ちあの散歩道

輝いてアラカンヌ☆ありがとうの言葉を添えて暮らしのドアをそっと開けると今日も豊かな感動と新しい気づきが待っています。

80歳のパフォーマー・黒田オサムさん

2011年11月30日 | 映画・芝居・芸術など

 

末広町の「アーツ千代田」で行われているニパフのパフォーマンス(12月2日まで)。
[第16回ニパフ・アジア・パフォーマンス・アート連続展'11]に行きました。
海外からの参加者も含む若い学生アーチストに交じって、80歳の黒田オサムさんも頑張っていました。

この日は6人のアーチストが舞台に立ちましたが、黒田さんはトリをつとめられました。
大杉栄の『日本脱出記』初版本を持って登場する黒田さん。
「労働者諸君!!」で始まる黒田節と、大杉栄に扮した黒田さんの芸のおかしみをぞんぶんに味わいました。

 
 

それにしても、80歳でこの身体のやわらかさ。
観ているのは簡単ですが、行うのはとても難しい動作の数々を黒田さんは相変わらず軽々とこなし、じわりと心を打つパフォーマンス芸の確かさは、人々を感動へと誘います。
私はもう何度もこの黒田さんの“大杉の芸”を観ていますが、何度みても惹き込まれます。
黒田さんが黒いハットをとり、チョンマゲをキュッキュッと引っ張るとBGMが流れ始めます。
このときの黒田さんの表情と間合いの感覚がときどき、観客の笑いを誘うこともあります。

黒田さんは、今年も何度かの海外公演をニパフと共に行いました。
私がいただいた直近の手紙には「ビルマから帰ってきました」とありました。
鉛筆で便箋2枚に書かれたその手紙には、黒田さんは画家のほか、詩人でもあったんだと思うほどステキな文でビルマでの様子がつづられていました。美しいビルマの写真も入れられていました。
70歳にして黒田さん初めての海外公演はヨーロッパだったとか。
ニパフ代表の霜田さんの話しによれば、そのとき初めて黒田さんは飛行機に乗り、ホテルについたあと、霜田さんと同室。先にシャワーを浴びた黒田さんに、霜田さんが「黒田さん、先に休んでいて下さいね」と言い置き、シャワーから出てみると、黒田さんはベッドの上に横たわっていたそうです。
黒田さんはこの時初めてベッドというものに寝たので、ベッドの使い方がわからず、ふとんの中に潜り込むのではなく、ふとんの上に寝ていたそうです。

パフォーマンスが終わり、黒田さんと少し話しました。
私が黒田さんに、「ますます冴えてきましたね」と感動を伝えると、
黒田さんは、「こんなことしかできなくてねぇ……」と、しんみりと、いつもの黒田スマイルで返して下さいました。

いつまでもお元気でご活躍して下さいねと、そんな祈りを持ちながら会場をあとにしました。
黒田さんは12月2日午後7時からのニパフ公演にも出演されます。



パンの缶詰

2011年11月29日 | 社会

今朝の東京新聞1面にパンの缶詰の記事が載っていました。
いい話だなあと思って読みました。
「NPO法人・災害支援機構 WE CAN」で、非常用のパンの缶詰で知られる製パン会社社長が中心メンバーです。

私は、阪神大震災後、震災調査に加わった知人の紹介でパンの缶詰を1箱(たしか24缶か30缶入りだった)買ったことがあります。我が家の備蓄用としてタンスの上に段ボールのまま置いていたところ、3年の賞味期限を過ぎて気づき、結局はもったいないので食べましたが。

のちにWE CANのパンは若田光一さんがスペースシャトルに搭載したそうです。
新聞によると、システムでは1口5000円の寄付をすると、WE CANでパンや水、布団を購入し、契約ができた寄付者の近くの備蓄倉庫に備蓄され、救援物資として行政に頼らず早く直近から被災者に届けることができるということのようです。
さらに2年を過ぎたパンの缶詰は回収し、食料不足に苦しむ海外の国に送るシステムも完成しているようです。
パンの缶詰が、消費期限切れを起こすことなく無駄なく巡回するシステム、いいですね。
パンの缶詰は乾パンと違いやわらかくふっくらしていて美味しかったことを記憶しています。

