チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

モーツアルトの基本を教えてもらった

2014年08月31日 00時42分59秒 | 市原フィル

秋の定期演奏会まで2か月を切り、ポスターやチケットが配布された。
本日の夜練習では、モーツアルト「ハフナー」に絞ってリハが行われた。
これまで代振りの指揮者が多かったが、今後は中島章博さんの出番が多くなるはずだ。

秋の定演指揮者・中島さんはドイツ音楽派といえるほど”ドイツ音楽の人”らしい。
今までブラームス2番やベートーベン「コリオラン」で「ドイツ音楽とは~」と
豊かすぎる程の薀蓄(うんちく)を聞かされてきたおかげもあってか、
今晩のモーツアルトリハでは、中島さんの言葉がどんどん耳に入ってきた。
(もっとも主席が欠席でやむなく指揮者の真ん前で弾いていたこもあるかもしれないが)

中島さんのドイツ音楽への傾倒と造詣の深さには驚かされるほどで、毎回学ぶことが多い。
しかし、次までに忘れてしまうことも多いということは、きちんと理解できていないのだろう。

ということで、今日のモーツアルト練習で指摘され、耳に残った事だけでもメモしておこうと思う。

1)「軽く」とはどういうこと
「もっと軽く」と何回も指摘されたが、軽くしたつもりが今度は「弱く」なったと指摘された。
「軽く」は「弱く」ではないのだ。何回も歌って指示を出してくれるが、よくわからない。
どうやら「抜く」感じらしい。「抜く」の反対は「押す」かな。
ここらあたり、ブラームスとは正反対。ブラームスだと弦に重みを掛けて決して抜いてはならない。
しかしモーツアルトでは、フレーズの最後はほとんど例外なく、軽く、抜く感じで演奏する

2)「軽く」の裏ワザは?
欧州在住のプロの方々と最近モーツアルトを演奏したとき、中島さんはなぜ軽く演奏できるか
秘密を聞いてみたとのこと。
そしたらビオラ奏者は、モーツアルトの場合はバイオリンの弓を使っていたとのこと。
いつもできることではないが、ビオラの弓では重過ぎるらし。
この応用で「少し弓を短く持つことはできませんかとも。
いずれにせよモーツアルトは軽いことが大事なのだ

3)Sf(スフォルツァ―ト)はエスプレッシーボのこと
今回さらに、しつこく指示があったが、sfは決して”スフォルツァンド”みたいにアクセントを
付けるのではなく、表情豊かに歌いつうことと心得ること。
これはモーツアルトでは、ほぼ完全に例外はないようだ

4)sfpの具体的表現について
つい全体がfに偏りがちだけど、全体はあくまでpを維持して<頭だけf+デクレッションド>
記号だと思ったほうがよいらしい

5)長音のあとの四分音符は例外なく「軽く」
これもモーツアルトにおいては全く例外なしに(何も指示記号がない場合)
軽く抜く感じで演奏する。抜くというのでいいんだろうな~。

6)4楽章でモーツアルトは遊んでいる。
ユニゾンの強い音で入る1楽章と比べ、4楽章はpかほとんどppで入る。
でもイージーリスニング的な音楽なのに、モーツアルトは強弱を極端につけたり
さまざまな「いたずら」とも思える遊びを入れている。だから演奏する我々ももっと
笑顔で、いたずらっぽくしないとだめみたい。

7)再現部は初めの演奏と同じように。
つまり「再現部」ではまさに、一回目、2回目のフレーズが再現されるのだけど
どうしても演奏している間に、「軽さ」が飛んだり音量がでかくなりすぎたりする。
このことも何回か指示があったっけ。

 

中島ワールドの言葉は、演奏時間と同じくらい、たくさん発信されているんだけど
あとになると、なかなかトレースするのは難しいものだ。

でもこんな感じであと2か月、くりかえり指示をしてくれている間に、
ドイツ音楽のエッセンスは体に染み込んできそうな予感がする。

ただし、ドイツ音楽と言っても、モーツアルト、ベートーベン、ブラームスでは
随分違っているようで、このことを感じ、弾き分けるまでにはなかなか大変だと感じた。

 

コメント (7)
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