チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

アンサンブルの怖さ

2012年11月26日 21時39分26秒 | アンサンブル

日曜日に市原フィルのアンアンブル大会があった。

今回は仕事などの都合で、チェロアンサンブルも、弦楽アンサンブルも参加せず
ブラームスのクラリネット5重奏だけに参加させていただいた。

千葉寺駅近くの「ハーモニープラザ」には、楽屋というか舞台袖の空間もなく
リハーサルの時間は無いものと覚悟していたのだけど、
ホールの下の階に練習スペースを確保しておいてもらえたのはありがたかった。

おかげで、気温の変化が激しい中でクラリネットと弦の音合わせができたし
ほんの10分程度だったが、出だしやprestoに変化するあたりのチェックが出来た。
でも舞台にあがるまで、息切れがするような状態だったのは、緊張だったのだと思う。

舞台に上がってクラ爺がMCするわずかの間に最後のチューニングができた。
立ち上がって全員で挨拶をし、クラ爺の首が振られればスタートだ。

最初の7小節はクラとビオラとチェロだけ。
バイオリンは8小節目から入ってくる。
この最初の7小節さえ切り抜けられればあとは何とかなる。

ところが、アンサンブルの神様は、そんなところではなく、
あちこちに落とし穴を用意してくれていた。

prestoにこぎつけ、やれやれ、と思う間もなく、何かが合わなくなってきている。
ハーモニーも、リズムもずれている。何かがおかしい。
2日前、最後の練習でも、半拍~1拍のズレを感じて暗礁に乗り上げたことがあった。
「まずい、まずい・・・」と思いながらも、どうずれているか分からない。
知っている人が聴けば、ガタガタ、崩壊寸前と感じているだろう・・・


アンコン直前にコンミスから全参加者に「ステージマナーはしっかりと!」と通達があった。
「・始める前の挨拶。
 ・何があっても演奏を止めない。がんばる!本番は一回きり!
 ・まちがえても舌をだしたり、頭かいたり、苦笑いしたりしない。
 ・終わった後の挨拶。どんな演奏であっても、それなりにできた顔をして、
  しっかり客席を向いて挨拶して下さい。」

このメールを5人で見て
「そうだよね」
「頭なんか掻いたりしないことだね」
「こういう曲なのよ、当然という顔をしようね」と言い合った。

そして何よりも
「どんなことがあっても、最後までやろうね」
「万が一クラや1stバイオリンが落ちても、どちらかに合わせて生き残ろうね」
などと真剣に誓い合ったっけ・・・

そんなことも頭によぎりながらも
「おかしい・・・・」
「合わない」
「止まっちゃったらどうしよう・・・」
などと思い始めたら、次第に血が昇り始めてくる。どうしていつもの調子が出てこない。

「次の頭でチェロのpizzが入らないとみんな困るよね、でも間違って入るともっと大変だよね・・・」
何て思っていると、大事なpizzを弾けなかった。
そして次の明確な復帰ポイントを手探りしながら進んだ。

ようやく明らかな復帰ポイントで全員揃うことができたけど、
その後ももう一回怪しげな状態となり、再復帰して終盤を何とかまとめることができた。

「しっかり客席を向いて挨拶・・・」も少々斜め向き、堂々と出来た自信はないまま舞台を後にした。
仲間の皆も、なんだか言葉が少ない。何がどうなったのか・・・
散々練習してきたことが100%発揮出来なかったことは、全員が感じていたと思う。

「やっぱ、ブラームスは難しいわ!」という1st嬢のさばけた感じが第一声だったか・・・。

自分としても、何がどうなったのか、未だに分からない。
ただ、どれだけ慣れてきていても、本番では何が起こるかわからないのがアンサンブルと思った。
一方で、何回も崩壊の危機に晒されても、復帰して演奏し切ったのは、重ねた練習のお陰だとも思う。

アンサンブルは怖い。でもだからアンサンブルはたまらなく面白いと思う。
「来年またやろうね」と言い合ったものの、ブラームスの他の楽章が練習で立ち向かえるのかどうか。
現在のところ、全く自信はない。