自宅の備蓄用にこのパンの缶詰、購入しようかな……。


小湊鉄道沿線・飯給駅、月崎駅のイルミネーション

2011年11月28日 | 道・あるく など



写真上は「市民の森」へ行く最寄駅、月崎駅・駅舎のイルミネーション
写真下は飯給(いたぶ)駅駅舎のイルミネーション。夏に作ったかかしが田んぼの中で皆さまを出迎えていますよ。



イルミネーションのつづきです。

JR五井駅から養老渓谷へ向けて発着する小湊鉄道線。
里山に深く入りくんだ小湊鉄道線には無人駅がたくさんあり、月崎駅、飯給駅も無人駅です。

市原市民の森は月崎駅で降ります。
その月崎駅と一つ手前の飯給駅のイルミネーションです。
市民の森のイルミネーションと比べると、静かで、さらにメルヘンの世界へといざなわれます。
駅舎周辺のイルミネーションは、里山のボランティアグループにより、行われています。

市民の森が本格イルミネーションだとすると、こちらは手作りイルミネーションといえるでしょう。
これがなかなかいいのです。
素朴で、温かみがあり、手のあとが残る、楚々としたかわいらしいイルミネーションです。
私はどちらかというと、こっちの方が好きですね。

イルミネーションは12月中旬まで行われています。
小湊鉄道に乗って、田舎の里山イルミネーションを楽しんでみませんか!!


市原市民の森・イルミネーション点灯式 と 里山ボランティア

2011年11月28日 | 社会



11月27日(日)、市原市民の森のイルミネーション点灯式が行われました。
今年のテーマは、赤を増やし、「ガンバレ東北・ガンバレ市原」です。
3月11日の東日本大震災のあと、様々な議論を重ね、催行か中止かなども踏まえて、今日のこの日に辿りついたようです。





陽が沈んだ里山に広がるイルミネーション。
夏の菖蒲畑に水が張られ、電飾の演出効果を醸し出していました。

午後5時から行われるイルミネーション点灯式に先駆け、里山ボランティアの方がたが朝から繰り出しました。
私も、朝7時の電車に乗り、五井駅で友人のヨシミちゃんに拾っていただき、五井からは車で市民の森に行きました。

 

市民の森はお天気に恵まれ、風も無く、焚き火の準備も出来ていて、「飯給・松本グループ」との再会を喜び合いました。
(写真左は、シェフ山田、「飯給里山便り2」を書くitabueki松本先生、斉藤さん、ヨシミちゃん、斉藤さんの友人/写真右は、左から平田さん、山田さん)。
みんな仲よしです。

 

地元ボランティアグループの中からさまざまな出店が出て、豚汁や焼きそばや焼きとり、手打ちそば、ぎょうざの揚げ菓子などのほか、お餅をついて、のし餅や、ちぎり餅の販売などが行われたけれど、私の今日の役目は、そのスタッフの方がたのために昼食用にふるまわれるシェフ山田のカレーライスつくりを手伝うことでした。
150人分を作りました。なべをこがさないように、かき混ぜる役目で、よい運動になりました。

 
 

私にとっての今日の圧巻は、鮎の塩焼きでした。
炭を起こし、塩を振った鮎をあぶり焼く……美味しかった~!!!!!

 
 
 

作る笑顔、頬張る笑顔、みんなみんなステキでした。

 

市民の森では、常設で森で収穫した野菜が売られ、冬は焼き芋の販売も行われています。
おいしそうなクレソンもありましたよ。



「市原ぞうの国」から、ぞうのマスコット・エルファくんもやってきました。



 



おいしい里山の空気と、地元産食材を使ったおいしい出店の数々。
たっぷりとお祭り気分を味わうことができました。
お世話して下さった皆さま、ありがとうございます!!!

