チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

危なっかしい練習スケジュール調整

2010年05月20日 15時13分00秒 | オケの練習
今年の定演は、仕事とのバッティングに大慌てしたので、
早めに秋のファミリーコンサートと、年末の第九の全体練習の
スケジュールを確保しようとしていたら、
すでに7~9月の土日が仕事で半分以上埋められていた!

とりわけ、第九に割り当てられた練習と、開催地オケとのコラボ練習の
スケジュールがガッチンコ状態。

秋のファミコン前後は大丈夫なのか・・・と慌ててスケジュールを確認。
こちらは何とかなりそう。
 
年末の第九はいろいろな点で初めて尽くしだ。

千葉県外房方面の二つのオケの協働企画というのも、初めて。(
二つのオケの団員が席を並べて一つの企画を遂行することになる)

指揮者も初めて。僕にとってはこの3年間、学校の先生ような
教育的な面を持った今の指揮者についてきたけど、
果たして外部の指揮者の下で演奏するとはどういうことなのか想像できない。

会場についても、初めての会場で(われらが茂原地域からはかなり遠い)。
練習の行き帰りについても、本番直前の交通事情もよく分からない。

なによりも「ベートーベン第九」をこんなに早くに演奏することは予想もしてなかった。
演奏の機会については嬉しいものの、CDを聴きながら譜面を追いかけてみても、
合唱の背景で繰り広げられる弦楽器の激しい動きには全くついて行けるか分からない。

不安だ!

先日の定期演奏会での師匠にそれとなくたずねてみた時の会話
本番前の弁当を食べながら先生が・・
「田園は難しい曲です」
「先生にとってもですか」
「そうです」
「じゃ第九はどうなんですか・・」
「そう年末に第九やるんだそうですね」
「10年早いと言われるとは思うんですが・・・」
「・・・・(まーやってみたらという感じ?)」
「先生、田園が10の難しさだとすると、第九は15くらいですか・・」
「いや、第九は田園の3倍は難しいでしょう」
「えっえ~!!」

その他いろいろ話されたけど「3倍」だけが耳の中で鳴っていた。
田園の難しさに嫌と言うほど触れたあとだけに、「3倍」にはたじろがされる。

仕事と練習のダブルブッキングなんてしてられないのだ。
せめて、残りの日程を全て練習に確保するしかないのだ。

今年の秋も大変なことになりそうだ。
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定期演奏会終了、交響曲2曲 自分的には75点かな

2010年05月18日 00時50分45秒 | コンサート
またも、終わってみれば「つかの間の夢」のようだった。
5ヶ月近く練習を重ねてきたものが、あっという間に過ぎ去った。

今回は自分のミスで、仕事とコンサートが完全にダブルブッキングとなり、
葛藤の末、仕事の一部を肩代わりしてもらい、ゲネプロと本番に参加した。
そして演奏終了直後に仕事に戻ったため、余韻を楽しむ時間が無かったのだ。
(こんな理由がお客さんにバレたら大変なのだ!)

余韻を味わいたくて今日になって、カリンニコフとベートーベンの「田園」を
ウォークマンで聞いてみたが、なんだか気が抜けたビールみたいでつまらない。
演奏会に向かうときと、終わった後ではこんなに違うのだろうか・・・

打ち上げに参加できなかったこともあり、どんな反響なのか気になってはいるが、
自分の感覚では、大変よくまとまった演奏会だったと思う。

 直前の練習までは、我がマエストロは苛立って、特にVn族を責め立てていたし、
「こりゃ一体どうなることやら」と感じるくらいまとまりに欠けていたと思うが、
我がオケは「本番に強い」という奇跡的なエネルギーを発揮して見事演奏を成功させた。

一曲目のカリンニコフは十分迫力があり、美しいメロディーがお客さんをひきつけたと感じた。
二曲目の「田園」は、誰もが知っている名曲だし、ベートーベンは
ただの一秒たりとも気を抜くことを許してくれない作曲家だけに、
指揮者だけでなく全員がすごい集中力で演奏したのだと思う。
特に1~2年で加わった管楽器の力量の高さが大きな支えになっていると感謝。

アンコールのローエングリーンが終わっても会場のお客さんからの拍手は鳴り止まなかった。
(あの瞬間は、アンコールもう一曲準備しておいたほうが良かったかも・・と思った)
 