コメント (5)
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アンサブルで初歩的ミスを発見

2012年11月10日 21時49分58秒 | アンサンブル

アンサンブル・コンサートの練習に、仲間が久しぶりに集まった。

クラリネット五重奏のクルーに寄せてもらって今年で3年目になる。
モーツアルトのクインテットが終わらぬまま(1楽章を避けたんだけど・・・)
ブラームスへの挑戦が決まり、取っ付きがよさそうな3楽章をアンコンの演目に選んだ。

今回も1stバイオリン嬢のお宅に集まり練習を開始した。
玄関ホール上の吹き抜けが練習会場なので、響きがいい。

しばらくオケが休みに入っているので、ブラームスのクラ5だけを
チョコチョコ練習していたので、合わせの初回から、止まることなく終了できた。
とはいえモーツアルトに比べるとシンコペーションが多いので、
あちこちでつっかえたりしたけど、復活できる程度には慣れてきたのを感じる。

3楽章の前半はAndantinoなので、全体的には破綻無く進んでゆける。
ただ、チェロに限って言えば、シンコペーションで進む16分音符の早いアルペジオがあり、 
『途中で脱落~お尻で辻褄合わせ』から脱却できず、個人練習の成果は発揮できなかった。
やっぱり一人練習と合わせでは、何かが全然違ってくるものだ。

3楽章の後半になるとPrest non assaiに変り、クラリネット、バイオリン、ビオラの
32分音符の急激な下降音形と上昇音形が交互に繰り返される。
ブラームスが、クラリネット奏者に速さで挑戦しているかのような箇所で、下手すると
悲鳴になりかねないような急降下がある。難しいテクニックが求められるのだと思う。
チェロ以外に登場するこの掛け合いが、今回の練習の一つの焦点になった。

クラ爺にしては珍しく「ここ吹けてないのよ・・」とやや弱音を吐いていた。
32分音符の頭とお尻以外は、数え切れないというか、正確に指が動かないらしい。
この箇所は、バイオリンにとってもビオラにとっても難しいので、
全体の速度を遅くするかどうか検討されたけど、
前半のAndantinoとのコントラストを考え、遅くしすぎると曲にならないということで、
従来からのテンポで何回か練習をすると、何とか収まりが良くなっていった。


練習の最後は、SONYのPCM RECORDERで本日の仕上がり状態を録音する。
僕の方から、「宅ふぁいる便」という無料サービスを利用して全員に配信している。
「宅ふぁいる便」は優れもので、開封したか、ダウンロードしたかも知らせてくれる。

録音を終了して、これで解散という段階で「今の、なしにして!もう一回!」
という声が掛かって再録音したものを、その夜のうちに配信した。
録音を何度もチェックするので、練習の録音ながら、少しでも良いもの残したいのだ。

僕も、合わせ練習のため何度も聞いているけど、チェロの不具合ばかり気になって嫌になる。
演奏している時は「なんとかなっている」と思っていても、録音装置はごましてくれないから。
まず音程のズレ。これはしっかりとしたポジション取りをしないと修正できない。
入るタイミングの遅れ。これは自分の中でしっかり数を数えていない証拠だ。

再度譜面とにらめっこしながら、適当に演奏していたものを修正してゆく。
16分音符のパッセージは、16分割で全部を演奏したり、歌ったりして、
着実に演奏できるように、練習を繰り返した。

すると、とんでもない間違いを発見した。
同じ音形なのに、二回目には ♯ が付いていたではないか!
ポジションが曖昧なだけでなく、譜面を見間違っていたんだ。
何回も読んでいるはずなのに、この段階になって ♯ を見逃しているなんて
のだめカンタービレの千秋の言葉を思い起こしてしまった。
「真正面から、譜面と向き合え!」と言ってたような・・・

次の合わせまでしばらくあるので、譜面を完璧に再読、参読し、
ボーイングの切り替えヵ所と、ポジション取りを自分なりに確定したうえで
繰り返し練習に進もうと思う。

コメント (2)
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