それは、施設のあちこちに楽器が飾ってあったり、演奏できるピアノがいくつもy用意してあるように、フロント横にはサイレントチェロが常に飾られていて、「いつでも無料でお貸しします」となっているからだ。僕も仕事の後はチェロに即戻れるというわけ。
YAMAHAのサイレントは自宅でも重宝しているけど、こんな施設で借りれるのもまことにありがたい。衝撃にも少々乱暴な扱いにも耐えてくれるのがサイレントのいいところ。あちこち硬い感じ(弦も硬い、弓も硬い、音色に至っては・・・)がするけど、思いっきりビブラート掛けたり、思いっきりフォルテのつもりで弾いても、近所迷惑の可能性は限りなくゼロに近いのだから、そこが買いだ。
このホテルでチェロを借りられることを見越して、秋のコンサートの楽譜と、学友とのアンサンブルの譜面を持参して、譜読みプラスαの練習が出来たことはちょっとした満足感だし、フロントから売店を経て自室に戻る途中で「あれチェロ?」とかささやきが聞こえるのも、リゾートにいる姿としてはちょっと美しい感じがするので気分がいい。
ヤマハグループが運営するつま恋も、様々な音楽イベントを歴史に刻んできただけに、あちこち古くなってきているのは心配(これって何とかしたいという気持ちからだけど)なのだけど、景色、環境、ここに集う人の中に明らかに音楽関係者と思われる人たちが、外国人も含めて多数いるのも、なんだかとても貴重で、永遠に続いてもらいたい施設だと感じさせてくれる。
まだ少しこの場所にいるので、毎日チェロを借りて、つかの間のリゾートごっこを楽しもうと思う。
今からアイネクライネと、スターヲーズの組曲だけはさらっておこう!