仕事日が続き、水が干上がりパサパサに乾き切ったカエルがひっくり返るような気分で3連休に突入した。よーしチェロやるぞ!と思っていたが体も精神も言う事を聞かない。まずはリハビリ。仕事から離れ忘れるのだ!そのためには僕の方法はDVDで別世界に没頭するしかないのだ。
ちょっと前までは24シリーズなどぶっ通して見ることで、さらにもう少し若いころはドラクエやらFFシリーズやらにのめりこんで、疲れ切りそして仕事から開放されたものだった。今はチェロがあるじゃないか!と思ったが、リハビリはリハビリ。何もやる気しないときはただ受身の気散じが必要なのだ。
かくして我が家のライブラリーから取り出したのは The Bourne Identity.
マットデイモン扮するスーパー暗殺者が記憶喪失から次第に本当の自分を知り、その途中でめぐり合った女性との絆を深めてゆく・・そのストーリー展開は何度も見てきたけど今回も面白かった。即 The Bourne Spremacyも立て続けに見ることに。疲れ果てて明けた朝からチェロに取り掛かった。
まずはモーツアルトをモチーフに編曲されたチェロアンサンブルをおさらいし、日本国中を吹き荒れている冬の夜の嵐を突き抜けて仲間の自宅へ向かった。千葉県の地方都市のさらに郊外にある、つまり一軒家なので夜のセッションもオーケーなのだ。
今回のアンサンブル練習で面白かったのは、曲を終えるたびに、録音していたMDをステレオで聞きなおすこと。落っこちやら音外しはお手のもの。ひどい時には数小節ずれたまま演奏していたり、ナチュラルを見逃して半音ずれた気持ち悪い不協和音を「なかなかモダーンな編曲だね」などと言い合って大笑いしている時間がとても楽しかった。老若男女がチェロを抱えて集い、深夜まで演奏を楽しんでいるなんて、いい感じじゃない。恐らく我々の年齢差は40を超えているはず。
そして3日目。相変わらず激しい嵐の中、久しぶりにオケの練習に参加した。こちらの練習も大荒れだった。チャイコフスキーのイタリア奇想曲は実はとても難しい。チェロを初めとする弦も32分音符の連続スケールが続くところがあり「プロでもまともには弾けない」らしい。またトランペットを中心に金管楽器が大活躍するのだけど、哀しいことに現在トランペットは転勤者が出て1人欠けたまま。
さすがの指揮者の先生も(いつもは冗談ばかり言って笑わせてくれるンだけど)「しっかりしてくれよ!この曲を選択するということはよほど上手い演奏者がいるんだねって言われるんだからさー。自分たちで選んだ以上やってもらうよ」とまずは管に対して鋭い一閃。返す刀で「チェロ!練習しておくように言っただろ!出来ないんだったら時間の無駄だから、できるまではこの部分の練習はお預けだからね。出来ない限り練習しないよ!」とバッサリお切りいただきました。
久しぶりに「チェロ無言」。練習しなくっちゃ! 16音符の連続やら32分音符がまるで風のように駆け回る楽譜と本当に真正面から向き合って「それらしく」聞こえるようになるまで頑張んないと・・・と心に誓ったのであっりました。