チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

秋の信州 松茸尽くしの旅

2012年10月27日 19時41分13秒 | その他雑感

「温泉でも行ってのんびりしようか」と出かけた。

まず到着したのは、一度は来てみたかった草津温泉。
温泉近くの道路を通ると、どからか音楽が鳴り出し車が音で包み込まれた。
「草津良いとこ一度はおいで~」と演奏しているようだ。
気が付くと、道路に刻まれた溝とタイヤが音楽を奏でていた。
時速50キロくらいで丁度いい演奏になった。

到着してから「草津」というの名前の由来は、おそらく「臭つ」なんだと直感。
湯畑に近づくと濃厚な硫黄の匂が襲ってくる。離れた旅館でも一晩中温泉の匂いが漂う。
最近はどの旅館も、豪華なバイキングがセットされている。草津の夜は腹いっぱいだった。


翌日は今回の旅のハイライトになった。「松茸山」の「松茸小屋」に行ってきた。

長野県在住の知人から聞いた「松茸小屋」という名前が強く印象に残っていたので、
草津の夜、ネットで「松茸小屋」とか「松茸山荘」を探して予約を入れておいた。

群馬から長野に抜ける山道は、いたるところに美しく紅葉していた。
東北と違い「黄葉」といった方が近いと思う。

さて上田市に入って「六文銭」の旗印で有名な「真田城」を見たあと
「椎茸小屋」に到着(「展望台」というのが店の名前らしい)。
松林の中に、この時期だけの仮設にも見えるお店があった。
コースのお値段は最低で5,000円からという価格から
想像していた建物の姿との違いに少々とまどった。
「山荘」とか「山小屋」を期待していたのに、ビニールハウスじゃないの!
その全景がこれ。

ぬかるんだアプローチを歩いて店に近づくだけで、椎茸料理のいい香りがただよってくる。
長野県らしく、前日には熊の足あとを見つけたと、おばさんが言っていた。

まるで農家のビニールハウスみたいな座敷で待っていると
まずやってきたのは<椎茸鍋>

大きな椎茸2本分のスライスが全体を覆っている「すき焼きなベ」だった。


鍋に火をいれて待っている間にきたのが<天ぷら>

<酢の物>


<土瓶蒸し>

<椎茸ご飯>と<椎茸味噌汁>

もうお腹一杯になりそうなときに、銀紙に包まれた大きな金網が持ってこられたのが
<松茸の一本焼き>

「あまり強火で焼かないでも、大丈夫です。出し汁が入ってますからそのままどうぞ」
どうやら、銀紙の隙間から湯気が立ち上がり始めれば、出来上がりということらしい。
この一本焼きをメニューに加えるには、予約段階でなかなか勇気が必要だった。
果たして・・・・

<出来上がった一本焼き>

開けて見て、思わず「お~!」と声を上げてしまうほど、大きな松茸が入っていた。
いいにおいが立ち上ってきた。
「細くて長いのと、太くて短いのどっちがいい?」なんてビミョーなこと言いながら、
食してみるとどちらも旨い!
予約のとき「丸ごと一本」を加える決断をして良かった!。

食べ切れなかった<松茸ご飯>でおにぎりを作ったあと、
全身に松茸の匂いをしみこませたまま蓼科に。


蓼科のホテルでの一番の収穫は「黄香」という、信州でしか食べられない、
黄色くて皮まで食べられる大粒の葡萄をたらふく食べられたこと。
谷川を取り囲むように、88年前に建てられた「滝の湯」は紅葉も実に見事だった。

こうして「のんびり温泉でも」と出かけた秋の旅は、腹いっぱいでクタクタの旅で終了した。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もしかして、「ボーイング記念日」来てるかも

2012年10月22日 20時04分54秒 | チェロ

早めに帰宅したので(仕事持ち帰ってるけど)
昨日つかんだ感覚を試したくてチェロを引っ張り出した。

開放弦でダウンからアップへ、アップからダウンへ。
「これって、いい感じじゃない?!?!」

昨日苦しかった、A線のアップボーイング。
「ぶれない、弾まない、苦しくない!」
もしかして01.mmの違いが現れてきたのかもしれない。

音階もやってみる。
師匠が教えてくれているように、、
”キャッチボールでボールを投げるように”
を真似して指を指板に落としながら。

「お、おー!いけてる感じ」

あの無理やりアップをコジ上げている感じもない。
弓をつまんでるだけだから、手首もゆらゆら。
「楽チン楽チン」

いつも師匠が口にしていたっけ。
「簡単なんです」「何もしないでいいんです」
というのは、もしかしたらこの感覚なのかもしれない。

でもここらで、やめとこ。
ぬか喜びになるといけないからね。
もう少し仕事に余裕ができたら、レッスンお願いしよっと。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今度こそ、ボーイングものにするぞ!