この日の様子は、このお祭りの中心者のひとり、「飯給里山便り」のitabuekiさんのブログに詳しく書かれています。
こちらもご覧下さい。


『私たちは いつまでも 忘れない』

2011年11月27日 | 本など



11月24日に発行した本、『私たちは いつまでも 忘れない』(木戸満知子著/本の泉社・1300円)。
~岩手・宮城・福島 震災被災地巡礼の旅の記録(2011年7月16日~8月3日)

編集者の田島エリコさんがご自身のブログ「私のお葬式」11月27日で、この本のことを紹介してくれました。
ありがとうございます。
田島さんは、『私のお葬式』(マイコミ新書)という本を出している方でもあります。
女性の葬儀に関心を持ち続けている私に、ライターズクラブから田島さんを紹介していただき、書くしごとのご縁をいただいたという関係です。

『私たちは いつまでも 忘れない』の著者としては、拙著の紹介はとても恥ずかしいものですが、せっかく出した本なので、出来の良し悪しに関わらず、ひとりでも多くの方に読んでいただけたらという願いも持っています。

エリコさん、ありがとうございます!!!
先日の野口さんの公演にも、忙しいお仕事の合間を縫ってかけつけて下さいました。
ほんとうにうれしかったです。

さらに……いま、開いてみると、「思うままに」にも、この本を紹介していただいていました。
steelponyさま、ありがとうございます。

本は、昨日夜、私のもとに届いたばかりで、まだまだこれからお送りしなければならない方がいます。
もう少しお待ち下さいませ。

皆さま、ありがとうございます。


11月も終わり

2011年11月27日 | 自然 花や風景など

好きな季節は?と問われたら、これからの季節と答えます。
日本は四季に恵まれ、すばらしい自然に囲まれています。
どの季節もいいけれど、私はやはりこれからの、木々が落葉したあとの静寂な冬の季節が好きかもしれません。

寒さで凛と身の引き締まる感覚、それが周りの自然にも顕れる、そんな感じの季節がこれから始まります。


たたかい済んで、陽が昇り……

2011年11月26日 | 心・健康・癒し

昨日は、野口家に泊まり、朝帰りとなりました。

野口さんの舞踊公演が無事に終わりました。
ご参加下さいました皆さま、ありがとうございます!!!!!

一つの舞台を作り上げるのに、さまざまな方がかかわります。
舞台の上で踊るのは、文月若さんと野口祥子さんのふたりだけ。
舞台の上で音を奏でるのはギタリストの梅田光雄さんと、声明の桜井真樹子さんのこちらもふたりでした。
さらに舞台美術では和紙作家の久光寧子さんが加わり、音響の方や照明の方、さらに舞台監督などが裏方として舞台を支えました。

3回公演の舞台で受付係りに集った人もさまざまにローテーションを組み、参加しました。
私はほとんどの方と初対面でしたが、皆さんてきぱきと動かれ、ふたりの主役を支えていました。
舞台がすべて終わり、出演者を交えたスタッフミーティング兼打ち上げが終わったのは夜中の11時半でした。
何とか帰れる!と終電車めがけて駅に走ろうとしましたが、野口さんに強く引きとめられ、「家に着いたとき、車から荷物を降ろすのを手伝って!」の一言で、「はい、はい」と返事をした私。搬入を手伝わなかったので、せめて搬出は手伝おうと、腹を決めました。

ふつうは、戦い済んで日が暮れて……となりますが、私たちはそれぞれにそれぞれの関わりのなかで新しい仲間を得て、ひとつのプログラムが終わるとそこから展開して行くその先にまた新しい夜明けを感じて、希望があふれてくるのです。
この公演が要となって、そこに集って下さった方々との絆は多方面にさらにさらに深くなります。
そんな醍醐味を感じています。

