チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

レッスンが変わってきた

2011年08月28日 00時58分21秒 | レッスン

1)「他の人のレッスンを見る」レッスン

「今度 早めに来て他の人のレッスンを見ると勉強になりますよ」と言われ、
いいのかな~などと思いながら、他のお弟子さんのレッスンを見させてもらった。

はじめはお邪魔だろうな~などと思いながら遠慮がちに見ていたけど、
レッスンは中断されることなく、こちらのことなど無関係にどんどん進んでゆく。

師匠の教えは誰に対しても常に基本が中心なのだと思う。
きっとはじめはボーイングがチェックがされ、スケールの練習へと進んでゆくのだろう。

何も前提を持たずに眺めていると
「自分もああなのかな」
「いや自分より上手だ、それなのに師匠とは全然違う」
「ひょっとしたら自分の方がうまいかも・・」
などと心に浮かんでは消える(後で自分でやってみると全然できない)

ただ見てるだけで、何かがつかめた感じはしない。
「見るレッスンってなんなんだろう・・」しばらく考えていたが
何もわからないし、言葉にできないままだ。

でも不思議と、後から何度でも他の人のレッスン風景が思い起こされる。
その場の映像が、圧倒的にリアリティーをもって反芻されてくるのだ。
「見るレッスン」で得られたことは言葉にこそならないけど、
見ることは様々なことを教えているのだと感じている。

 
2)右手の基礎は必ず行われる

自分のレッスンは、いつものようにG線のダウンボーイングから開始し、
D線やC線を噛ませるコツ、弓の切り返しのコツなどに進んでゆく。

何度やっても、右手の基礎は 卒業などないのだと最近は思う。
弓の毛が弦をはっきり捉え、揺るぎない音を出すことができるためには、
常に脱力であり、ダウンはダウン、アップはアップの構えができて、
弦に対して正しい角度で当たっていなければ、チェロは鳴ってくれない。
「今日こそは・・・」と始めても、必ず癖が出ていて、復習から始まる。

いつも驚かされることだが、先生は音だけで全てわかってしまう。
最初の調弦段階で「良く鳴ってますね」と感想を言われたが、
この一言で、自宅で基礎の発音や音階をやって来たことを察している。
ボーイングの一瞬の音を聞くだけで、力の入り具合は全てお見通し。
力が入りすぎ、弓の角度がずれた、変な持ち代えをやったのもバレバレだ。


3)左手の基礎固めの 本格的レッスンが始まっている。

右手のおさらいのあとは、左手の練習。
このところ2~3回のレッスン後半は、左手の基礎固めが行われているのだと思う。
(いや気づいていなかってけど、かなり前から左へのシフトは始まっていた)

今の段階で一番大事なことは、左手指4本を弦の上に一直線に並べること。
左膝に休ませた左手を、ネックの上に自然に持っていったときに、
1~4の指が線上に、ゆったりと、正しいポジションにくるようにする練習。

そんな基礎の基礎に、こちらが飽きてきたような顔をしたと感じたのだろうか、
師匠は「これ、今日はまだ10回もやってないでしょう」と
今でも先生はこうしたポジションの確認、基礎の基礎を1時間はやるという話や、
若い頃は、左の形が決まってくるまで、3箇月はこればかり訓練していたという
お話をしてくれた。

実は、僕は基礎練習に飽きていたのではなく、左手の世界の難しさに、
戸惑い、立ち往生していたんだけどね・・・

「では、それくらいにして、今度はGdurのスケールを弾いてください」
というので音階練習に入ると、ここからは全くとんでもない状態になった。

なんというか、左手が暴れまわる。
すぐに無理な力を入れたり、こねたりという「悪さ」をしていることが、明らかになる。
特に師匠がチェックするのは親指を自由にすること。
1~4のポジションが動くたびに、親指も連動して動かなければならない。
親指が固定しているのはもってのほかだ。
4年近く、自己流で演奏会に参加してきた無理から、癖、悪さの全てが出てきてしまう。

一回だけ、スケールを、上がって下がるまで弾かせてくれたものの、
次からはこんな風だ・・
「違う、また左手の形が変わった」
と、左のポジションというか、指の形の調整。
「まあまあ・・いいでしょう」
と言われてスケールに戻ると
「だめ、左腕が下がった」
おっとっとと、左側全体を意識していると、今度は
「右手、そんな持ちかたしてはだめ!すぐにそんな持ち方をする!」
これまでしつこくやってきたのに、右手を完全に忘れてしまっている。

まるで初めてゴルフ練習場に連れていかれた時のよう。
何をどうしていいやら、バラバラな感じで、とてもこのまま進めそうもない。

結局、弓を置いてもう一回左手の指4本をG線上に並べる練習に戻ってもらった。
ピッチカートというより、左指の動きだけでG線をポジション通りに鳴らす練習。
つまりト長調のドレミだけの繰り返しなんだけど・・・
「なんでそんな急ぐの、そんなに早くやっても意味ないでしょ」などと叱られながら
それでも、なかなか思うように行かない現実に、暗澹たる思いになる。

 師匠はいつになく今日は厳しかったけど、
「形が決まれば音程は安定してきますから」
「最初に比べれば大分良くなってきているんですよ」
「音もずいぶん出せるようになっているし」

などと励ましまでいただき、まことにありがたいことに、
こんなレベルの自分にとことん付き合ってくださる。

最近お弟子さんも増えてしまい、休む間もないレッスンの連続だ。
大変お疲れだと思うけど、そんな素振りも見せない姿勢に頭が下がる。
そんな師匠にお応えするためにも、次のレッスンまで「左手の基礎」だ。

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アンサンブル練習の一日

2011年08月21日 00時04分59秒 | 市原フィル

「室内楽大会でクラリネット五重奏やりませんか」と団員の大先輩から誘っていただいた。

市原フィルでは定期演奏会の合間に「室内楽大会」が行われている。
昨年は弦楽アンサンブルと、チェロアンサンブルに初参加できて楽しかった。
クァルテットとかクインテットといった小編成になると、自分の演奏がむき出しになる。
ほんの少し躊躇したけど「アンサンブルのチャンスは絶対逃してはいけない」と
かつて教えられたことを思い出し、喜んでお受けすることにした。

演奏曲目はモーツアルトのクラリネット五重奏の第2楽章。
Larghettoで、静かで美しい曲。譜面上は難しい感じはしなかった。
きれいにアンサンブルを創り上げるのはじつは容易ではないことは察せられた。
少しずつ練習してみるものの、実際に5人で合わせてみないと実感が持てない。

編成に加えてもらう約束をしたのは6月の定期演奏会の前だから、3ヶ月経った。
10月始めに行われる「室内楽大会」に期日はじわじわと迫ってくる。
そこで大先輩に「少し練習できませんか」と頼んだところ
僕の心配を察してくれて「二人で秘密練習しましょうか」ということになった。
まずは僕だけ先に合わせの感覚をつかませてくれる嬉しい配慮だ。

クラリネットとチェロだけでの秘密特訓が行われたのは、先輩の自宅。
雑談とお茶の時間が半分以上だったけど、つまりながら何回か合わせることができた。

特訓で発覚したことが少なくとも3つあった。

1)2楽章の最終小節のズレ。
ここはビオラから引き継いでチェロだけが速い動きをして終結に繋げるのだけど、
(ある意味ここだけがチェロ一番の見せ場となっている)、そのテンポが遅かった。
自分勝手に弾いていると、分からないのだけど、合わせるとすぐ発覚した。
一人でいい気になっていると、テンポを崩し、アンサンブルを破壊してしまう。

2)静かで、きれいな低音がなかなか出せない。
チェロはC線、G線など低弦でのロングトーンで、全体の下支えをする部分が多いけど、
この音色を明確に、かつ美しく出すことは大変難しい。
特にC線はただ音を出すだけならいいけど、美しく響いて調和する音質で、
かつテンポを乱さずに明確に発音することは大変難しいと思う。
かすれてもダメ、後でふくらむのもダメ、力任せででかい音出すのもダメ。
思えば師匠に教わっているボーイングの基本を守って演奏しないと音楽にならない

3)端々に正確でない音程が出てしまう。
これが最難関だ。
普段大丈夫だと思っているⅠポジションや、Ⅳポジションの音程も「むき出し」になると、
半音の半分近くズレていたりして、ダメダメの音程が露出してしまった。
かちっとした音程の練習が必要だ。
今からでは間に合わないかもしれない恐怖を感じる。