2012年10月21日 22時12分02秒 | レッスン

オケの定期演奏会などで、お休みしていたレッスンに久しぶりに向かった。
友人からダメ出しされたボーイングを直すヒントをぜひともつかみたいと思いながら。

師匠は 早速チェロを調整してくれたあと、いつもの通りダウンからレッスン開始。
ダウンを何度も繰り返す間は一言もおっしゃらず
「A線からアップで」珍しくA線でのアップを指示された。

A線のアップは体から一番遠くまで腕を伸ばさなければならないので苦しい。
肩の力を抜いて、力まずに・・・と思ってもあっちの方から、こっちの方にボーイングすると、
どうしても力が入ってしまい、弾き始めに弓の先端が弦に当たるときに、
弦の上でバウンドしたり、接点が決まらなかったりで納得ゆくボーイングにならない。
音も安定せず、芯まで届いておらず「何回やってもだめか・・・」という思いも兆してくる。

見かねたのか、師匠にしては珍しく、ボーイング練習の意味を言葉で説いてきかせてくれた。
「ボーイング練習は、いかに大きな音を出せるかを練習しているんです」
「チェロの芯まで届く音でないと演奏には使えないから大事な練習なんです」と、
ボーイングの引き始めに2~3度試し弾きしていることの意味も具体的に示してくれた。
それを示すため、アウフタクトがアップボーイングで始まる曲や
途中でダウンからアップになってもクレッションドし続ける曲など弾いて見せてくれた。

師匠の方針は理解しているつもりだし、何度も教えられてきた。
でもうまく行かない。だからこそ、今日こそは掴み取ろうと、
師匠の指など上から、下から、横から点検しまくり、
弓を持つ強度などを、実際に指を引っ張ったりして何度も確認させてもらった。

やはり師匠の手も指も柔らかい。
その力は、かろうじて弓が落ちない程度しか入っていない。
それなのに、自分の楽器とは思えない程の音が響き渡らせている。


しばらくして、ボーイング練習は切り上げて、左手のレッスンに移ろうとされた。
でも今回は逆らって、ここを逃してなるものかと、ボーイングの基本練習に戻してもらった。

自分でやってみると、アップになるとどうしても右手が落ち着かない。
特にアップからダウン、ダウンからアップへの移行前後になると
弓を掴んでいる右手親指と中指の間で弓がずれてきて、弓を持ち直すことにる。

「なんでこうなるんでしょう」
「やはりどこかに力が入っているからです」
「アップでも力は要らないんですね」
「弦に乗せてるだけです」

ほんのちょっと弓をつまむ感じで弦に弓を乗せてアップしてみると
「そうです、それでいいんです」
「えっ!」
「鏡を見てください。きれいな形になってるでしょう。」
確かに、今までになく繊細な姿の右手が写っている。

「これでいいのか!本当に、こんなんでいいんだ」
「今までは、弓がずれないように力を入れ過ぎていたんだ!」
師匠は呆れ顔で、「百年前から言っているでしょ!」と言いたげだった。


その後も左手レッスンを続けられようとしたけど、
右手の0.1ミリ程の違いが、巨大な一歩だと直感していたので
「もう今日はここでいいです。あんまり沢山教えてもらっても、忘れちゃうから」
と切り上げをお願いした。
最近はとても一度に覚えられなくなっている。
というか一度に一つ気付けば儲けもんだ。

ボーイングのことは心に置いておき、迫っているアンコンの曲、
ブラームスのクラリネット五重奏3楽章の楽譜を引っ張り出して教えてもらった。
師匠は全部演奏して見せてくれ、演奏が難しいところはポジションの取り方も
書き込んでくれた。こうしたサービスには本当に感謝したい。ありがたかった。

でもでも、運指は演奏方法はやっぱり当面対策にすぎない。
本当のチェロの音が出せるためには、ボーイングが8割なんだから。
右手に残った、ボーイングの感覚を大事に、
長年困っていた「踊る弓」からの解放に向けて・・・ものにしたい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感動と激痛と落胆で定演の幕を閉じた

2012年10月08日 20時38分32秒 | 市原フィル

あっという間に半年間苦労してきたドンファンもブラ1も過ぎ去った。
昨日の事なのに、はるか遠い思い出のように感じるのが不思議だ。
ステージリハーサルの録音を聞きいていると、なかなかいい演奏ができたと感じる。
小学校の同級生が撮ってくれたスナップを見ながら一日を振り返っておこう。

●感動

やや緊張して入場していった。
楽屋では「本番の方がうまく行くなんてあり得ないんだから」などと話しあってたけど、
「リハーサル良かったんだから、本番も何とかなるさ」と自分に言いながら。

コンミスと常任指揮者の小出さんが握手して、一曲目のマイスタージンガーが始まった。
これは無事終了し、嵐のようなドンファンに突き進んでいった。

これが本番パワーというものか、ドンファンでオケ全体のテンションは最高度に達していたと思う。
自分でも本番の力なのか、ポイントとなる部分は外さずに弾き切ることができた。
休憩時間では「良かったよねドンファン」「今までで一番良かったよね」などど語り合った。

