チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

チェロトップに座って思った事(悟ったこと)

2017年05月16日 00時42分41秒 | オケの練習

茂原交響楽団の演奏会が無事終了した。

 今回の演奏会は「20世紀の音楽」と称して、コープランド「ロデオ」とラベル「ラ・ヴァルス」を前プロで、
後半メインに「ラフマニノフ交響曲第2番」を演奏した。
実は打ち上げで、指揮者だけでなく、トレーナーの先生方からも「こんな難曲を3曲演奏するのは危険すぎる。無理だと思っていた」の講評があった。
その通りで、今回の演奏会は実質練習時間は3か月くらいで本番に突入しているが、途中の段階では正直「完成」に至るとは到底思えない感じもあった。
団員の疲弊感、難しい演奏に不安感も募り、指揮者のいらだちも近年珍しいくらいに高まった。コンミスがその「餌食」になり代表して随分叱られていたっけ。

しかし結果だけを先にいえば、お客さんからも、エキストラの皆さんからも(僕の会社の同僚、先輩、旧友からも)
「今までで一番良かった」とお褒めいただける結果になり、無謀な挑戦も一生懸命やれば報われるもんだとも思った。
(ただプロの皆さんも、団員の多くも へとへとの状態なのでこの様な危うい選曲はもう勘弁だと思う)

さてこんな中でメイン曲の「ラフマニノフ交響曲第2番」のチェロトップに座れた幸せを今更ながら感じている。
トップとして本番を迎えた時の思いを正直に言えば、「一体全体何が起きるんだろう、どうなるんだろう」と久しぶりに
不安よりも、遠足に行くときの子供のワクワクする気分だったような気がする。

前プロでは、全体の演奏は最高に良かったけど、僕は第2プルトで気が緩んだ結果もあり、さんざんの演奏だった。

15分の休憩後、舞台が照明で明るく照らされる中、ビオラ軍団に続いて、チェロを抱えて一番先に舞台中央に向かった。
1プルトだけは黒いピアノ椅子が用意されている。「本当の首席」がいつも自前で用意してくれているのだ。
座るとちょっと椅子が高く、眺めがいいかと思ったけど、目の前の譜面台と指揮者で視界はかなり限られていて、
会場はほとんど目に入らなかった。客席が見えにくいのはその後の演奏に幸いした。

会場からの拍手の中、指揮者が登場し、一礼のあと一呼吸して指揮棒が振り下ろされた。指揮者の呼吸が聞こえるんだね。
第一楽章の最初の音を丁寧に出し、2音目で一気にフォルテまで高め、徐々に下降に入ってゆく。
第1楽章はいい感じで演奏でき、第2楽章へ進んで行く。
ゲネプロに比べ本番の方が 自分の「落ち」「間違い」はかなり少なかったと思う。

再チューニング後第3楽章へ。
ラフマでのチェロの見せ場というか難所は第3楽章と思っている。
クラリネットの美しいソロを、チェロが縁取るように3連符で動いて行くのだが、タイミングが難しい。
でも、ここでも ほとんど落ち・ズレはやらなかったと思う。
練習の時は「全然だめ、全然合ってない。何も分かってない!」と怒鳴られたこともあったんだけどね。

しかし第4楽章に至って、ズレ・落ちだけでなく、懸命に弾いているのに音が出てこない現象に陥った。
「これは力みが原因だ、脱力だ!」と自分に言い聞かせ、弓の持ち方にも注意したものの、制御が効かない。
中低音は何とか出せるのに、ハイトーンに力がない。
4楽章は激しいので、聞いている人には分からないかもしれないけど、勝手に上ずった音(ハーモニックス?)が出たりする。
結局終曲は 大団円に向け、力任せに弓を押し付けながら、へとへとになりながら終了したのだった。
終わってみると、比較的冷静で、上がってはいなかったはずなんだけど、全身に大汗でびっしょりだった。

「弓を滑らせて落とすことはなかったのは良かった!」などと軽口をたたきながら、後片付けをし、打ち上げでその日は終わった。

一日経って振り返ってみると、大変な曲にトップでチャレンジできた幸せを感じている。
今回なぜ首席の席に座ることができたんだろう・・・チェロを定年前に始め、10年で難曲の首席に座れるなど普通はあり得ない。
それには、いくつか幸運が重なって実現したのだと思う。
1)これまでトップを続けてきた「本当の首席」が仕事で出張が多くなり、ほとんど練習に参加できなかったこと。
2)他の団員に、毎回練習に参加でき、体調が良く「それなりのキャリア」(ここが微妙)がある人が少なかったこと。
3)「本当の首席」から「曲ごとのトップ交代」という提案に他のチェロ団員が反対しなかったこと。
4)弦トレーナーの素晴らしい師匠が、実質トップとして常に伴奏してくれること(この条件無しには実現はゼロだった)

 実は隣で支えてくれている師匠は、様々な局面でサポートを提供し「素人首席」に満足感をプレゼントしてくれていたのだった。
1)実質の首席として、ゆるぎない演奏をしてくれるので、戻れる道というか、位置が明確だということ(師匠は灯台であり、大木です)
2)僕の座席を15センチ程後ろに下がらせ、少し内向きに座らせてくれたことで、師匠の演奏している様子が右目の端に常に見えていて安心だった。
3)間違えそうな箇所になると、さりげなく 弓で位置を示してくれていた
4)当然ながら、弾けない箇所を確実に演奏してくれるという「絶対の安心感」。
要するに、親に見守られながら、遊園地で遊んでいる子供のようなもので、支える側の負担は大。「もうこりごり」のはず。

 ということで、大汗のうちに、演奏会を終える事ができたが、この「首席」経験の「副産物」は一杯あった。
1)本番では「あがっていなかった」はずなのに、実は血圧が「上がっていた」
  本番当日朝の血圧と、一夜明けた本日の血圧では 35も差があった。「精神」はどうであれ「肉体」は正直
2)聞きに来てくれたチェロ弾きからは、珍しくお褒めの言葉というプレゼントがあった。
 「まずは、貴兄の左手・右手、弾く姿は大いにサマになっていました。
  初期の頃を思い出すと、隔世の感があります。左手・右手の形ができてました。」
    ・・・う、う、涙。
3)それとは反対に、鋭い指摘!
 「それにしても、隣にI先生がいると頼りになりすぎますね。時々ですが、I先生の音が聴こえることがありました。
   しっかり芯のある音、よく通る音なんだろうと思います。知らない人が見ると、どうしてトップサイドの人があれだけ弾けるのか、
   と思っ たり.....譜めくりまでしていただいて、恐縮してペコリしてはダメですよ」 
  (まさに「慧眼」。分かっている人の目(いや耳)を欺くことはできないのでした。)
    ・・・う、うぇ~、またも涙。
4)よって最大の副産物。「脱力こそ命」。本当のチェロの「音色」への挑戦を続けたくなりました。
  さようなら「偽物首席」。もう一度初心にかえって、地道に「チェロ道」を歩むことに決めたのでした。
  音楽的に言えば「D.C.」(ダ・カーポ)~「最初に戻って演奏せよ」。でも「FIN」は永遠にこないのでしょうね。

 追記:高校からの学友たちが家族連れで聴きに来てくれ、豪華なお花をいただきました。ここでお礼を申し上げます。

 

 

 

 

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チェロのトップに座る異次元の厳しさ

2017年05月02日 20時25分29秒 | オケの練習

チェロ暦10年にしてチェロのトップに着くことになった。 

昨年はお断りしたが、5月定期演奏会のメインは「ラフマニノフの交響曲第2番」には
以前他のオケで乗った事もあり、いろいろな事情でこの曲のトップを引き受けることになった。 

年初に引き受けたものの 結果として経験したことは想像もできない厳しいものだった。
本番は2週間後、何が起こるか分からないが、今のうちに感じた事を書き留めておこう。
(ちなみにわがオケでは、チェロトップは指揮者のすぐ右隣に座っている人なんだけど) 

