夕方4時からのゲネプロが終わり、家に帰ったら8時過ぎだったが、心地よい疲れといったところだ。
第九と重なって練習不足を何とか補って、ぎりぎり舞台で使える段階まで持ってこれたこともあるが、
「舞台設営で体を動かしたからかもしれない。
「舞台設営」とは何かというと、舞台上に楽団が乗って演奏する雛壇を手作業で作り上げること。
一つひとつがかなり重さがある「枕」(木製のブロック)をまずは並べ、
その上に 二人でやっと持てるくらい重い演台(たて4mよこ1,5mくらいだろうか)を一枚一枚運んでくみ上げてゆく。
重たい板を運び、一度セットしたあとで、位置を調整するのにも力が必要だ。
その上に椅子を並べ、結構重たい譜面台を倉庫から引っ張り出して並べてゆくと、汗だくになる。
この準備ばかりは、VnもVa管も打楽器も、全員で運び並べすのだが、大活躍するのは女性陣だ。
毎回思うのだけど、オーケストラの女性は本当に働き者で、無論 彼女たちも汗だくだ。
バイオリンやら木管をもつ大事な手指を惜しげもなく重労働に繰り出しているのを初めて見たときは大いに驚いた。
重労働のあとは、埃をかぶった譜面台に雑巾がけしたり、譜面台の台紙を配ったり。
『返す刀』でプログラムへのいろいろな楽団のコンサート情報を挟み込んだり、大活躍する。
さて本日の部隊準備で一番困ったのは、雛壇の設営をどうしたらいいかよく分からなかったことだ。
舞台設営のリーダーを申しつかったものの、半年前の定演で設営した雛壇の形を思い出せなかった。
演奏会で舞台に出るのは8回目くらいだろうか、その数だけゲネプロがあったのに心もとない。
たとえば、雛壇最上段の管楽器のスペースは、大形の舞台板を横並びにして、4枚なのか、5枚必要なのかとか・・・
ティンパニーの台は平台「ベタ」でゆくのか、それとも一低い「枕」をかませた上に乗せるのか。
板は1枚か2枚かとかとか・・・
ゲネプロ前の舞台設営は、毎回必ず行うのだから、覚えていてもよさそうなのだけど、
設営担当が交代してゆくので、忘れてしまうというか、申し送りができていないのだと思う。
そこで、今日決意したのは、出来上がりの状態を絶対カメラに収めて、来春の定期演奏会では迷うことないようにしようと思った。
ところで公演会場についての愚痴だけど・・・
我らが「茂原市民会館」は、残念ながら千葉に数あるホールで一番古くて、ひどいホールだと思う。
市の財政が苦しく、市民会館の立替計画が頓挫しているからで、
ペイントが完全に剥げ落ちた外観から推し量れる通り、狭い舞台、狭くて団員が行き来しにくい楽屋、
響かない音響、トイレも古く・・・これでもか、これでもかというくらい可哀そうな状態だ。
何が可哀そうかといえば、これだけ真剣に練習し、腕を磨いている楽団員だし、
悪い音響に我慢しなければならない近隣市町村の住民だ。(比べて市庁舎の豪華なこと!)
自分が所属し始めて3年半の間にも、多くのプロの人たち、トラさんにも助けられて
楽団の演奏水準は大分上がってきていると思う。もっといいホールで演奏させてやりたい・・・
明日の本番、会場の持つハンディーを乗り越えて、お客さんが楽しんでくれる演奏をしたいと思う。