後半、コンミスが交代してチューニングが始まった。
いよいよメインのブラームス1番だ。

ところが、ドンファンで力を使い果たしたのか、集中力が落ちてしまったのか・・・
あちこちで落ち、飛び出しをしてしまった。

でもでも、やはりブラームスは偉大だ!
1楽章が終わると、かなりの拍手が沸き起こった。
2楽章でも、コンミスの美しいソロで終了した途端、またまた拍手が起こった。
今回会場から沸いた拍手は、心からのものだと直感した。
僕たちの演奏が届いているんだ。小出さんも嬉しそうだった。

そして4楽章。演奏していても躍動感、高揚感にノリノリになってゆく。
友人からもいくつかコメントがあった

「ブラームスの交響曲第一番 良かったー!!! 
 主題の旋律に逢えた感激、ゾクゾクしま 
 したよ!!! ブラームスはお好き  でした。」
今日は素晴らしい演奏会でした。ありがとうございした!
 特にブラ1の第四楽章は弦の重厚感があり、とても良かったです。
 私もうずうずしてきました。」

アンケートを読むことができなかったが、きっと多くの方がブラームスを
賞賛してくれていたのだと思う。
(アンコールの「エジプト行進曲」のときは割れるような拍手だったので
 こちらの方が受けたかもしれないけど・・・)

終了後の拍手の中で、今回初めてチェロも立ち上がって賞賛を受けた。
(実は全パートが立ったんだけど、弦は一くくりが普通なのでちょっと照れた)

●激痛
ドンファンが終わったあと、腰と背中が固まってしまった感じが強くなり
アンコールなどで立ち上がるたびに、激痛が走り出した。
実はゲネプロからすわり続けてきた折りたたみ椅子で、お尻が耐え難いほど痛くなっていた。
だから座面がお尻の骨に当たらない座り方をしていると、
チェロの構え方が”ビオラダガンバ”風になり
普通以上に背中も丸くなってしまっていたのだと思う。

演奏終了し、舞台からチェロを持って降りるときには、腰が全然伸びなくなり、
チェロケースを抱えて楽屋裏に出たときは、80歳のお爺さん状態。
演奏会が終わってこんなひどい状態になったのは初めてだった。
感動の演奏会から帰宅するのは寂しかったけど、車でたどり着くのが精一杯だった。
そのままリビングで寝込んでしまった。

●落胆
この苦痛には複線があった。チェロ演奏の基本が問われている・・・

今回の定演に向けた練習中、指揮者から
「手首が硬いね~」と指摘された。これが何を意味しているかわかった。

今回の演奏会には、二人のチェロ弾きさんも聞きに来てくれた。

一人はロビコンでの演奏を見て
「ボーイングを根本的に直さないとだめだね。それとビブラートの基本を勉強した方がいい」
アドバイスをくれた。
(ついでに「前の人はいい音出てるはずだけど、向こうの人は云々・・」と瞬時に把握。
 長年チェロやっている人は恐ろしいね~)

もう一人は客席から演奏を見て
「君のボーイングに違和感を感じた。指先で弾いている・・・」みたいなコメントをくれた。

いずれもごもっともな指摘で、長年師匠と取り組んできたボーイングの修正が出来ず、
一目で分かるくらいに おかしなことになっているのは、間違いないのだ。
友人たちの指摘は全く正しいだけに、実にやっかいな問題だ。

無理な演奏、力んだ演奏、基本とずれた弾き方が、体のあちこちに無理を強いて、
その挙句腰の痛み、背中の硬直に繋がっていると感じるので、何とかしなければならない。

この問題を、歳のせいにはできないのははっきりしている。
66歳、70歳の人も実に元気に演奏しきっているんだからね。

道は遠いけど、再びあの感動を味わい、さわやかな疲れとともに、
楽しい打上げに突入、そして新たなチャレンジという好循環に転換してゆきたい。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゲネプロいい感じ、本番で感動したい!

2012年10月06日 21時50分39秒 | 市原フィル

ゲネプロが市原市民会館ステージで行われた。



マイスタージンガーは良くまとまっていたと思う。
課題のドンファンは、どのパートにとっても難しい曲なのだと感じた。それでまあまあというところ。

そしてメインのブラームス交響曲第1番は、これはちょっと感動ものだった。
特に第4楽章はベートーベンの第九と並んで「歓喜」の楽章だけに
アマチュアとはいえ、オケのど真ん中で一緒に演奏していると
ものすごいエネルギーを感じて、感動のうねりに持って行かれそうになる。
このエネルギーを果たして客席の皆さんにも感じてもらえだろうか。

ブラームスの素晴らしさを味わってもらうためにも、
ドンファンであきれて帰ってしまうことがないよう、
今からもう一練習しよっと。

明日は9時からステージリハなので、夜更かしはできないけどね。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする