チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

楽しかったけど、悔いも残ったラフマニノフ交響曲第2番

2015年06月30日 00時02分49秒 | 市原フィル

市原フィルの定期演奏会が終わった。
茂原交響楽団での「マーラー5番」から一月半で「ラフマニノフ2番」へのチャレンジは無謀な試みではあったが
何とか、大きな迷惑もかけずに、ラフマニノフらしい音楽空間に存在することができてほっとしている。

  【  第30回定期演奏会のポスター  】

しかし”分不相応”のおかげで、演奏会終了直後にマッサージに駆け込み、久しぶりに昼近くまで爆睡してしまった。
たった1日前の出来事なのに「遠い思い出」になったような不思議な感覚だ。

ちょっとこれまでを思い出してみよう。

この半年は、マーラーに取り組めばラフマニノフを忘れ、ラフマニノフに取り組むとマーラーがおぼつかないというジレンマの連続だった。5月連休明けからは、ラフマニノフ1本に絞って難易度の高い場所に集中できた。

「遠い思い出」の中には、市原名物の合宿練習もあった。
交響曲の危ない箇所を、コンミス殿が毎回4か所ほど選択し、弦楽アンサンブルとして、全団員(参加したトラさんも)で練習し、全員の前で発表するという企画だ。

  【弦楽アンサンブルの組み合わせ】

合宿全体は大変ハードな練習が組まれている(合宿の最後は完全な通し演奏でへとへとになる)。
そんな中でのアンサンブルは、以前は恐怖の時間だったけど、さすがに8年もチェロに触っていると馴染んできてアンサンブルで「交響曲」の一部を再現し、合わせてゆくことは、楽しみになってきた。

定期演奏会の前日はゲネプロという全曲演奏があり、この段階でいよいよ翌日本番での最終調整となる。
自分にとっても決断が迫られているわけで、最終的に「弾くのか、弾かないのか」「簡略演奏にするのか」という具合。
この段階ではっきりしたのは、ラフマニノフでの白黒はついていたものの、サブプログラムの「眠れる森の美女」に沢山の問題があることが分かり、前日深夜までチャイコのおさらいをしていたっけ。

演奏会当日午前中はステージリハーサル。正直この段階では前日までの覚悟を最終的にテストする感覚だったかな。
「これで本番は行く」と全てが明確になればいいんだけど、正直なところ不安箇所は消えてはくれなかった。
ラフマの1楽章終盤、2楽章、終楽章の後半・・・あちこちにに不安要素があった。

  【 ステージ リハの様子 】

さて、こうして迎えた本番はどうだったんだろう。覚悟して臨んだはずだったのに、意外なところに大きな落とし穴があった。
ラフマニノフ2番ではなんといっても美しい緩徐曲の3楽章。ここまで苦労してきたのも3楽章のためだった。
ところがこの3楽章で道に迷ってしまた。始まってしばらくは良かったのだけど、集中力が切れてしまったのか、あっという間に迷子になってしまった。
周囲を見て、ボーイングを見ることで普通なら元に戻れるのだけど、チェロパートは4分奏になっていて、弓の動きがみんな違う。隣の弓に合わせて戻れたと思っても次の小節になると違う動きになってしまう。
いったいどこなんだ・・・と焦りながらも、自分が雑音を入れるわけにゆかないので、
結局一番弾きたかった楽譜数段で「弾いたふり」を続けるエアーになってしまった。

これは久しぶりに辛い感覚だった。がっがりというのか、残念というのか、せっかく自分でやったチャレンジを台無しにした気分。
もう少し練習しておけば、早いパッセージや、演奏そのものが難しい部分にばかり練習を繰り返すのではなく、演奏できるけど、一度迷ったら戻れないような部分を、もっと周りとの関係をしらべておけば・・・後悔が残った。

ま~それも2日演奏会からしばらく経つと、そんな苦い感覚も「遠い思い出」となり、またあのすばらしステージに立ちたいと思えてくるから不思議。


まずはリハビリもかねて、楽しいアンサンブル練習からリスタートしようと思っている。

コメント (2)
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