秘密特訓では問題が続出したけど、大先輩は終止笑顔で繰り返し演奏に付き合ってくれ、
問題箇所はやんわりと指摘してもらった。
でも全員が揃った段階ではそうは行かなくなるだろうという。
バイオリンやビオラの皆さんはエキストラでこられている実力者なのだから、
ビシバシ指摘をしてもらい、胸を借りるつもりで、思いっきりやってみようと思う。

午前の秘密特訓のあとは、青少年会館音楽室でのチェロアンサンブルの練習に向かった。
今年もチェロアンサンブルは「室内楽大会」に参加を決めている。
チェロ団員は10人のうち6人が集合して、バッハのメサイア?と、ゴルターマンのReligiosoを練習した。

どちらの曲も美しく、素晴らしいアンサンブルの曲だ。
4パートのアンサンブルなので、パートを固定せず譜面を時計回りに回して、
全員が初見で別パートを演奏して楽しんだ。
ニールセンのように難しい交響曲に取り組んだあとだったので、チェロアンサンブルは
本当に心地よく演奏できた。
リベルタンゴなど、もう少し元気でポピュラーな曲も演目に加えることにして解散した。

夜からは、弦楽アンサンブルの予定だったけど、ここまででエネルギー使い果たして
帰宅することにした。
次回からは、もう少し個人練習して、アンサンブル3連荘でもこなせるようにしたいと思う。



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湖畔荘でのバーベキュー&ミニコンサートの一日

2011年08月14日 00時51分57秒 | 市原フィル

遊び好きの市原フィル有志が集まり、団員自宅の「湖畔荘」を占領してバーベキュー会を開いた。

かなり前から、メーリングリストで、自主的かつ積極的な調整が行われていた。
買出しは誰か、飲み物は足りるか、電車組は誰で、車組は誰かなど
どんどん決まってゆき いよいよ当日を迎えた。

電車組のメンバーは「ぶらり途中下車の旅~市原編~」と称して小湊鉄道でやってきた。
湖畔の駅からの送迎の用意はあるのだが、せっかくのリゾート気分を味わいたいということで、
駅から2キロ半、湖を半周する道を歩いてやってくる人が多かった。

「湖畔荘」は、千葉県の尾根のようなところにある人工の湖に面したログハウス。
庭の一角には街路樹に使われることもある メタセコイアの高木がそびえている。
周囲に住まう人は誰もいない。正にここは別荘そのものだ。
こんなロケーションに家を構えられる人は「幸いなり!」



家の前面には湖が広がり、湖に向かって広大なウッドデッキがしつらえてある。
階段状になっているデッキは、まるでステージだ。

「できるだけ楽器をもってきてね」とコンミスから指示があったのもうなずける。

少し酔いが回ったころ 「ミュージックスタート!」の掛け声とともにコンサートが始まった。
まずはバイオリンのデュオからスタート!



無論、コンサートといっても老若男女思い思いのことを勝手にやりながら。
興に乗って演歌を演奏するVnに合わせて、全員で合唱が始まったりする。
即興で飛び出す曲で多かったのは、TVの主題歌だったろうか。

今日のために、コンミスは様々な楽譜を用意してくれたようだけど、
僕に与えてくれたのはラッキーにも「ムーンライト・セレナーデ」だった。
あのグレンミラーオーケストラが大ヒットさせたバラードだ。

ダブルベースを抱えていた大学時代を思い出し、
弓も持たずに、二本指で4ビートを刻んでいると、
小ぶりなチェロでも大変気持ちよく乗れた。
ん~クラシック向きじゃないのかも・・・

そうこうしているうちに 次第に日が暮れてゆき・・・
舞台には次々と演奏者が乗って、大演奏会になっていった。

中には酔いつぶれている人も出てきたけど・・・
それもまた自由な気風の市原流で 誰からもお咎めなしだ。

やがて、とっぷりと日が暮れて、花火に火が付けられてた。

子どもたちの大人気は、打上げ花火よりも
手元ですごい勢いでくるくる回るカッコいいやつだ。

さてさて、あっという間の、真夏の一日だったけど、
市原フィルは「お遊び隊」の企画もすばらしいな~と感じた。
春にはお花見会も行われたらしい。

下戸なので、何かというと消極的になる自分だけど、
呑めようが呑めまいが、何の気兼ねもなく過ごせる集まりだった。

占領されたT家の皆さん、子どもたち、とりわけ団員ではない旦那さん
大勢で押しかけたのに、陰で支えてくれて、本当にありがとうございました。

来年もぜひぜひ、こんな楽しい会を開かせてください!