「ラフマ」のチェロトップを任された時から、今までには無かった色んな「異変」が起きている。

まずは、自分のパート譜を隅々まで見直すことに。というか弾けなきゃしょうがないので。
今まで演奏してきた楽譜の見誤りが本当におどろくほど沢山発見された。
誠に恥ずかしいながら、パート後方で気軽に「エアー」で逃れてた部分も多い。 
「ラフマニノフ第2番」はチェロが2~4パートに分かれ、1stは各段に難しい。

今回楽譜をさらい直して個人練習を「やったつもり」で合奏練習に向かうと、
全然合わないことも多く、合わなければ、指揮者はトップを責めるのは当然のこと。
自分が飛び出せば、後ろの人全員に謝らなけれなならないし・・・

結果「スコアー」を何度も見直し、練習を毎回録音し、繰り返し聴き直すことが習慣になった。
今まで持っているだけに近かったスコアーは、マーカーやらメモ書き込みだらけになった。
自分のパート譜も、「影譜」(クラリネットやらVn、Hrなどなど様々なパート)の書き込みで
真っ黒になり、同じプルトに座ってくれるプロから「これじゃ譜面が読めない」と叱られたりも・・・ 

楽器に触らないと不安で毎日練習するけど、サイレントチェロでは練習にならない事にも気づかされた。

それでも全体練習になると、合わないところ、弾けないところが、いつまで経っても発見される。
自分では弾けているつもりでも、実際の合奏になると弾けてないし、合わないことが繰り返される。 

演奏でミスしている姿が夢に出てくることもあった。
なんだか息苦しいこともあり、血圧を測るといつの間にか血圧が異常値を示したので、
OMRONの血圧計も買い替え、血圧降下剤を飲み始めた。 
「なんでこんな大役を安請け合いしたんだろう」と自分で自分を責めたりもする・・・

書き出したら切りがないが、ここでしみじみと思いいたすことがあった。
「これまでお世話になった首席の皆さんは本当にすごい努力をしていたんだな~全く気付いてなかった」
「1曲どころか全プログラムを弾きこなし、後ろに居並ぶメンバーをリードしていたよな~すごい!」
「となるとコンマスという人は一体どんなに研究をしてオケのど真ん中に座っているんだろう、想像を絶する」 
「となると、指揮者ってのは偉いものだな~・・・」

以前から管・打楽器は全員がソロプレーヤーだよな~、すごいな~とチェロ席からオケ後方を眺めていた。
でも、パート全体のトップはソロ楽器とは違ったプレッシャーがあることが今回良く分かった。
確かに管・打楽器がミスをすれば、観客も気づきはする。
弦楽器パートのトップのミスはボーイングの違いとしてすぐに察知されるが、ミスでは済まない。
5プルト10人全員が間違える可能性だってあり得る。
パート全体が変な方向に向かえば、オーケストラの音楽そのものが崩壊しかねない。 

ま~自分はそんなに信頼されているわけではないので、最悪の事態にはならないのだが
それでもお客さんは、パートのトップをしっかり見聞きしていることは間違いない。
トップの姿から、そのオケの力量を推し量るのだから(自分もそうだったし) 

こんなこと、グダグダ書いてる場合じゃないのだ。
「前期高齢者」に思わずプレゼントされて晴れ舞台と感謝しつつ、
残り2週間、今できる最良のアンサンブルに向けて練習をするのみだよな~

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M響定演のポスターは完成したが・・・

2017年02月16日 22時30分04秒 | オケの練習

茂原交響楽団第27回定期演奏会のポスターとチラシが出来上がり団員に配布された。

定演は5月14日(日)と3か月先だけど、難曲の「ラフマニノフ」の交響曲に加え
ラヴェルの「ラ・ヴァルス」が想像以上に難しく、団員の嘆き節が聞こえてくる。
やってもやってもできそうになくても、本番に強いM響だから、きっとクリアーできるはずだ。

そんな実力あるM響だが、クリアーできない絶対絶命の困難に突き当たってしまい、
茂原市での定期演奏会が、この27回をもって幕を閉じることになった。

その訳は、いつもコンサートを開催してきた「茂原市民会館」が取り壊しになるから。

 入口脇の定礎を見ると本年で築50年になのだからしかたない。

春の定演、秋のファミリーコンサートと、何回も参加させてもらったが、そのたびに思ったのは
1000席と、椅子の数は立派だが、手洗いの古さ、舞台裏のスペースの無さ、楽屋は無いに等しいし、
音響の悪さからプロによる公演は避けられてしまうシロモノだった。

