本を読む目的は、まず、本の中に書いてあることを楽しむこと、そしてその万分の1でも内容を理解し、精神などを含め何かの糧にすることです。
それ以外に目的はないはずなのに、いつの頃からか、本を汚さないで読むことを心がける癖がついてしまいました。古本屋さんに売るわけでもないのにね。
最近買った文庫本2冊。『「古事記」入門』(瀧音能之著・光文社知恵の森文庫)と、『日本的霊性』(鈴木大拙著・岩波文庫)。いずれもネットではなく、本屋さんの店先で気になったので買いました。
鈴木大拙先生の『日本的霊性』は読んでいてとても面白いです。しかし、ちょっと難解。文字も今のものに比べると小さく1772年第1刷で、私が買ったのは2011年刊第46刷。
私は自分の理解を助けるために、文庫本のこの本に線を引くことに決めました。
線を引く行為は、付箋を付ける行為と格段に違うことを発見!!!!!
読みながら線を引き、線の箇所を確認しながらさらに読み進むことで、楽しさ10倍です。(ほんとは100倍位ですが、それではちょっと大げさ過ぎるので)。
線を引く作業を通して、読書って楽しいなあと、ひとり悦に入っています。
月に1回行っている読書会。
今日の課題図書は、松下竜一著『ルイズ父にもらいし名は』のため、パフォーマーの黒田オサムさんをゲストにお招きしました。
黒田さんは、大杉栄をテーマにしたパフォーマンスをやっています。黒田さんのパフォーマンスは海外でも高く評価され、若者にも大人気です。
ルイズは大杉栄の四女。私たちは「ルイさん」と呼んできました。不思議なご縁です。
参加者全員が揃うまで読書会をやり、本の中の出来事についても黒田さんに語っていただきました。とっても博識で記憶力抜群の黒田さん。
読書会の流れによっては、黒田さんにパフォーマンスをやっていただこうと思っていた私。
会場は神楽坂にある小さな出版社(とってもカタ~イ本を出しています)のオフィス。
81歳になった黒田さんのパフォーマンスを、こんなに至近距離で拝見したのは初めてでしたので、ヒタヒタとした感動がありすばらしい会になりました。
およそ30分、枯淡の境地漂う黒田さんの内面ににじむ思想性やお人柄がそのまま絵になり、私たち観客6名を感動へと誘って下さいました。思わず涙が出そうになったのは私だけではなかったようです。贅沢な時間が流れました。
黒田さんは当時流行りの「演歌(演説のための歌)」を2つも歌って下さいました。
パフォーマンスは生で観るもの、写真でコマ撮りしてもその実感とは大きな隔たりがありますが、数枚の写真をご紹介します。
大杉栄の『日本脱出記』を手にする黒田さん。
とってもダンディな黒田オサムさん。パフォーマンスが終わって記念撮影。
黒田さんがお元気なうちに聞いておきたいことがたくさんあります。
そのうち、黒田さんの本が出るかもしれません。仮題『黒田オサム 負けるが勝ち 落ちこぼれバンザイ!!』。読書会後の飲み会では、そんな思いつきの楽しいお話しも行ったり来たり。
(今日は常連の田中さんがお休み。マチちゃんが初参加)
100歳まで踊り続けたいと話している黒田オサムさん。
いつまでもお元気でご活躍下さいね!!!!!
