定期演奏会が終わり、ほっとするのもつかの間、4月のアンサンブルコンサートの練習が始まった。
2月の定期演奏会は、ソチオリンピックのただ中に「ロシアシリーズ」ということで開催された。
チャイコフスキーの交響曲第1番「冬の幻想」、「スラブ行進曲」、ハチャトリアンの「仮面舞踏会組曲」など
雪と氷の祭典に相応しい中身だったが、団史に残るような困難にも遭遇した。
最悪だったのは、演奏会の1週間前には、観測史上最大級の豪雪に見舞われたこと。
土曜日のリハは中止。翌日曜日の最終リハーサルには打楽器など大型楽器をそろえることができず、
大変不安なまま本番を迎えることになった。
本番当日になっても困難は続いていた。
二週続きの大雪のおかげで、チェロ主席は午前中は東北新幹線の中で、到着は開演ぎりぎり。
関西からコントラバスを乗せて東名を走っていたH氏は、三島あたりで車を乗り捨て、
大きな楽器を抱えて電車を乗り継いで、やはり当日ステリハぎりぎりに会場到着。
残雪を感じる中、演奏会場にも不安はあった。
会場は市原フィルは初めて使用する「青葉の森公園芸術文化ホール」。
なかなか設備的には立派なのだが何しろ駅から遠い。
友人たちも二の足を踏んでしまうに違いないと心配だった。
ところが、本番に強いのが市原フィルの持ち味なのか、さまざまな障害にもへこたれず、
団員は本場に向けてしっかりと調整をしていたのだと思う。
コントラバスも打楽器も、無論チェロ主席も奇跡的に本番に間に合った。
チャイコもハチャトリアンも、持てる力を存分に発揮できたのではないかと思う。
友人たちからもは「すごく良かった」とお手盛り抜きの賞賛をいただいた。
本番はどの練習よりもまとまり、エネルギッシュな演奏ができた手応えを感じた。
完成したCDが待ち遠しいのも久しぶりだ。
本番は良かったが、大雪と本番の緊張で気力体力とも大いに奪われその後何もする気が起きない。
団員のSNSなど見ていると、若い人でもかなり消耗していた様子がうかがえる。
次の定演メインブ曲・ラームス交響曲第2番は「演奏してみたい」と思っていても手が出ない。
そんな中で迎えたのが本日のアンサンブルコンサートの第1回練習。
参加するまでが大変だった。
練習に向かおうとする気持ちを奮い立たせるのに随分骨が折れた。
アンコンではモーツアルトの交響曲29番のほか、ウェーバーのクラコン、
ハイドンのチェロコンなど団員がソリストとなって、協奏曲も演奏される。
「コンチェルトの伴奏か・・」と思って楽譜を見ると、これが容易に弾けるわけではなく、
しっかりと練習をしてリストとの呼吸を合わせながら演奏するには神経研ぎ澄まされなければならない。
「こりゃまたまた気合を入れないと・・・」と大いに気持ちが重かったのである。
ところが、ところがである。
アンサンブルの練習は楽しかった!
ソリストを引き受けた団員の雄々しい(女性は何ていえばいいか・・)、まっすぐに立ち向かう姿がいい。
クラリネットもチェロも立ち向かう姿勢だけではなく、ソロを引き受けただけに、腕前もさすがだ。
モーツアルト29番も、コンミス中心に呼吸を合わせてゆくプロセスが、とても楽しかった。
今日の初合わせ(ほぼ初見練習ではあったが)経験をベースにして、
何回か合わせを行って行けば、いい演奏に磨かれてゆくだろうと思う。
アンコンがわくわくして待ち遠しくなってきた。
今後、譜面としっかり向き合うとともに、プロの演奏もよく聴いて練習をしようと思う。
そこで、いくつかtubeの動画を拾ってみたので、ここに転載しておこう。
1)ベルリンフィル 亡きアバドのモーツアルト29番
Mozart: Symphony No. 29 / Abbado ? Berliner Philharmoniker
2)こちらはSabine Meyerの見事なクラリネット
C.Mv.Weber - Concerto in f minor No.1 , op.73 (Sabine Meyer)
3)Haydnのチェロ協奏曲第1番をロストロポーヴィッチが演奏している
Joseph Haydn - Cello Concerto No. 1 (Mstislav Rostropovich)