神田末広町駅より徒歩2分のところにあるArts Chiyoda/アーツ千代田3331。
元の学校跡地か何かかしら?調べてみるとそのようでした。
玄関前の一本の木が象徴的でした。
ここは都心に近いけれど、新潟のアートフェスティバル・大地の芸術祭の会場のような雰囲気でした。
ここで行われている「藤原新也の現在 書行無常展」(11月27日まで)。
6つの広いブースに「中国」「日本』「印度」「三陸円顔行脚」「死ぬな生きろ」「福島桜」と、テーマごと分かれて展示されている藤原さんの写真、書などが心にぐっと迫るスペースでした。
これが写真?と思うほどの壁面いっぱいの大型サイズ。写真や書のどれもこれもが強烈なにおいを持って美しさを放ち、不覚にも涙が込み上げてきました。
広い会場のディスプレイの中には、藤原新也さんの、書を書いたときに特別にあつらえたアンティークレースなどで仕立てられた白いジャケットとシャツ、パンツ、ビーチサンダル?も展示されていて、お洒落な藤原さんらしく、こちらもとてもステキでした。
午後5時半からは、藤原新也さんと瀬戸内寂聴さんの対談会が行われました。
藤原新也さんの「CAT WARK」会員のオフ会の様相を呈した会場には300名の方が詰めかけました。
新也さんは、「今日はCAT WARKの株主総会をやろう!!」と、参加者に語り始め、最初から和気あいあい。寂聴さんをお迎えしてのトークも息の合ったとても楽しいものでした。
それにしても、寂聴さんを目の前にして、そのお元気なことと、佇まいの美しさに目を見張りました。
90歳の寂聴さんと65歳の藤原新也さん、ともに色気があり、うっとりと眺めました。
人の魅力は、声、言葉、雰囲気、しぐさ、笑顔などが一体となって醸し出されるということをあらためて感じたひとときでした。
印象に残った言葉は「代受苦」、「若き日に薔薇を摘め」。寂聴さんが若い人に向かって投げかける言葉だそうです。「代受苦」に話しが及んだとき、新也さんは席を立たれ、そばに用意されていた大きなパネルに筆でこの言葉を書き記しました。
さわやかで濃密な空気にあふれた、同じ空間にいることができたことを感謝せずにはいられません。
ありがとうございます。