本を読むペースを1日に100ページと決めてみると、案外これくらいは読めるものですね。
月に1度読書会をやっているけれど、私が課題の本を読み始めるのは1週間前くらいからです。
読書会参加者の中で一番暇な生活を送っているのはおそらく私です。
それなのに、ギリギリにならないと読み始めることが出来なくて……。
課題図書以外の本はいつも読んでいるのに、ね。
今の本は350ページ、3日で読めるといいのですが、少し余裕を持たせて1週間で読み終えようと算段しています。本を、さあ、読むぞ!と決めると演繹法でページを逆算し、1日に読むページ数を決めて目標達成。
本は増える一方です。
アマゾンでは読んでみたい本が1円というのもあり(送料は250円かかるけれど)、カード決済でもあることから、購入はいとも簡単手軽。早いものは頼んだ翌日には届くという便利さについつい乗ってしまいます。
最近買った1円の本は、『影をなくした男』(池内紀訳)。
最初のうちは、エンデの『モモ』のようなメルヘンを感じたけれど、これがなかなか面白いのです。
金貨と引き換えに自分の影を売ってしまった男の物語り。
影がないゆえに引き起こされてくる諸々の悲哀。影も戻らず、金貨も人々へ大判ふるまいで無くし、なけなしのお金で買ったボロ靴は、なんと7里の道が一足飛びの「7里靴」、主人公は旅に出て、だんだん自分が本当にやりたかったことに気づいて行きます。
(まだ最後まで読んでいないので、この先はお楽しみですが……あと20ページで読了)。
積読本では、やはりこれです。
山折哲雄著、『教えることは裏切られること―師弟関係の本質』(講談社現代新書)。
夏目漱石と和辻哲郎、柳田国男と折口信夫、棟方志功と柳宗悦、正岡子規と高浜虚子などから、さらに鎌倉新仏教の師弟関係へと記述は進みます。
閑話休題、マザーテレサは凡人の私たちに次の格言を残しました。
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人は不合理、非論理、利己的です
気にすることなく、人を愛しなさい
あなたが善を行なうと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう
気にすることなく、善を行ないなさい
目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう
気にすることなく、やり遂げなさい
善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう
気にすることなく、し続けなさい
あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう
気にすることなく正直で、誠実であり続けなさい
あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう
気にすることなく、作り続けなさい
助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう
気にすることなく、助け続けなさい
あなたの中の最良のものを、世に与えなさい
蹴り返されるかも知れません
でも気にすることなく、最良のものを与え続けなさい
(マザー・テレサ)
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本を読むのがとても遅い私。
そして、読んだあとから忘れて行く私。
それでもめげずに、これからは、1冊の本を丹念にゆっくり読むことにしました。
目白から大宮へと移動の一日でした。
目白の本屋さんで見つけた高峰秀子さんのエッセィ集2冊、『にんげんのおへそ』と、『人間住所録』。文庫本なので迷わず購入しました。
移動の電車の中や、今日の私のプログラムの待ち時間のカフェタイムで『にんげんのおへそ』の半分以上を読んだけれど、これが面白いのです。
ちょっと私と生きた世代が違うというのか、高峰秀子と高峰三枝子の2人の大女優さんが一呼吸置かないとこんがらがってどっちがどっちか区別がつかないようなありさまでしたが、高峰秀子さんは松山善三さんの奥さまで、晩年をとても潔く過ごされた、身の引き方の見事さなどは本やニュースなどで知っていました。
梅原龍三郎画伯のモデルになったことでも知られ、その名画なども晩年はさっさと手放して然るところに収めたという見事さは、今の断捨離ブームをはるか先行く先見性の高さでした。
本を読んで行くと生い立ちや数奇ともいえる女優業のスタート(4歳のときに初の子役)なども驚きで、強運の持ち主というのか、天賦の才があったというのか、女優として神さまにこの世に送り出されたというか、こんな人生を送られる方がいるのだなあとびっくりもしました。
これから読み進んで行くのが楽しみです。
野口昭子著『回想の野口晴哉・朴歯の下駄』(ちくま文庫)を読んでいたら、面白い記述を見つけました。