かくいうチェロはといえば、先生方に大いに助けられたのだった。
「あきらめずにチャレンジ」したはずの、ハイトーンでの速いパッセージは、
やはり実力どおり自分は演奏できなかった。
この点は残念だが、他の面では自分の自覚では、低弦の員数に
加えてもらってもいい段階にきたと感じている。

その理由は、本番で落っこちた部分はあるものの([ex] 田園の最終楽章の一部)
基本的に、チェロパートの90%は、かなり正確に弾きこなすことができたと思う。
特に低音部の音量は、最近良く鳴ってくれるので、全体の役に立っていると思う。

今回の演奏会全体の評価者で、一番辛口なのは、無理やり付き合わせている身内だ。
それが「木管楽器が良かった」とか「コントラバスがいい音をしてた」とか
結構認める発言が多く「過去5回の演奏を聞いたけど、今回が一番よかった」そうだ。

今回の好評を励みに、秋のファミコン、年末の第九にチャレンジしたいと思う。


 因みに身内の申す「今回一番良かった」の評価の観点は・・・

 「今回は安心して眠っていられたから」だって!!
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静かな還暦の一日

2010年05月13日 23時43分02秒 | その他雑感
いよいよその日が来てしまった。
とはいえ世の中何が起こるわけでもないのだが

朝マンションから表通りにでたところで道端をふとみると
珍しくきれいな四葉のクローバーがこちらを見ていた。
これは天からの贈り物?と思い、切り取って手帳に貼り付けた



仕事帰りに近所の酒場で家内と一献。むろん僕は全くの下戸なので
今日も「0.00」のお世話になった。キリンフリーの開発者さんありがとう!

そして自宅では息子も交えて、地域一番のケーキを分け合った。
このモンブランがすごい!普通のモンブランの10個分くらいあるのだ。


甘く、静かな還暦祝い最終章だった。

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「田園」の難所を諦めないことにした

2010年05月11日 23時39分11秒 | オケの練習
今週の日曜日がいよいよ定期演奏会だ。「今度こそ100%参加するぞ!」と心に決めて練習してきたものの、
どうしてもクリアーできずに一度「諦めた」部分がある。

それがベートーベンの第6交響曲「田園」の最終楽章で、チェロが速い動きをするところ。
8分の6拍子のAllegrettoだけど、かなりスピードが必要だ。
  <左の赤枠の中の前半部分が難所>

48小節にも同じパターンが現れるが、こちらは第1ポジション前後でなんとか演奏可能だ。
しかし158小節から出現する同じパターンの旋律は、第4ポジションでの速い動きが必要で、
同小節前半のファ-ミ-ファ-ソ-ファまでは追いつけても、後半から始まるレ-ファ-ド-ファ-シ♭-ファは、
一段下がっている「レの音」を、親指で押さえるのか、瞬時にポジションをずらして人差し指で対処するかしかなさそうだ・・・
いずれにしても大変困難で、結局団員はほとんど全員落っこっちゃっている。

 ベテランエキストラの方にとっても難しいらしく、最悪は助っ人のプロの先生のソロになりかねないのだ!
その先生といえば、おどけて難題の「レの音」を、なんと顎で押さえて弾く離れ業を見せてくれた!
その頭を左に傾けて顎を突き出してネックに乗せた瞬間の、いたずらっぽい表情に思わず笑ってしまった。
「顎シフトをみんなでやりましょうか、一斉に顎を突き出したら会場が沸くかも」なんて冗談言ってみたもののサブ~い。

何度も聞いた田園のこの部分は、繊細で美しい。
この見せ場を諦めるのが悔しい。

そこで、毎晩特訓を始めた。

以前先生が語ったエピソード「マッチ棒を用意して、自分で100回と決めたらやりきる」というあの話に習えだ。
左手、右手が完全に無意識に連動できるまで訓練すれば、必ずクリアーできるはずだ。
実際繰り返し練習をやってみると、少しずつだが、到達度が変ってくる。

逆に一番良くないのは
「この運指は違うのではないか・・」
「もっといい方法があるのでは」と迷うことだと思う。

「今回はこのシステムで行くんだ」と決め込んでやりきるしかないと思う。

今は、一段下がる「レ」を”顎ではなく”、親指を繰り出して押さえ、
左手全体は第4ポジションから大きく動かさない方法に決めて特訓中。

いくらやっても、本番で落ちる可能性はあるが、やるだけやってみるぞ!
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定演前 最後の合同練習 ちょっと気がかりも

2010年05月09日 22時51分06秒 | オケの練習
 来週がゲネプロなので、今日が練習としては最後。
このところ 締め切った体育館は蒸し風呂状態たったので、
最後の練習にほっとする一方、ちょっと気がかりも感じた。

この時期になると、我がマエストロ・土田政昭氏は「練習トレーナー」という”仮の姿”から、
指揮者本来の姿に変身される。土田先生の素晴らしさはそこにあると、ある方が言っていた。

 普通の指揮者(たとえば客演の先生)だと、1回か2回練習にこられて、自分なりの表現を指示し、
演奏者への指導には関わらないのが普通なのだという。
演奏者が努力するのは当たり前、指揮者は演奏は出来ないのだから、
与えられた演奏者を前提に自分なりの表現をするのは当然なのだろうとは思う。

 それに比べ我が指揮者は、楽団創設以来の常任指揮者であるからなのか、
あるいはもとももとの面倒見が良い人間性からなのか、
あるいは「教師型」の先生だからなのか分からないが、
交響楽団を育てながら(文字通り生徒指導的な我慢強さが必要)
演奏会では本物の指揮者に変身されるのだ。

(ある指揮者志望の団員はその指導振りを学びに入団されたそうだ)


 つまり、今日あたりになると、箇所ヶ所の演奏(つまり音楽の部品みたいなもの?)や、
技術的な指導に時間を使うことよりも、オケ全体のバランスの調整や
曲全体を音楽としてまおめてゆくような曲作りに集中したいところなのだ。
団員も楽曲全体をイメージしながら表現するようにマインドシフトすべきなのだと思う。

 しかし本日ちょっと残念だったのは、Vnへの指導ばかりが繰り返される最終練習となったこと。
全体の調整という段階に入れず「これでは振れないよ」という先生の嘆きというか、
苦しそうな言葉が何度も出されていた。
「速い箇所や難しいところが弾けないこと自体は問題ではないんだよ」とも言っていた。

 Vnは人数が最も多く、エキストラが逐次参加されることもあり、半年間積み上げたものが
なかなか全体に伝わっていないのかもしれない。
「田園」と「カリンニコフ」というの交響曲を2曲演奏する難しさもあるのかも知れない。

 チェロやCbの低弦は、プロの先生の参加や指導力もあって、あまり問題とされなかった。
自分も最近は 全体の音を聴く余裕が出てきていることもあり、
他のパートの仕上がり状態が余計気になるようになってきたのかも知れない。

 そんなこんなで、来週の演奏会がちょっと心配な気もするが・・
いや わがオケはいつも本番で一番実力を発揮してきたのだから、
これから1週間の各自の努力と本番での本気で乗り切ってゆけるのだろうと信じよう。

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A線がぶち切れた!弦と一緒にミュートも購入した。

2010年05月07日 21時15分39秒 | チェロ
チューニングしようとA線をのペグをまわしたら、「ブチッ」という音ともにA線がはじけ飛んだ。
ペグの周りには3~4周切れ端が残った状態で、上部でち切れたようだ。初めての経験だった。

弦を全取替えしたときに楽器店の店員さんが「古い弦は緊急時の交換用にとっておくといいですよ」とのアドバイスに従って
保存してあった名前が分からない弦を取り出して交換した。
この弦でも練習はできたが、これまでAとD線はLarsenだったため、A線を調和が取れていない気がして購入することにした。

千葉の山野楽器が撤退したとの噂も聞いていたので、仕事帰りにチェロを買った銀座本店でLasenのA線を購入。
せっかく楽器屋さんにきたのに このまま帰るのもあっけないし つまらないな~と
5階の弦楽器コーナーをうろついて、高額なチェロやら新型のチェロケースなど見て回る。
以前は無かった500万クラスのチェロも飾ってあり、チェロケースのバリエーションも増えて華やかだ。
しかしチェロ本体やケースは現在十分満足しているので浮気心は起こらない。

細かなアクセサリーを見ていると、ミュートが気になってしまった。
ブログで紹介されていた金属製のものすごいミュートを尋ねると取り出してくれた。
金メッキながら、下部にゴツイ金属製の分銅みたいな重りがあり、それを駒にネジ止めする機構になっている。
「これは効果高いですよ」と。でも値段も高いのだ。2割引でも9000円近くする。