盛んだった製造業が撤退するとともに、茂原市の財政は厳しくなったといわれている。その結果
近隣との町村合併も全て断られてしまい、市民の文化活動にしわ寄せがきていたということだ。

演奏会のたびにいろいろなエキストラの皆さんと舞台に上がったが、やってきたトラさんの中にも
「市役所は立派なのに、なんで市民会館はひどいの・・」と違和感を口にする人もいたっけ。

取り壊しの話は聞いたが、建て替えの話は聞かない。
秋のファミリーコンサートを最後に、茂原に演奏会を開く場所が無くなるわけなので、
近隣の街の施設のお世話になるしかない。
練習は茂原でできても、演奏会は遠くなるので、固定客となっているお客さんにとっても
大変不便になることは必至だ。残念だけどしかたあるまい。

ともあれ”茂原市”での「最後の定期演奏会」なのだから”遠くても聴きにゆきたい”と
思ってもらえるためにも、全力でラフマやヴァルス、ロデオの練習に取り組もうと思う。

 

 

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明後日ファミリーコンサート

2016年10月01日 00時07分17秒 | オケの練習

いつの間にか秋。バイクで走ると涼しさより肌寒さを感じ 金木犀の香りに気づく。

秋といえば茂原交響楽団恒例のファミリーコンサートが目の前に迫ってきた。

 

今年のファミリーコンサートは初の試みとして、チャイコフスキーの交響曲第5番を全楽章演奏する事になった。
例年なら、万人受けする交響曲の単一楽章を演奏するのだが、チャイコの5番を「切り売り」するのはもったいないという意見に押されて、
5月の定期演奏会からあまり時間がない中取り組んできた。結構大変だったが、なかなかいい出来と感じている。

後半のプログラムでは、映画音楽やアニメソングで、チャイコフスキーと比べれば楽勝かと思えば、これが大変厄介で、
なかなか納得行くレベルに達しなかった。
とりわけ久石譲作曲の「ハウルの動く城」こと、シンフォニック・ヴァリエーション「メリーゴーランド」は
変拍子の連続で、オケとしてのまとまりが出せるか微妙な気もする程だ。

 一方でやや気が重いことがある。ロビーコンサートで仲間と弦楽5重奏を引き受けてしまったことだ。
クアルテットとしては、昨年編成してから、モーツアルトの弦楽四重奏などの練習やアンサンブルコンサートなどで発表はあるが
本番前のあわただしい時間に、ポピュラーソングを2曲演奏するが、こうした曲は編曲者がチェロのことを分かってはいない
場合もあるのだろう。arcoとpizzの無理な切り替えやら、音の飛びが多く、音外しそうでどうなることやら心配は尽きない。

いずれにせよ、集中して取り組むことで、地域の人たちや、遠路やってきてくれる旧友たちに楽しんでもらいたいものだ。

 

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マーラー交響曲5番が自分にくれたもの

2015年05月10日 22時28分09秒 | オケの練習

茂原交響楽団の25回定期演奏会が終わった。

打ち上げの席で披露された話では、この選曲を聞いたとき、トレーナーの市村先生は「とても責任が負えません」と断ったが、
土田マエストロに押し切られたそうだ。ところが練習が始まった後、「こりゃだめだ」と二人で何度も諦めかかったそうだ。

思い起こせば、土田さんは、以前ならブチ切れてもおかしくない場面でも、辛坊強く、情熱的に「オケの訓練」をされていたし、
弦トレーナーの市村先生も、ほとんど全てのリハに参加してくれていた(こんなこと普通では考えられない)。
それほど、指揮者にとっても先生にとっても、厳しいチャレンジであり、大変な危機感でこの半年を引っ張ってこられたのだろう。
無論、団員にとっても大きな壁であったが、あきらめずに立ち向かい、必死の思いで練習に取り組んできたのだった。