 

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追っかけ教授は、今もまた欧州で・・・

2011年08月13日 01時54分49秒 | その他雑感

小中高と同窓生で、ブラバン仲間だった某大学教授がいる。
中学ではトロンボーンだったが、その後フルート、中年になってバイオリンもこなしている。

彼はノーベル賞に手が届きそうなところまで物理学を極めてきているけど・・・
一方でロシアのソプラノ歌手アンナ・ネトレプコの「追っかけ」でもある。
彼が自慢げに話すのは、学術世界よりも 彼女の話ばかりだ。

嬉しそうに見せられるのは、ネトレプコとの楽屋でのツーショットや、
マネージャーら少人数でレストランで食事をしている姿など
本当に親密でなければありえないような写真ばかり。
場所だって、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本とさまざまなのだ。

僕はといえば、自慢じゃないが、ガイジンが近づくだけで逃げ出しそうなくらいなのに
彼ときたら 今をときめく、超美人のソプラノ歌手一家とこんなに親しくしている。
世界中探しても、彼ほどネトレプコと親しいのは旦那と家族を除けば、彼一人なのだと思う。
それが不思議でならない。

彼はそんなにハンサムでもなければ、音楽的に優れているというほどでもない。
無論大学教授の給与、資産はタカが知れている。
そんな彼が 家族にあきれられながらも、追っかけを続けて、
結局これ以上親しい人はいないというまで行き着いている。
彼は国際人を通り越して、なにやら別世界に住む人みたいだ。

でもまーそんな彼も 僕と同じ歳だし、海外から戻って大学教授をやっているわけだし、
そろそろ くたびれて 息切れしているかもしれないな~・・・などと思って、
mediti.TVが特集してるネトレプコの映像のURLを送ってやった。

http://www.medici.tv/#!/2003-st-petersburg-gala

そしたら、返信メールが戻ってきた

すると・・・ななんと・・・・
彼は現在ザルツブルグにいるという。えっザルツブルグ?
別に国際物理学会があるからではなく、
某音楽大学のフルートコースでレッスンを受けているというのだ。

しかも、その合間にネトレプコのステージもしっかり見にいっているではないか。

これから1週間は、ドイツ旅行をしながらザルツブルク音楽祭を堪能する予定だけど、
フルート教室の合間に教授に断って、声楽家志望者のコンサートを見にゆき、
そこで第二のネトレプコ間違いない女性を見つけた、などと書いてよこしている。

ん~、今度はその娘の「追っかけ」か~、おいおい・・・

同じような学生時代を歩んだのに、なんでこんなにも違った人生なんだろう。
やはり早い段階から勤めていた会社から留学生として選ばれ、
その後海外ビッグビジネスに身を転じ、さらに国際学会で鍛えられることで、
国内人→国際人へと一大変身を遂げたのだろうか・・・
それとも、彼のアグレッシブさはガキのころから図抜けていたけど、それが開花しただけなのか・・・

それに引き換え自分はドメスティックの代表みたいなものだ。
会社だけは今すこし変化しつつあるけど、自分は国内でしか通用しない世界にいる。
海外の人との交流はゼロだし、仕事以外ではあまり外部の人とも交わらないという、超ドメ人間だ。

大学教授って、いいな~なんて思ってみても、大学教授になったからといっても全員が
国際人になれるわけでもなく、中でも寸暇を惜しんで音楽に打ち込むだけの情熱を持てる人は稀だ。
いまさら自分の人生をやり直せるわけでもないし、
他人と比べて悲嘆にくれるほどナイーブでも、柔い(やわい)年齢でもなくなってはいる。

でも、いまどきの国際人が知っている世界を少しは見てみたかったなーなどと思わなくもない。
ちょっとだけ癪なので、僕としては今年も生中継される、バイロイト音楽祭の「ローエングリン」でも見て、
擬似国際感覚でも味わってみるかな~。

ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん

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BSの名曲探偵団アマデウスが面白い

2011年08月08日 23時59分02秒 | その他雑感

NHKのBSプレミアムで、8月8日から、名曲探偵団アマデウスが
「オーケストラの全て」を特集している。


http://www.nhk.or.jp/amadeus/

 

