たとえば脳脊髄液減少症・・・・・・

ある日、ソレは突然やってきたかにみえました。
30年前の交通事故の記憶がよみがえる・・・・・・

最期の一週間

2009年10月13日 | 脳脊髄液減少症

私には、癌患者の身内がいます。
昨年は、癌を患っていた一人の身内を見送りました。
そして、今、親友エリちゃんは、スキルス性胃癌と共生し、日々仲良く闘っております

癌患者さんの苦しみや辛さは、決して他人事ではありません。

癌に関する治療や民間治療について、
あれこれ検索していくうちに、たどり着いたのが
「緩和ケア」です。

ある緩和ケアのドクターが、ブログに綴っていらっしゃいました。
『最期の一週間』

数多くの癌患者さんの最期を見届けられた、
医師としてのお立場から書かれたその一文に、
顎が外れるほど、びっくりしました。

最期の1週間に差し掛かると
約7割の患者さんはせん妄を呈します。
夢の世界と現実の世界を行ったりきたりしているような状況です 

また、この時期になると体がとてもだるく
身の置き所がないような感じになります。

このだるさを
まるで、巨大なぬかるみにはまり込んでいくような
重く、身動きがとれない不快感と表現してくださった患者さんがいらっしゃいました。

それは、そのまんま、3年前の私の状態でした
腰椎穿刺により、脳脊髄液がドバーっと漏れ、
死に直面するような、尋常ではない身体の異変。。。
この世とあの世を行ったり来たりするような、あの浮遊感覚。
横になろうが、起き上がろうが、丸くなろうが、四角になろうが
どうしようもなく、身の置き所のない、激しいダルさ。
まさに、「まるで、巨大なぬかるみにはまり込んでいくような」重さでした。

あれは、やっぱり、「瀕死」の状態だったのです。
私の体のSOS信号は、決して狂っていたわけでは、ないのです。
にも関らず、救急車のはしごまでして運ばれた複数の病院で、
「異常ないね」「ただのパニック障害」「単なる自律神経失調症」と
失笑され、
「救急車をタクシー代わりに使って。。。」呼ばわりされたけど
あの時の私の状態は、確かに死と直面し、極限状態にありました。

「脳脊髄液減少症」は、見た目には非常に分りにくく、過酷な病です。
重度の脳脊髄液減少症患者さんは、その症状や体感覚が
がん患者さんの「最期の一週間」の状態(それ以上)なのに。
その状態が「一週間」だけではなく、
何週間も、何ヶ月も、何年も、
適切な治療がされず、放置されると何十年も
えんえん、と続く、恐ろしい病気です

今、脳脊髄液減少症患者と、そのご家族、関係者の方々が
この病気の認知、保険適用に向けて、
懸命に活動をして下さっていらっしゃいます。

湧水会 
朝日記事の湧水会の活動記事  
署名用紙

本当に頭がさがります。
心を1つにして、美しい輪が和となり、見事な広がり始めているようです。
素晴らしいです。

そして、「脳脊髄液減少症」という病気って一体なに?
と思われて、この愚ブログにも訪問して下さる方もたくさんいらっしゃいます。

私達、現役患者にできる事。。。
それは、病気の情報を発信していく事です。
いかに「脳脊髄液減少症」は過酷な病であること。
癌と匹敵するほどの症状があり、寝たきりになる場合もあり
呼吸困難や、不整脈などで突然死する可能性だってあるのに
一般的な検査では「異常なし」と放置され、無理解にさらされている現実。

結果、自殺願望が芽生え、精神疾患を患う方も少なくないはず

そして、ようやく「そうかも」と、脳脊髄液減少症の専門医の受診を受けたくても
なかなか受けられず、しかも、すべて自費。
検査を受けるだけに数十万。。。

そのような、厳しい現実を、是非、署名してくださる方々に知って頂きたいです。
もし、「脳脊髄液減少症」「ブログ」で検索し、読んで下さった方々が
「脳脊髄液減少症」って病名はオドロオドロしいけど、
たいした病気じゃないんだな
命に別状ない病気じゃん、やっぱり心の病なんじゃないの?
などと誤解されないよう、
出来るだけ、自分が体験した、
「世にもオソロシイ脳脊髄液減少症の世界」

をお伝えできなら。。。いいのですが。

だって
こうしているこの間にも
「最期の一週間」並みのダルイ身体をグッタリと横たえ、
仕事は勿論、自分のお世話も出来ず、周りからは、理解されず
社会の片隅で、希望もなく、救助隊を待っている方々が
大勢いらっしゃる、はずですから


脳脊髄液減少症はアルピニスト?