皆さま、ほんとうにありがとうございました。


今日(24日)、明日(25日)の「せんがわ劇場」

2011年11月24日 | 映画・芝居・芸術など

 

斉藤真一さんが描いた瞽女さんの絵に魅せられて、踊りを組み立てて行った野口祥子さん。
その野口さんの公演がせんがわ劇場(京王線仙川駅徒歩5分)で開催されました。
(写真は、リハーサル時のものです。)

今日の公演は午後7時からの1回公演、明日25日は午後2時からと午後7時からの2回公演です。
今日の公演には60名くらいのお客様がいらして下さり、その中には、思いがけず私の知り合いの方が飛び入りで来て下さるという大サプライズがあり、ほんとうにうれしかったです。ありがとうございます。

私は舞台上で野口さんの公演を観るのは初めてですが、彼女の執念ともいえる年1回の舞台公演はほんとうにステキでした。
斉藤真一さんの絵の世界が舞台に広がり、斉藤真一の好んだ色、赤が再現され、まるでお春瞽女さんが乗り移ったような野口さんの踊りに魅せられました。

ソロダンスのもう一人の文月若さんの踊りもそれはそれはステキでしたし、ギターの梅田光雄さん、声明の桜井真樹子さんもたっぷりと聴かせてくれました。
とてもよい公演でした。
25日も行われますので、ご興味のある方はどうぞいらして下さい。(当日券2500円)。




私は、11月24日に出来上がったばかりの、~被災地巡礼の旅の記録『私たちはいつまでも忘れない』~(1300円)、の本を売るために会場にかけつけます。


CATWARK株主総会?

2011年11月23日 | 映画・芝居・芸術など



神田末広町駅より徒歩2分のところにあるArts Chiyoda/アーツ千代田3331。
元の学校跡地か何かかしら?調べてみるとそのようでした。
玄関前の一本の木が象徴的でした。
ここは都心に近いけれど、新潟のアートフェスティバル・大地の芸術祭の会場のような雰囲気でした。



ここで行われている「藤原新也の現在 書行無常展」(11月27日まで)。

6つの広いブースに「中国」「日本』「印度」「三陸円顔行脚」「死ぬな生きろ」「福島桜」と、テーマごと分かれて展示されている藤原さんの写真、書などが心にぐっと迫るスペースでした。
これが写真?と思うほどの壁面いっぱいの大型サイズ。写真や書のどれもこれもが強烈なにおいを持って美しさを放ち、不覚にも涙が込み上げてきました。
広い会場のディスプレイの中には、藤原新也さんの、書を書いたときに特別にあつらえたアンティークレースなどで仕立てられた白いジャケットとシャツ、パンツ、ビーチサンダル?も展示されていて、お洒落な藤原さんらしく、こちらもとてもステキでした。

午後5時半からは、藤原新也さんと瀬戸内寂聴さんの対談会が行われました。
藤原新也さんの「CAT WARK」会員のオフ会の様相を呈した会場には300名の方が詰めかけました。
新也さんは、「今日はCAT WARKの株主総会をやろう!!」と、参加者に語り始め、最初から和気あいあい。寂聴さんをお迎えしてのトークも息の合ったとても楽しいものでした。

それにしても、寂聴さんを目の前にして、そのお元気なことと、佇まいの美しさに目を見張りました。
90歳の寂聴さんと65歳の藤原新也さん、ともに色気があり、うっとりと眺めました。
人の魅力は、声、言葉、雰囲気、しぐさ、笑顔などが一体となって醸し出されるということをあらためて感じたひとときでした。
印象に残った言葉は「代受苦」、「若き日に薔薇を摘め」。寂聴さんが若い人に向かって投げかける言葉だそうです。「代受苦」に話しが及んだとき、新也さんは席を立たれ、そばに用意されていた大きなパネルに筆でこの言葉を書き記しました。

さわやかで濃密な空気にあふれた、同じ空間にいることができたことを感謝せずにはいられません。
ありがとうございます。