8日の第一回は「指揮者」だった。

誰もが知っているベートーベンの交響曲第5番を取り上げ、
素人の指揮者が「なんでみんなうまく演奏してくれないのか」と
相談を持ちかけるシーンからはじまる。

その後いろいろな人たちが指揮台に立って指揮にチャレンジしてゆくが
それに合わせてゆくのが東京フィルハーモニー交響楽団。
先日市原フィルでシベリウスのバイオリンコンチェルトを演奏してお客さんを
魅了してくれた宮川 正雪さんも大写しで登場した。ご苦労さんです。

指揮について裏話をしてくれるのが名古屋フィルハーモニー交響楽団の
正指揮者円光寺雅彦氏。
驚いたことに、殆どの指揮者が頚椎を患っているという。
特に「運命」では1拍の連続で、指揮者にとっては過酷な運動なのだそうだ。

今後の予定は下記の通り

◆8月9日(火)午後6時00分

 第2回  追跡!オケラ座の怪人

◆8月10日(水) 午後6時00分

 第3回 背中で語るソリスト魂

◆8月11日(木)放送 午後6時00分 

 第4回 巨大化するオケ その天国と地獄

 

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徳永英明コンサートにお供

2011年08月06日 22時42分46秒 | コンサート

徳永英明といえば、一聴で徳永英明と分かる独特のハスキーボイスで、
最近は女性歌手のカバーソングをリリカルに歌って、ヒットさせている。
不思議と耳に残る歌声は、とりわけおば様方の心をとりこにしているのではないだろうか。
そんな一人が我が家にもいて、付き添いをして欲しいと頼まれたのでコンサートに向かった。

全国ツアーの前半のクライマックスとして選ばれたのは、東京国際フォーラム大ホールだった。
この会場の便利なところは、外房線から京葉線直通で東京駅に到着し、改札を出て
昇ったところが大ホール(Aホール)の入り口であることだ。

地上に出てみて驚いたのは、国際フォーラムの中庭というか、人工的に造られた谷間みたいな空間に
多くの人がとぐろを巻くように長々と列を作っていて、どこで終わっているのが見えなかったことだ。
直感的に「これは徳永英明コンサートの行列だ」と感じた。

係員が出て整理している様子から、これはとても10分~15分でさばける人数ではないと諦めて
先週開店したばかりのフランスレストランで、何か飲みながら待つことにした。
店内から見て驚いたのは、行列は有楽町のビックカメラの方まで延々と伸びていた。

それにしても、全席指定券のはずなのに、こんなに行列を作っているのはなぜだろう、不思議だ。
店員にきくと「1時間以上前から行列が出来ていました。確かに徳永英明の行列です」とのこと。
予想通りほとんどが中年の女性。徳永英明が49歳ということなので、その前後の年齢の
熱狂的なファンにとっては、コンサートを待つための行列も楽しいイベントも一部なのかもしれない。

待つこと30分。開幕時間の午後5時を15分ほど回ると、ようやく人がはけてきたので会場に向かった。

5000人の会場に空席は見当たらなかった。
徳永本人の説明では、チケット発売即日完売という状況が続いているらしい。

会場の照明を極端に落とした中から最初に聞こえてきたのは
「心の真ん中が痛い・・・」で始まる「抱きしめてあげる」の一節だった。
「あ~徳永英明だ!」と誰もが分かる歌声で一気に彼の世界に引き込まれてゆく。

オリジナル曲とVocarist曲が交互に歌い上げられてゆく。Vocarist曲は日本の流行り歌で
長く歌い続けてほしいと徳永が選曲した歌で、選ばれた歌手たちは大変名誉に感じるという。

ステージの中盤で歌われた「壊れかけたRadio」で会場はしっとりとした盛り上がりを見せ、
23年前に作曲されという「レイニーブルー」でコンサートは締めくくられた。

武道館や野球ドームなどで行われるコンサートに行ったことはあるけど、この会場は5000人に絞れられているためか
スピーカーから出される歌声であっても、競技場等に比べて生を感じさせる響きを楽しむことができた。

途中で徳永オリジナルソングのメドレーになると、会場のファンたちは立ち上がって
身振りや手拍手で徳永を声援していたのには、ちょっと違和感があった。
だって殆どの曲はバラードだから、あまり盛り上がる感じではないんだけどね。