さて結果はどうだったか。

参加者は、プロのエキストラを入れて全員で97人。講評で「いい演奏になった」「本番になって初めてマーラーの音が出た」とお褒めをいただけた。最後の最後の本番で、楽団の底力が発揮できたのだった。

自分としてはどうだったか。
この半年、可能な限り全ての時間をチェロを抱えて譜面と向き合おうとしたが、集中力を持続することが非常に困難だった。
特に「わけのわからないマーラー」が曲として感じられるまでは、譜面と向き合うことは大変苦痛を伴いで、すぐにへとへとになり、倒れ込むように休憩を取らなければならなかった。
(めくってもめくっても、楽譜は終わらない、全部で70分という長大な曲ということもあるし、何しろ複雑怪奇!)

しかし、市原フィルでラフマニノフの交響曲2番という難曲を抱えながら、同時にマーラーに参加する「人生最大のチャレンジ」は、この年齢でとんでもない集中努力体験ができ、練習の限界にも気づかされ、その中で前進するポイントも感じ取ることができた。これは、とても貴重な体験であり、これからの音楽生活にとって大切な基礎地盤ができてきた気がする。

こんな機会を与えてくれた茂原の皆様とマーラーに感謝したい。
まだ言葉にはならないが、マーラーでつかんだ「練習のコツ」を6月のラフマニノフに生かせればと思う。

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マーラー交響曲5番の楽譜届く.全く歯が立たない!

2014年10月18日 00時56分04秒 | オケの練習

古巣のM響のファミリーコンサートでチェロ主席と立ち話したときに、
「来年の定期演奏会のマーラー5番に僕も乗せてください」とお願いしてしまった。


市原フィルの定期演奏会が目前に迫ってきているし、市原は来年の記念コンサートのメインに
ラフマニノフの第2交響曲に決まっている。実に素晴らしい交響曲だけど非常に困難が予想される。
そんな中で、マーラー5番に挑戦することにしてしまったが、二足のワラジを履くのは無謀なのかな~

でも決めてしまった以上、実力のない自分ができることは何かと少しずつ進めている。

・マーラーもラフマニノフもスコアーとCDは購入した。
・例の無料楽譜サイトIMSLPから、チェロ譜をダウンロードして製本まではこぎつけた。
・youtubeでは、アバドやら、バーンスタインの名演も聞くことはできた。

そして本日チェロ主席から楽譜が到着した。
なんと、主席は27Pのチェロ譜を製本し、全楽章にボーイングマークを記入してくれていた。

すごい!

初合わせ(初見大会?)もまだ11月だというのに、この段階でボーイングが決めてあるとは、
M響はなんとすてきなオケなんだろう。
僕のようなlatestarterにとって、オケの進捗に合わせ臨機応変にボーイングを変更することは大変難しい。
オケの意志として、あらかたのボーイングが決めてあるとは、なんと優しいオケなのと感激した。

 

しかし、喜びはここまでだった。

早速マーラーの第1楽章を弾いてみようじゃないかと、チョロチョロと弾き始めてみた。
ところが、CDから聞こえてくる美しいマーラーとは似ても似つかない様相を呈し、愕然となる。

#4つで始まったので「面倒くさい」ことは覚悟はして取り組み始めたが・・・・
ヘ音記号だったのがハ音記号に変わってゆき(ここまではよくあること)、
しかし五線紙の上に2本3本平気で音が出てくる。え~親指ポジションでは届かないよ~。
そろそろ低音になってくるので、テナー記号からヘ音記号にもどるのかとおもいきや、マーラーさんは面倒くさいのか
そのままハ音記号でどんどん書き進んでゆく。五線紙の下の方書かれると大変苦手なんだよね。

そうこうするうちに、#4つだったはずなのに、突然♭4つに変貌している。なんでこうも急変身するの?
目を凝らして音を拾っているんだけど、♭4つはすぐ次の段になると、アレレ♭5つに増加しているではないか!