 次に弱音効果が高いのは やはりオール金属性。「ただしこれはネジ止めで無いので落ちやすいんですよね」と店員さん。
値段も2番目で4500円くらいする。機能性から見てもどうも触手が動かない。

 3番目が金属のブロックをゴムの皮膜で覆ったもの。これも以前は無かったタイプだ。
ゴムで覆っている分、弱音効果が薄くなるというけど「これもかなり効果が高いですよ」とお奨めらしい。
お値段は2000円強。

 最後に僕も使っているオールゴム製で駒全体を上から覆ってしまうタイプ。
「ULTRA USA]と書いてある。
以前はこれが一番いいですよということで購入したが、とてもマンションで夜間練習できる音量には減量しない。

結局迷った挙句購入したのが[ARTINO]practive mute。


実際に装着して弾いてみると、A線など高音での弱音交換は限られているものの、
特にC線など低音の音量カット性能がすごい。



現在持っているオールゴム製と比較すると、明らかに低音域での弱音効果に差がある。


あのゴツイ1万円近いオール金属の塊はどうだったかわからないが、
このミュートなら、夜9時ころに練習してもクレームは出なさそうだ。

定期演奏会まであと1週間あまり。夜の練習も大事なので役立ってくれるはずだ。


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ちょっと早い還暦祝い 2

2010年05月05日 22時18分22秒 | その他雑感
その3

帰ってきた子供が、料理屋さんに連れて行ってくれた。
おいしい前菜、新鮮な肴、シャブシャブに舌鼓を打ったが
家族で過ごす時間を準備してくれたことが最高のご馳走だった。



7日間の連休はあっという間に過ぎ去った。
オケ「強化練習」2日間、家族からのプレゼント3日間など
盛り沢山だったなー。

明日からの仕事復帰、よほど心して掛からないと大変だ!
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ちょっと早いけど、嬉しい還暦祝いだった

2010年05月03日 22時59分02秒 | その他雑感
「チェロ五十代の手習い」ともさよならしなければならなくなった。
あと10日もすれば60才は数学的にも天文学的にも、確実なのだから。

「表題どうしたらいいんだろう」と家内に聞くと「そのまま続ければ、五十代に始めたんだから」というお答え。
んーそれもそうか、と妙に納得して、このまましばらく続けるか。

そんな中で家族から現在二つの嬉しいプレゼントをもらった。


その1 家内が乗馬ツアーをプレゼントしてくれた。

 <波打ち際を行く>

九十九里海岸のそばに、牧場があり、全くの初心者でも乗馬の短時間レッスンのあと、
海岸を自分で騎乗してツアーするのだという。

訪れてみると、まさにウェスタンに出てくるような荒削りだけど趣のある牧場があった。
アメリカンなでっかいキャンピングカーもある。西部劇のサロン風のレストランまである。

そして何よりも驚いたのは、ヨーロッパ風というかセレブ風の雰囲気とは真逆のさっぱり、ざっくりした指導振りだ。

厳格なヨーロッパ風の乗馬スクールとは全く違って
「よろしく~」「はいあなたはDIAN」といきなり馬のたずなを渡される。

「ギョエー!おら馬に近づいたこともねーよー」とろくな抗弁をする間もなく
「はいじゃまたがって」ときた。
「DIANは怠け癖があって人間の言う事聞かないから、そのときはこれで叩いてね」と細い枯れ枝まで持たされた。

どんなにヒドイ馬なのか・・と思ったら、この牧場の馬たちは テレビCM出演もなさっている、
由緒正しきお馬さんたちでありました。むろんDIANの撮影もしたばっかり。

一度跨ってしまえば、あとは車で言えばブレーキと、アクセル、左右のハンドル操作を馬場で練習。
一番怖かったのが、軽い駆け足の練習で、特にDIANちゃん怠け者で、簡単には駆けてくれない。
もたもたしていると先生がやってきて「これが進め」と手で足を持ってDIANの体にぶつけた。
「駆け足はこう」とぶつけたときにはおったまげた!もしこの蹴りを人間にやったら、まず間違いなく
お腹を抱えて悶絶するくらいにDIANの腹を蹴り上げたのだ。
「それでも動かなかったら鞭使って・・・」