2009年10月06日 | 脳脊髄液減少症

台風が近づいているようですね。。。
皆様、心と身体の準備は大丈夫ですか?
負けないで、乗り切りましょうね~~~

ところで、
数日前のYahooニュースで見ました。

あるアルピニストさんが、「単独・無酸素」でエベレスト登頂にチャレンジしたとか。
結果、8000m付近で、断念し、下山したのですが。
その登頂の模様を動画で配信してました

標高8000mを超えた世界とは。。。
人の感覚はどのようになるのか。。。

そのアルピニストは語ります。

8000mを超えると、通称デスゾーン。  
気圧は、地上の3分の1。酸素は、平地の4分の1 。

あらゆる生命が生存できないため、一切のにおいがしない。とか。
登山中は、

「呼吸不全で死亡する間際の患者と同じ苦しみ。」
「毎秒、毎分、2日酔い感覚で歩き続ける感覚。」
「インフルエンザで39℃の熱がある状態でフルマラソンを走るようなもの。」
「苦しい、痛い、辛い」を超えた極限の世界。 」
「とんでもない世界に迷い込んだ感覚。」
「地球上で宇宙に行ける唯一の場所。」

そして

生きてるだけで奇跡です


ほへぇ~~~~~。

すげぇ
なにが、すごいって。
この感覚、私の日常と、まるで同じじゃ~~ん。

呼吸不全で死亡する間際の患者と同じ苦しみも
いつもいつも2日酔いで歩き続ける感覚も
インフルエンザで39℃の熱がある状態でフルマラソンを走ってる感じも
「苦しい、痛い、辛い」を超えた極限の感覚も
とんでもない世界に迷い込んだ感覚も
 
いつも宇宙と対話しているような死生観も。。。

すべて経験済みですが、ナニカ~?
私の日々を見事に代弁してくれているような気もしてきます

つまり
脳脊髄液減少症の患者って
毎日、エベレストの8000mあたりで生息しているのと同じ状態ってこと?
それって
すげぇ~ 
莫大な費用かけなくても、血のにじむようなトレーニングを積まなくても
エベレスト登頂しちゃってるんだ~
ある意味、ラッキー

ただ、大きく違うのは、

この動画を見た方々の感想。
「勇気をもらった」
「そのチャレンジ精神に感動した」
「よくぞ、生きて帰ってきてくれた、と泣いた」
「自分の甘さが恥ずかしい」

とかとか。ひたすらアルピニストを誉め称えていること。

脳脊髄液減少症患者さん達は、同じような過酷な状態で、
下山も許されず、ぜーぜー苦しみながら
その症状と闘っているにも関わらず、
病院の医師からは
「気のせい」「マイナス思考のせい」と相手にされず
周囲の方々からは「怠け者」などと蔑まれていること。

扱いが、まるで違いすぎる 真逆じゃん

もちろん、私は、エベレスト登頂の経験はありませんから
その本当の苦しさは理解しきれてないでしょう。
でもそのアルピニストさんだって、脳脊髄液減少症の辛さは知らない
はずですから、条件は同じです。
しかも、その苦しさは、ほんの2,3日だけで、24時間、365日、何年も続くわけではないですよね。
下山したら、その症状から解放されるんですよね~~。
いいな~いいな~

確か、登山経験を持つ、ある脳脊髄液減少症の方が
「脳脊髄液減少症の症状は高山病によく似てる」
と何かに書いていらっしゃったと記憶しています。

おそらく、脳脊髄液が大量に減少する事で、
標高8000m超のデスゾーンに突入していたのでしょう。
「気圧、地上の3分の1。酸素、平地の4分の1 」
の世界に、望みもしないのに、紛れ込んでしまっているのでしょう

mumumu
脳脊髄液減少症患者は、毎日がアルピニストでもあったワケです。。。
まさに
「生きてるだけで奇跡」なんですね