あとはもう、しっちゃかめっちゃか。
♭も#もなくなったかと思うと、ヘ音記号に戻って、いつの間にか#4つになって、ハ音記号になったと思ったら♭になって・・・
テンポも速くなり遅くなり・・・ただでさえ音そのものが出しにくいのに、目まぐるしく変貌する楽譜についてゆけない。

それにG線の第1ポジションの音符から、遥か彼方のハイトーンの音符まで直線で結ばれているのは何だろう?
グリッサウンド?こんな表記見たことないぞ、え~ギューンってやるのかな~・・・

てな具合で、聞き惚れているだけのマーラーは、こんなにも複雑な音の変化組み合わせを仕込んでいた。 

今いえることは一つ。「この楽譜は全く歯が立たない」


何度も何度もつまずき、立ち上がり、ひっくり返りを沢山繰り返せば、何とかなるだろうか。
でも間に合うだろうか・・・  

M響の初合わせは11月3日に迫って来ている。
とても練習に間に合うだけの「譜読み」すらできそうもない。
演奏に至っては、はたして半年先とはいえ、定期演奏会に間に合うきがしていない。

ラフマニノフに加えてマーラーという美しい楽曲を演奏するチャンスなど二度と訪れることのないと思い
「60代半ばでの大胆なチャレンジ!」と一人で盛り上がっていたのが全くバカみたいだ。

果たしてこのまま進んでいいものか・・・思考停止中

 

 

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音取り用に電子ピアノ購入

2011年01月28日 21時38分50秒 | オケの練習

ニールセンの難所練習は続けているが、どうもフラストレーションが残ってしまう。

正確に(なつもりで)、楽譜どおりに弾いてみてはいるものの 「本当にそうなの?」と疑いが消えないのだ。
「コードのかたまりで覚えよ」と教えられたが、どうもコードが体に入ってないので実感できない。
口ずさんでみたいものだが、音程そのものが読み取れない哀しさ。

そこで正確な音程で譜面を演奏してみたくなった。

正確というと、ピアノとか、笛とかだけど、我が家にはアップライトがリビングにあるだけ。
そこまで行くのもおっくうだし、夜中にポロリポロリと変な音程を取るのも気が引ける。

「よし思い切って小型の電子ピアノを買おう!」

だいぶ前にCASIOのキーボードを買ったことがあったけど、やがて子供専用となり
引越しを繰り返すうちに部品もなくなり、廃棄してしまった。

今度は音が取れればいいんだから、ごく小さなキーボードでいい。きっと安いはず

楽天、amazonなどで調べると、3000円台でcasioのキーボードが手に入ることがわかった。
「まっこれでいいか」と思ったが、30鍵程度でいいのか心配になりコメントを見始めた。
主としてコーラスグループが音叉の代わりに使っているらしい。
あとは「こどものおもちゃで」というコメントが多かった。

「ん~これでいいのか」とやはり疑問が強まった。

もう一度条件を設定し始めると・・・
 ⇒まずは狭い部屋をさらに狭くすることは避けたい。だからちょこっと立てかけて置ける形がいい。
 ⇒ニールセンをはじめとする、オケの楽譜を演奏できなければいけない。ある程度の鍵盤数が欲しい。
 ⇒あまりに軽薄な音でピロピロした楽器ではすぐに捨てたくなるかもしれないので、音色も大事か。
 ⇒電池でも動き、イヤフォンが使えること・・
 ⇒1万円前後までなら支払いは大丈夫か・・

ということで、再度ネット検索すると浮かび上がってたのがYAMAHAのキーボードだった。
(途中迷ったものもあったが、それはPC打ち込み専用ということで、作曲用だったみたいだ)
決め手は「さすがにYAMAHAはいい音。ピアノも持っているけど結構満足してます」みたいなコメント。
YAMAHAの人が書いている可能性も否定はできないが、案外本当のことではないかと1クリックした。

届いたのがこれだ

実際に部屋に入れてみると、机を占領する大きさにちょっと驚いた。
ピアノのようなタッチであるはずはないが、サンプリングした様々な音が使えて便利だ。

おぼつかない指さばきで(むろんワンフィンガーで)、ニールセンの難所をさらったが、
正確な音は出せても、演奏したときの塊としての実感に結びつかない段階だ。

恐らく、ピアノで弾き、チェロでさらい、またピアノで音を取って・・・という繰り返しで、
実感がつかめるのではないかと期待している。

ちなみに、購入してから近所の○○電気というチェーン店て現物を見たけど、
送料込みでもamazonの方が2千円近く安かった。ネット恐るべしだ。

 