おいおい、本当に大丈夫なの?と戸惑っていると
「じゃ私が先頭行きますから、1馬身あけて着いてきて」といざ九十九里浜へ。

僕の乗ったじゃじゃ馬ののDIAN嬢にはもう一つ注意事項があったっけ。
「DIANは頭が良くてずるいから草地に行ったときには絶対草を食べさせないでね。
食べようとしたらタズナをぐいっと持ち上げて」と言ってたな・・・

恐れたとおり、海岸に通じる狭い砂地に差し掛かったらいきなりDIANは頭を下げて草に突進しようとするではないか。
 「ここは甘やかしては先が思いやられる」とググッとタズナを引いて・・・落ちそうになりながらっも必死にDAINを制御。
そして広い九十九里に進出できたのであった。

そのあとはさわやかな風が吹き抜ける 広い砂浜を一列縦隊で南へ下り始めた。
海岸にはところどころ波と戯れる姿があるだけ。
沖合いにはサーファーが次の波を待つ列が光っている。
遠くに突き出した突堤が見える海岸の波打ち際を、あるいは低い砂丘を越えて進んでいった。

生まれて初めての乗馬体験は素晴らしかったが、一番喜んだのは家内かもしれない。
しかつめらしい乗馬クラブに比べ、ウェスタンスタイルのこのクラブの持つ開放感、
広大な海と空の間での自由なツアーに大満足だった。
おまけは九十九里名物「特大焼き蛤」。グルメを満喫させてもらって還暦祝い一日目。


その2  息子からの万年筆のプレゼント

 <イタリア製らしい>

どんなものでも、子供からのプレゼントは心に残る。
幼稚園のときにくれた「かたたたきけん」は今も権利を行使せずに取ってある。

社会人となり、家庭を持った息子が帰ってきてくれるのも嬉しいが、
父の還暦に、母の日のプレゼントも忘れずに届けてくれる気遣いも嬉しい。

明日は嫁と一緒に、ギョーザパーティーだ!

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定演目前、エキストラの方々の「妙技」

2010年05月02日 21時46分39秒 | オケの練習
 定演まであと二週間。今日はエキストラで出演されるプロの演奏者も多く参加して、
緊張感と集中力を切らさない練習となった。

 エキストラの先生方の演奏の素晴らしさは言うまでもないのだが、今日は演奏以外で、
さまざまに驚かされることがあったのでそのことを書いておこう。

1)まずはボーイングの変更をすぐ見破るの術 

弦楽器は多人数で同じ演奏を行うので、ボーイングを合わせることはきわめて重要だ。
お客さんから見て格好が悪いのはいいとしても、隣とチャンバラみたいにガチャガチャぶつかったり、
ひどいときには刺さりそうになる。それも音楽としては見逃すとしても、アップにするか、ダウンで行くか、
あるいはアップダウンを切り替えるかで曲想が変ってしまうから全体での統一は重要だ。
 
 だからボーイングは事前に譜面に書き込まれ配布されるのだが、そのボーイングが主席
(あるいはトレーナーの先生)の判断でしょっちゅう変更が加えられるのだ。
プロやベテランのエキストラの皆さんに驚かされるのは、主席のボーイングの変化を
即座に見つけ、鉛筆を持ち、即書き直すそのスピードの速さだ。
3列4列後ろでも即見つけるのはなぜ出来るのだろう
 僕など必死に譜面にしがみついているので、前列の変化を見る余裕が全く無い。
みなさんは楽譜を覚えているのは前提で、指揮者、主席、譜面など広角的に見ているのかもしれない。
そうでなければ不可能な「秘技」に見える。

2)譜めくりの術 ~ツバメ返しか?~

弦楽器は同じ楽譜を演奏するので、二人で譜面を見るようになっている。
管楽器は全員が違う譜面を見て演奏するので一人に1台なのだろうと想像している
(過去Hrやってたころは見やすくてよかった。特に目が弱くなってくると余計そう思う)
そこで僕のように列の裏側の奏者が譜めくりを担当することになるのだが
(弦楽器は管ほど休みが多くはないので、途切れては困るのだ)

この譜めくりがなかなかうまく行かない。

オケの練習用の譜面台がボロイこともあるけど、先週もコンミスのプルトでは、演奏中に
二回も譜面全体を落っことしていた。下手すると、こうなるのだ。
そこでそっと、ゆっくりと・・というわけにも行かない。もたついて表側の奏者の演奏に
支障が出ては困るし、自分も大事なところで追いつけなくなるからだ。
 でも焦るとめくりそこなったり、楽譜を落としたり、慌てると弓を落としそうになったりする。

