古巣のM響のファミリーコンサートでチェロ主席と立ち話したときに、
「来年の定期演奏会のマーラー5番に僕も乗せてください」とお願いしてしまった。
市原フィルの定期演奏会が目前に迫ってきているし、市原は来年の記念コンサートのメインに
ラフマニノフの第2交響曲に決まっている。実に素晴らしい交響曲だけど非常に困難が予想される。
そんな中で、マーラー5番に挑戦することにしてしまったが、二足のワラジを履くのは無謀なのかな~
でも決めてしまった以上、実力のない自分ができることは何かと少しずつ進めている。
・マーラーもラフマニノフもスコアーとCDは購入した。
・例の無料楽譜サイトIMSLPから、チェロ譜をダウンロードして製本まではこぎつけた。
・youtubeでは、アバドやら、バーンスタインの名演も聞くことはできた。
そして本日チェロ主席から楽譜が到着した。
なんと、主席は27Pのチェロ譜を製本し、全楽章にボーイングマークを記入してくれていた。
すごい!
初合わせ(初見大会?)もまだ11月だというのに、この段階でボーイングが決めてあるとは、
M響はなんとすてきなオケなんだろう。
僕のようなlatestarterにとって、オケの進捗に合わせ臨機応変にボーイングを変更することは大変難しい。
オケの意志として、あらかたのボーイングが決めてあるとは、なんと優しいオケなのと感激した。
しかし、喜びはここまでだった。
早速マーラーの第1楽章を弾いてみようじゃないかと、チョロチョロと弾き始めてみた。
ところが、CDから聞こえてくる美しいマーラーとは似ても似つかない様相を呈し、愕然となる。
#4つで始まったので「面倒くさい」ことは覚悟はして取り組み始めたが・・・・
ヘ音記号だったのがハ音記号に変わってゆき(ここまではよくあること)、
しかし五線紙の上に2本3本平気で音が出てくる。え~親指ポジションでは届かないよ~。
そろそろ低音になってくるので、テナー記号からヘ音記号にもどるのかとおもいきや、マーラーさんは面倒くさいのか
そのままハ音記号でどんどん書き進んでゆく。五線紙の下の方書かれると大変苦手なんだよね。
そうこうするうちに、#4つだったはずなのに、突然♭4つに変貌している。なんでこうも急変身するの?
目を凝らして音を拾っているんだけど、♭4つはすぐ次の段になると、アレレ♭5つに増加しているではないか!
あとはもう、しっちゃかめっちゃか。
♭も#もなくなったかと思うと、ヘ音記号に戻って、いつの間にか#4つになって、ハ音記号になったと思ったら♭になって・・・
テンポも速くなり遅くなり・・・ただでさえ音そのものが出しにくいのに、目まぐるしく変貌する楽譜についてゆけない。
それにG線の第1ポジションの音符から、遥か彼方のハイトーンの音符まで直線で結ばれているのは何だろう?
グリッサウンド?こんな表記見たことないぞ、え~ギューンってやるのかな~・・・
てな具合で、聞き惚れているだけのマーラーは、こんなにも複雑な音の変化組み合わせを仕込んでいた。
今いえることは一つ。「この楽譜は全く歯が立たない」
何度も何度もつまずき、立ち上がり、ひっくり返りを沢山繰り返せば、何とかなるだろうか。
でも間に合うだろうか・・・
M響の初合わせは11月3日に迫って来ている。
とても練習に間に合うだけの「譜読み」すらできそうもない。
演奏に至っては、はたして半年先とはいえ、定期演奏会に間に合うきがしていない。
ラフマニノフに加えてマーラーという美しい楽曲を演奏するチャンスなど二度と訪れることのないと思い
「60代半ばでの大胆なチャレンジ!」と一人で盛り上がっていたのが全くバカみたいだ。
果たしてこのまま進んでいいものか・・・思考停止中