の本心は「プロでも弾きこなせない曲で無理するより、先に基本をマスターしたほうがいいのに」
だと思うけど・・・
僕としてはこれから、先生の作ってくれたスケールを、オケの練習の合間、プロレッスンの予習として
必ず励行してゆこうと思う。

最後に、プロ活動中に「奏法」を変革していった先生のエピソードを書いておこう。

先生は、日本でトップのオーケストラで長年演奏されてきたけど、実は演奏スタイルをプロ活動中に大きく変更された経験があったという。

変更の最大のポイントは、弓の持ち方のようだ。
以前は親指と人差し指を中心にして小指を添える「3点支持」法をとっていた。
しかしこの奏法だと弦の反発が強くなり、楽器を鳴らすには大きな力が必要だった。
小柄な先生としては十分音が出なかったという。
同時に、駒近くの弦を使いきれなかったそうだ。

そこでプロ活動をしながら、「3点支持」を中指と親指の「2点支持」に変えていった。
このことは想像するだけでも大変なリスクと苦労を伴うことだと思う。
プロの投手が、シーズン中に投球フォームを変更することを考えると想像がつく。
苦労をめったに口にしない先生が「大変だった」とおっしゃっていた。

先生は、右手は腕、肩ともに力を抜き、中指と親指で弓を支え、他の指は添える程度にする。
左手も腕から指に掛けては極力脱力して、必要最小限の力で弦が支えられている状態で演奏しているそうだ。
こうした状態のときこそ、最も豊かな深い音を自在に出すことができることを、身をもって証明されている。
またこの演奏スタイルは、力の弱い人、高齢者にとっては大変ありがたい奏法だし、美しい音を出せる演奏方法だと思う。
自分はこの先生に学べて大変運がよかったと感じている。

長年掛けて培った奏法を、プロ活動の最中に変革したお話に、プロの探求心、努力のすごさを感じさせたいただいたと思う。

コメント (2)
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