僕の譜めくり速度はチェロから手を離して、めくり終わり、弓を持ち直すまでには
恐らく6~7秒掛かっているのではないかな~。

 それが、本日 目のあたりにしたのは1秒?位の早業だった!
しかも譜面に何の乱れもなく、即次のフレーズに突入しているではないか。
この妙技の持ち主が、本日僕の表側で演奏してくれた、あの「万能演奏家」のお嬢様先生。
 ん~どうして?という顔したら「あたしこれ得意なの」だって。すっげーウルトラC。

3)演奏場所発見の術 ~透視能力?~

この力はすごい!

 演奏会への追い込みともなると、指揮者は気になるところでストップし再スタートを繰り返す。
そのたびに「小節番号125から」とか、「Dから8小節目」とか「Eから数えて12小節」とか、
「ファゴットがタタタタと入るところ、わかるよね」とか、探しにくい所からのスタートも多い。

 僕の場合は必死に小節を数え始めて、ようやく開始場所にたどりつくことができる。
数えては見たものの、再スタート箇所に自信がないときには、周りが演奏を始めてから
追いつくこともある。
結構やっちゃうのが、開始場所を探しきれずに入り損ねて、落っこちてしまうことだ。
このタッチというか、乗りというのも「音感」の一部なのだと思うと、少々落ち込む。

 ところがどうだろ!
 
隣の先生、前のページだろうが、目の前のページだろうが、即座に「ここ」と弓で指してしまう。
驚くことに、指揮者がどこを指示するかも予測しているかのように、
指示が出た瞬間に「ここ」と教えてくれるのである。

 あまりの早さに「動体視力ですか?」と聴いてみたら「ま~そんなものね」とおっしゃっていたが、
どこが課題になるかを見抜いているのは、全体の音を聴いていないとできないことだろう。
「昔からしつけられてきたから」というなぞめいた言葉も残して行かれたが、
プロの先生が入る場所を間違えたことはほどんどない。
 この力も、音楽技術であり、楽曲理解のバロメーターなのではないかと思う。

4)調弦の術 ~その場で楽器調整のマジック~

 チェロのチューニングは、ネックの上部にあるペグと、下部にある微調整ネジで行うが
今日は微調整ネジだけではチューニングがうまく行かなくなっていた。温度変化が激しいのだ。
隣の「万能先生」は それを見抜いてしまったのか「もうこれ限界まできてるでしょ」と、
ちょっとした休憩時間に僕のチェロを抱えて始まったのが、弦と駒の調整作業だった。

 微調整のねじを全部一杯まで開放したら、弦をビロビロに緩めて、駒の位置まで両手で調整し
(恐らく直角を保つように)、一気に全部の弦を新しい状態にしてくれたではないか!
なんだか赤ちゃんのおしめを取り替えているような風情だったのが不思議だ。

 微調整でチューニングが取りきれないときの苦労は大変で、オーボエが温まっていないときと
温まってキーが高くなったときのギャップを微調整でまかないきれないことがよくある。
そんなときはネックの先端のペグを回して調整するのだけど、非常に力がいるし、
その後の微調整にも時間が掛かるので 演奏直前のペグ回しは恐怖に感じているのに・・

彼女はあっという間に終了。

調整の効果は抜群で、その後安心して演奏できるという状態になれたのだった。
「僕はまだまだオシメが取れない赤ちゃん状態?」と感じてしまったな~。
弦調整の技というのも、大事な音楽の素養なのだ!

 それにしてもこのお嬢さん、どうしてあの硬いペグを動かしながら弦調整できるんだ?
やっぱこれもコツがあるに違いない。残念ながらそこまで聴けなかった。

 音楽の演奏技術以外、さまざまに驚くことはあるのだけど「音楽一筋に生きてきた人たち」が
繰り広げる、さりげない技に、積み重ねの厚さ、奥深さを感じることができた。

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指揮者の指摘に、初めて逆らっちゃった

2010年05月01日 00時14分13秒 | オケの練習
今日は参加者が少なく、トップサイド、つまり主席と同じプルトで演奏することに。
目の前には指揮者がいて、スコアーの書き込みもピンクや青のマークまで見える位置だった。

主演目の練習が終わり、アンコール曲「ローエングリーン」より第3幕への前奏曲の練習中のこと。
すでに昼休みに練習時間は食い込んでいる時間帯のことだった。

「チェロ(入るのが)早過ぎる!」の指摘で演奏はストップ。
あの有名な、喜びを表しているという、3連符で駆け上がり、盛り上がったあと
収束して下りに入るところへの「入り方が早過ぎる」というご指摘なのだ。

いつもなら注意のあと「はい、もう一回」となるはずが・・・
「君だ!」と僕のことを指さしたではないか!