まあ、この本はどこを読んでもためになり、面白いのですが……。
それは「気づかい」という章の中にあります。
ある人へ電報を打つ時、電文を15文字以内に収めようとして、弟子が次のような電文を考えました。
「コノヒトハヨイトオモウ ノグチ」。
それを知った晴哉氏は、電文を持って電報を打ちに出た弟子を、別の弟子に追いかけさせます。
「オモウとオモイマスでは相手の受けた感じが違う。料金の問題じゃない」というのが晴哉氏の考え方です。
ああ、なるほどその通りですと、感じ入ってしまいました。
言葉とは不思議なもので、出す側と受け取る側に、ときに微妙な温度差を感じさせるものを持っています。
親しければこそ、相手に礼を尽くしたいし、言葉によって、その関係性が微妙に動くものでもあるようです。
「ありがとう」ではなく、「ありがとうございます」など、丁寧な言葉を使えるといいなと思います。
野口晴哉氏の本の中の「気づかい」という章。
どのページを開いても、私に言われているようで、なかなか先に進みません。
久々の「松下竜一」本です。
松下さんは、すでに故人となり、あちらの世界へ還ってしまい、本を書けなくなってしまったけれど、松下竜一健在なり。
「『暗闇に耐える思想』 松下竜一講演録」 として今年1月に花乱社(1400円+税)から出された本です。
読んでいると、松下さんの声が甦り、耳に響いて来ます。
さらに、松下さんの表情までが届き、私は思わずなつかしさに涙ぐんでしまいました。
著者・松下竜一、編者・新木安利、梶原得三郎、藤永伸、発行者・別府大悟の各氏です。
1974年に『暗闇の思想を』を著して、38年。
松下ファンとしては、感慨深いものがあります。
編集、発行して下さった皆さま、ありがとうございます。
本がたくさん売れ、松下さんの声が多くの方に届きますように……。
11月24日に発行した本、『私たちは いつまでも 忘れない』(木戸満知子著/本の泉社・1300円)。
~岩手・宮城・福島 震災被災地巡礼の旅の記録(2011年7月16日~8月3日)
編集者の田島エリコさんがご自身のブログ「私のお葬式」11月27日で、この本のことを紹介してくれました。
ありがとうございます。
田島さんは、『私のお葬式』(マイコミ新書)という本を出している方でもあります。
女性の葬儀に関心を持ち続けている私に、ライターズクラブから田島さんを紹介していただき、書くしごとのご縁をいただいたという関係です。
『私たちは いつまでも 忘れない』の著者としては、拙著の紹介はとても恥ずかしいものですが、せっかく出した本なので、出来の良し悪しに関わらず、ひとりでも多くの方に読んでいただけたらという願いも持っています。
エリコさん、ありがとうございます!!!
先日の野口さんの公演にも、忙しいお仕事の合間を縫ってかけつけて下さいました。
ほんとうにうれしかったです。
さらに……いま、開いてみると、「思うままに」にも、この本を紹介していただいていました。
steelponyさま、ありがとうございます。
本は、昨日夜、私のもとに届いたばかりで、まだまだこれからお送りしなければならない方がいます。
もう少しお待ち下さいませ。
皆さま、ありがとうございます。
300ページの本を読むのに、どれくらいで読み終わるのかしら……?
本の種類によっても違うでしょうけれど、今、読みかけの本は1時間で35ページです。
この本を読み終わるにはおおよそ10時間が必要ということになります。
1日3時間を充てるとして3日半、2時間だと5日かかります。
何とか約束の日までに読み終わることができるかな……。
最近の『クロワッサン』に、ドミニック・ローホーさんの部屋が紹介されていました。
そのページの見出しは「12㎡の部屋で暮らす工夫、モノを持たない知恵」。
記事とともに、美しい部屋の中の写真が4ページにわたり、映し出されていました。
本や雑誌を買うときは、この一行をかみしめたいから、このページを何度も眺めたいからとそんな思いで買います。
クロワッサンを読みながら、考えた末、私は前から気になっていた『シンプルに生きる』(ドミニック・ローホー著/幻冬舎)の本を手に入れることにしました。
あっという間に、電車の中で読み終わりました。
含蓄のある言葉が並んで、生き方や暮らし方を考える中でよい刺激になります。
やましたひでこさんの『断捨離』本や、松浦弥太郎さんの『今日もていねいに』に共通する、底に流れる思想性のようなものを感じています。根っこはみんなおなじかなという、そんな感じです。
そして、これらの本は、私のようなあやふやに生きるきわめて単純でシンプルな読者を、年齢に関係なく引きつけ続けているのでしょうね。その意図にかかり、買ってしまったことがちょっと悔しいけれど、脱帽し、気に入って机周りに置き続けることでしょう。
やさしく書かれた暮らしのバイブルとでもいうこれらの本が、年甲斐も無く好きです。