 

 

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残念ながら 長期休団に・・・

2010年11月06日 21時55分26秒 | オケの練習
還暦、そして定年退職、その後はのびのび音楽生活・・というシナリオは崩れてしまった。

勤務日数を減らして、ゆっくりとと思っていたら、最近の傾向で、定年退職、即「継続雇用」という
ありがたい制度が定着したおかげで、定年は隠居ではなく、まだまだ忙しい仕事の日々が続きそうだ。

仕事柄、後進の育成業務や仕事のドキュメント化やら、残された仕事分野は幅広く、
その結果現在所属しているオーケストラの練習、演奏会日程とめちゃくちゃなバッティングを起こしてしまった!
年初から計画していた「第九」に出演できないだけでなく、来年の定期演奏会の日程も、つぶれてしまう憂き目に・・・

「仕事か、オケか」という二者択一となると、これからのことを考えると迷うところだった。

57歳でチェロを始めたばかりの自分を温かく受け入れ、ステージに立たせてくれた今のオーケストラには感謝しても感謝しきれない。
しかし、練習時間が仕事と重なって、合奏に参加できないとなるとオケに迷惑がかかる。
そのうえ当分、演奏会本番には出られないということになると、話は全く違ってきてしまうのだ。
本番に参加しないということは、合奏練習に参加することは迷惑になる。
指揮者にすれば「不要な音」が加わるのだから。

迷ったあげく、休団することに決めた。
参加しないまま支払う団費がもったいないというのではない(それもあるか)。
これまで練習してきたチェロを活かして合奏するチャンスがないのは寂しいのだ。
来年秋ころまで、いまの仕事が続くとなると、「不活動」のブランクはあまりにも長い。

ということで、3年半近くお世話になり、7回ものコンサートに参加した楽団に、休団届けを提出した。
団長、役員、チェロ先輩から「復帰」への期待が寄せられたけど、果たしていまのブランクに堪えられるかどうか・・・

毎週の練習がなくなると、ほっとする以上に、気が抜けたようで、おかしい。
このまま、チェロを担いで駆けつけるところがない状態が続くことには堪えられない気がする。
久しぶりに開けたチェロケースからは、温度差の影響で、ビロビロになった弦がひっかっかたチェロが出てきた。
もっと「チェロ子」をかまってやらないといけない!

ブログで知りあった方からは、仕事があっても参加しやすいアンサンブルのご紹介などいただいているけど、
もうしばらく、これからの活動についてあれこれ考えてみたいと思っている。
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明日も強化練習・・・地獄かも?!

2010年10月09日 22時35分18秒 | オケの練習
豪雨の中 来週末に開催されるファミリーコンサート前の練習があった

今日は土曜日ながら、レギュラースケジュールだったので、本番に近い編成、。
多くのエキストラ、先生方も参加してくれた。

とりわけチェロ軍団には、協力な助っ人である、トレーナーの先生、いつもお世話になっている「弦楽器万能戦士」であるお嬢様、
近所のオケから駆けつけた音楽の先生でもあるチェロ弾きさんと役者揃い。

これだけの強力な方々に周囲を固めてもらったおかげで、我々は救われたのだった(と勝手に思ってる)。
すなわち、我がマエストロは、コンサートが近くなるとお定まりのパターンを発揮され、
通常とは異なるテンションで団員を攻め立て始めるのだが、チェロに矛先はほとんど向けられなかったのだ。

そりゃそうでしょう、プロの先生が入るだけでチェロ全体の響きは全く違ったものになる。
下手くそに弾いていても、まるで自分がものすごく上手くなったような、そんな錯覚を起こすくらい
チェロ全体の響きが良くなるのだから。
(ひょっとしたら、上手な方々の響きだけが、生きた音楽として自分に届いているのかも)

一日練習だったこともあり、ゲネプロに近く、全曲練習だったが特に槍玉にあがったのは、バイオリン軍団。
ペールギュント、魔弾の射手、久石譲作品やら映画音楽やら「弦を代表して?」しばかれてた!