僕としては、全然間違って演奏してなかったし、指揮者から「間違った指摘」を
名指して受けた経験は入団以来初めてのことだったので、一瞬とまどったものの・・
「いや、僕はちゃんとやってますよ」と答えていた。

果たして、どんな反応が返ってくるかとちょっと心配してはいたが・・
「なぜ正しいと分かるんだ」ときた!

どうしてったって、証拠も何もあったもんじゃないから「何言ってんだ!」と思ったが
「ここの部分は自分できちっと弾けた自覚がありますから」としか言えなかった。

すると「こちらにはちゃんと聞こえているんだから」とかなんとか言いながら
「まーいい」という感じで演奏再開となった。

演奏会近くなると、この先生必ずテンションが上がって、あちこち槍玉にするのは
常套手段なので、ま~しかたないか・・とも思ってはいるけど、
自分で自覚がないというか(上手い下手は別に)譜面どおりに弾けている部分を
名指しで指摘されれば、自分の名誉のためにも抗弁せざるを得なかったのだ。

ところがである、演奏に一旦戻ったものの、やはり先ほどの駆け上がる部分のチェロが
気になるのか、「もう一回チェロだけ」と戻って弾きなおすことになった。

「こりゃやばいかなー・・あら捜しか~・・先生を刺激しちゃったかな~」と少々不安が混じり始めた。

いつもなら「チェロ合わない」とか「チェロ誰か音程低い」とか「低弦もたつくな」とか
言われても、全部自分が悪いかもしれないという風に、恭順の様子ですごしてきたけど、
なぜか今日は名指しだったから反発し過ぎちゃったな~・・・
(実際は自分が悪いのかも知れないと思ったときは、密かに落っこちて
全体の音を聞いてみると いい加減な演奏している人は他にいることも多いのだ)

さてチェロだけで弾き直してみると「なんだ違うのはあんたじゃないか」と指揮者にも
犯人は別の人だということがはっきりして、何とか冤罪は晴れたような不思議な気分だった。


そんなこんなで午前中の練習を終えたとき、入団以来始めての出来事があった。

指揮者がこちらに近づいてきたと思うと「さっきは悪かったね、失礼しちゃった」と
わざわざ笑顔で謝ってくれたではないか!
「いえいえ、全然気にしてないですから、いつでもどうぞ!」
とこちらも精一杯の笑顔で答えたと思う。

しかし、このわずかなやり取りが、今日一日自分の中では、
さまざまな思いを喚起しながら反芻されたのであった。

「間違いとはいえ、指揮者の指摘に逆らったのはまずかったかな~」
「指揮者がわざわざ謝ってくれるなんて、なんだかかえって悪いよな~」
「いやいや率直ないい先生だよな~」
「やっぱ『すいません』と受け流す方が大人のマナーだったのかもしれないなー」
「僕の短気ですぐムキになる性格は変らないよな~、俺ってまだまだだな~」とか

「それにしても、名指しで指摘を受けたのはこの3年で初めてのことだったよな~」
「なんだか叱るだけの力がついてきたということなのかな~」
「これって、オーケストラの端くれとして認められたということ・・」とかとか。

てな具合に、あれやこれや思い起こしていたのです。

そういえば帰り際に、オケのインスペクター(全体の世話役さん)から
「チェロ弾けるようになったじゃない。最近楽しくなってきたでしょ」と
さりげない一言があって、これも合わせて様々に僕の頭は忙しくなったのだった。

「おーやっぱり認められ始めたのか(喜)」
「いやいや これまで弾けなかったけどみんな我慢してくれていたということ(哀)」
みたいな風に。

いずれにしろ、この小さな出来事、些細な一言で、事態は変化を迎えるのであろう。
一端(いっぱし)の口を利いた以上練習あるのみなのだ。
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