チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

深圳という街を見て、改めて感じたこと

2018年11月02日 22時39分46秒 | その他雑感

毎年恒例の近隣アジアの街歩きで、昨年に続き今年も香港、深圳を歩き回った。
「でかい!」とか「すごい!」とかは去年と同じなので、その他の事をメモしておこう。

1)深圳の「秋葉原」を歩いて
深圳の秋葉原と言われているけど、今や最盛期の秋葉原の100倍は電気部品屋がひしめいている。
一体誰が買うんだろうというほど、全てのビルのフロアーに電気電子関係の店が詰め込まれ、人であふれている。
昨年と違うのは、アラブ系やアフリカ系など外国人が少なくなっている気がする。

2)至るところに「交番」があり、安全でクリーンな街ではある。

他の中国の都市にもPOLICE BOXが沢山作られているのか、深圳の街だけの特別施策なのかは不明だが、
街のいたるところに「交番」が設置されているのを今回認識した。
巡査?は犯罪捜査だけでなく、環境を維持するための監視指導をしている。
そのためか街にはゴミがない。アジアの街としては極めて異質(日本のよう)


巡査はセグウェイで常に巡回している。ただ制服は着ているが英語も通じず取り締まりも緩い。
スマホ見ながら巡回しているし、休憩所も覗いてみたけど真面目な日本のお巡りさんとは比べられないほど、ゆる~い。

3)安全だけど、プライバシーは存在しない 恐ろしく"進化"した街

思えば入国のイミグレーションには、銀行のATMにあるような指紋採取装置があり
左右四本ずつの指紋を録り、さらに両方の親指も登録させられ、顔認証もばっちり撮影。
いろんな国に行ったけどこんな経験は初めてのことだった。
日本の「指紋押捺問題」などかわいいもので「中国ならしかたない」思わせてしまう国だ。

しかしこれは恐ろしいことで、現地の人に聞くと、信号無視(歩行者も)した瞬間に、信号機上の
カメラで撮影した画像が、登録画像と照合され、交差点にある巨大スクリーンにその人の姿とともに、
姓名、出身などの個人情報が映し出されるとのこと(嘘みたいな本当の話)。

中国政府(共産党)にイミグレーションで採取した個人情報は永久に保存されるのだろう。
将来的には中国圏である限り犯罪行為は何もできなくなるし、犯してもすぐにバレることになる。
(日本でも中国人だけには、同じことをやってもいいのかも知れない)

4)中高年者がほとんどいない、本当は「生きづらい」街

深圳市内を歩いて老人を見かけることはほとんどない。
夜の繁華街も安全だが、若者しかいない渋谷のようだ。

国内の様々な地域からの出稼ぎなので、互いに通じる言葉は「標準語」(北京語)。
日本でいうと東京の様に、元の住民はごく少数で、ほとんどが「よそ者」の街なのだ。

猛烈な勢いで成長する街・深圳について「この街は中国人の憧れなんでしょうね」と聞いてみると、
想定外の答えがかえってきた。
「ほとんどの住民は故郷に帰りたいと思っている」とのこと。
40才代まで企業に残れることはほとんどない、大変厳しい環境なのだそうだ。

 

5)何もかも電子マネーwechat payで
ちょっとマイナス面ばかりになってしまたけど、電子マネーの浸透は本当にすごい。
地元の人たちに大変人気で、朝から行列ができる、おいしい川魚料理の店に行った。

この店では、店員と会話したり、目を合わせて注文などはなく、メニューの絵にスマホをかざすだけ。
その瞬間、注文から料金精算までの全てが wechat payというSNSの電子マネーで行われた。
すぐに案内された席について待つと、洗面器大の魚料理のセットが運ばれてくる。
実に合理的でスピーディー。これなら言葉も通じない、「多民族国家・中国」でも成長可能だろう。
味は四川風で大変複雑・超美味だった。

6)深圳にある世界最大の「絵画の街」も訪問した

 

数ブロックの街全体が、絵画と画材の店で埋め尽くされている。
ほとんどが神業的な「贋作」作家。最近「世界で一番ゴッホを描いた男」という
ドキュメンタリー映画が日本の映画館で 封切りされたばかりだ。
写真に写っている女性画家は、自分のオリジナル作品を描いている。
おそらく1枚描くのに1~2時間で完成させていると思う。

下記は別の店で購入した、チェロアンサンブルの絵。

飛行機に載せて持ち帰るサイズの楽しい絵はなかなか見つからなかったが、街を歩き回り帰り際に
ちょうどチェロやアンサンブルの明るく楽しい絵があったので購入した。
交渉の結果、2枚で100人民元(=1700円位)と半額に。雑だけど、手書きの油絵で満足。

7)中国新幹線で香港に戻った

「中国の香港への侵入」と報じられた新幹線は、一言で言えば「ハード先行ソフト貧弱」

深圳から香港に向かう新幹線に無理を言って乗せてもらい、香港に帰ることにした。
最終電車だったこともあるが、東京~新横浜と同じような15分の距離なのに70分かかってがっかりだった。
その理由は、飛行機と同様の手荷物、全身のセキュリティー・チェックがあり、
しかも出国のカウンターでも、おっかない役人がしつこくチェックしているので旅客のストレスは大きい。

新幹線そのものと、駅の巨大さはすごいが、全体に感じる威圧感、巨大すぎて走り回らせられる疲労感、
新幹線ホームとそれまでのアクセス通路の設定のちぐはぐさ(新幹線のホーム端っこに着くので、
新幹線の中を、みんな大荷物を持って何輌も歩かされた。この間、日本なら案内する人がいるはず)

大汗かいてようやく着席しても、子供が野放しで大騒ぎしても親は無関心(これは新幹線に限らないけど)
社内のトイレが少々臭い・・・ハードはいいのに、なにもかも悪い印象をもってしまった。

 香港に「侵入」して作られた「中国」側のイミグレーションまで来て、またストレスを感じた。
磨き切れず「ざらつい」ているだけでなく、うっすらと怖さを感じさせる規制と監視の中国がそこにあった。

そしてほんの10メートルほどで、「香港」のイミグレーションで、
ぼくだけではなく、多くの旅行者はホッとしたはずだ。「自由の世界に戻ってこれた!」という感じだろうか。
イギリス、西欧のマナーを心得た「香港」はどこか洗練されていると感じた。


 

 

コメント
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