改めて2時間のコンサートを振り返ると、ベストアルバムの殆どをカバーしてくれたと気づく。
徳永英明の声は森伸一に似ている(これは御本人がステージでもそう語っていた)、
一方で驚くほどの高音域でも声量豊かに歌っていたが、そのときの音色はかつて聞いた、
レッドツェッペリンなどロックバンドのシャウトのような鋭さが混じっていると感じた。

柔らかさを基調に、心を貫くような高音で縁取られ、ゆったりと歌われる徳永の歌は、
どの曲もそれと分かる個性に色付けされていて、心地よい緊張を含んだ素晴らしいものだった。
全国で何十万人も集めるだけの実力と魅力を持った一流歌手の証ではないだろうか。

外房特急を待つ間、線路下の飲み屋さんで、飲めないビールで乾杯だけして、
ウーロン茶を飲みながら、コンサートの余韻を味わった。

有楽町から東京駅まで続く線路下には、居酒屋や韓国料理店が軒を連ねている。
かつて何年もこの道を通ったけど、呑めない僕はただの一度も店に入ったことはなかった。

ここもコンサートから流れてきたと思しきおば様方で溢れていた。

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何をやっても集中できない・・・

2011年08月02日 14時46分20秒 | チェロ

3日間の出張が終わった。
日常生活とは別世界のような時間の流れから戻り一日の休暇をとっている。

久しぶりにチェロケースを開け、弦を改めてふき取り、弓を取り出しロジンを乗せ
レッスンでやっている開放弦を響かせることから始める。
G線、D線、A線 C線と全身の脱力をチェックしながら、一通り鳴らしてから
Ddurのスケールなぞやってみる。

やってはみるけど 気持ちが入らない・・・


You tubeで見た新倉瞳 愛の挨拶が素敵だったので、ちょっと真似してみる。
嬉しいことに出だしだけはA線の開放弦が使われていて、さわりは弾ける。
http://www.youtube.com/watch?v=79PoiLxSYtg
やってみても新倉瞳 さんのような音が出るはずもない。

少しがっかりする。

次の定期演奏会で演奏する、ブルックナーの交響曲第4番。
二楽章の出だしはチェロの主旋律で始まる。
チェロの見せ場、深く沈んだ響きがいい。
ここの部分だけ繰り返しやってみる。
気分は少しよくなるけど、A線のCからオクターブ上のCに飛ぶところがいいかげんになる。

少し憂鬱になる。

最近チェロブログをあまりチェックしてないな~と思って、
20人くらい「お気に入り」に入っているチェロ関係のブログを読み始める。
全国の様々なキャリアのチェロ弾きさんが、いろんなことを書いている。
みんな頑張ってる。
紹介されている気に入ったTubeなどダウンロードしたりしていると
すぐに1時間くらいたってしまう。

なにやってんだオレ、練習もしないで・・とまた少しへこむ

もう一回チェロを手にして、練習曲でもやろうか・・
先日届いた「鈴木チェロ指導曲集Vol3」を初めて開いて
アレグロモデラートや金婚式など弾いてみる。
弾けなくはないけど、ちゃんと演奏するとなると簡単ではない。

全然楽しくない。

だんだん何やってるかわらなくなる
本当はチェロ好きじゃないんじゃないのなんて思いが兆し・・・

あてどもない気分になる。


そうこうするうちに、喉が渇いていることに気づいて冷蔵庫に向かう。
家人はリビングソファーで大分前からお昼寝のまっさい中。
静かにアイスコーヒーなどコップに入れて、自分の部屋に戻る。
ここで一服おいおいまた一服?何やってんだ・・・

すこし くさる。


そう、何からどう手をつけても、始まらないときは始まらない。
学生のころは、ギターを抱えると、何時間でもギターに没頭できた。
ホルンを抱えていたころは、唇が使えなくなるほど練習できた。

なんでかな~・・・

最近集中できる時間が極端に短くなってしまった気がする。
練習に集中し、フト気づいて気晴らしに一服となるところが
気晴らしの連続の中に、一瞬の練習が挟み込まれている感じだ。

なかなか起動スイッチが入らないということだろうか・・・・

こんなときは、片付けて、買い物にでも出かけようっと。

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