さて 明日はというと 強力な助っ人たちが来ない日曜日だなのだ!
となると・・・我が脆弱なチェロチームの運命は・・・ブルルッ!

今から 少なくともさびの部分だけでも 練習あるのみ、なのだ!!
もし徹底的に絞られても「僕は違うもん!」と涼しげな顔をできるためにも。
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断崖絶壁に感じる「第九」4楽章

2010年10月07日 00時19分14秒 | オケの練習
「第九」の4楽章は、全く取り付く島がない「断崖絶壁」に見える。

先日の合同練習では、協働演奏する楽団の皆さんの演奏振りに圧倒され、
仲間の先輩もよく腕が動いていたのも垣間見る一方で、
自分はといえば「演奏する振り」もできないくらい、取り残されてしまった。

その場所は、ピッコロのリードで始まるalla marchの後の、弦楽器で演奏される8分の6のprest。

こここそ 急流に体が持ってゆかれそうに感じる、第九での弦楽器の一番の見せ場だ。
しかし、これが最初の2~3小節以後、完全に落っこちた!
途中参加しようとしても、あまりに速いためタイミングが掴めない。

先日の練習では、指揮者の棒が少し速かったとは思うけど、
それで全く合わせられないのは、なんとも情けない。
少しは弾けると思っていたが それは自己過信そのもの。
少しテンポアップしたくらいで「歯が立たない」とは・・・
「慙愧の念に堪えない」とはこんな感じなのか。
オケに入って悔しい体験をしたのは初めてだ。
(以前は悔しくなるほど実力も無かった)

しばらく、体に応えたので、練習も手につかなかった。

思えば当日、練習終了後「全然だめ、追いつけない」と声をかけたところ(哀れっぽかったかも・・)

すごい腕前のHr氏は
「メトロノームと友達になるしかないですね」
~なるほど、練習しているときは、無自覚に自分が演奏できる速度に落ちているからな、
~メトロノームと友達か・・みんなそうやってこの曲をものにしてきたんだな。
~基本がなってないんだな

チェロの先輩は
「始めから全部はできないから、まずは小節の頭をはずさないこと、
自分で弾ける速度から、だんだん速くするしかないね」
~そうだよな、合奏の場で突然弾けるようになるわけないものな。 
~初めて舞台に立ったとき、難しいところは小節の頭だけ演奏してたのを思い出した
~でも第九でそんな演奏するのでは、申し訳ない気持ちだ

チェロの師匠はかつて・・
「プロは譜面を覚えていくのは前提です」とおっしゃっていたのを思い出した。
~そうだな~、曲は知っていても、自分のパート譜を覚えるまで練習してないものな
~~今のままだと、その場でまだ楽譜と格闘して、運指も行き当たりばったり。
~prestに追いつくわけないよな・・・

そんな思案をしながら2~3日経ったら、ようやく
「悔しさをバネに」「できたときの喜びを力に」の心境に戻ってこれた。

本日から4楽章prestだけに絞って練習を開始することにした。

1)全ての音が出せるように譜面に忠実に、ゆっくりと、繰り返し練習
2)埃をかぶっていた、メトロノームをまずは「顔見知り」になるべく鳴らしながら
3)本来の速度で、絶対に譜面から外れないように必死で譜面を追いかけ
4)目で覚えるのではなく、指が勝手に動くようになるまで反復する

こんな練習をやってみると、12月末がすぐ目の前に迫ってきて
「やっても追いつけないかも」という不安も感じた。

秋のコンサートと年末の第九という「二正面作戦」は、
実力のない自分にとっては「戦略的禁じ手」だけど
突破するには、練習あるのみだ。

追記:問題箇所はPrestoではなく、付点二分音符=84の Allegro assai vivaceでした。
   Prestoといっても、四楽章冒頭のPrestoは付点二分音符=66 
   エンディングのPrestoは二分音符=132となっている。
   よく分からないけど、冒頭よりは速く、最終より遅いということかな?
コメント (2)
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