たとえば脳脊髄液減少症・・・・・・

ある日、ソレは突然やってきたかにみえました。
30年前の交通事故の記憶がよみがえる・・・・・・

いのちより大切なもの

2009年04月28日 | 心に残る言葉

『いのち』

いのちが一番大切だと
思っていたころ
生きるのが苦しかった

いのちより大切なものが
あると知った日
生きているのが
嬉しかった

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これは前回の記事でも紹介させて頂いた
星野冨弘さんの詩画集「鈴の鳴る道」
の一番最後に収められている詩です。

20年ほど前、この詩を初めて読みました。
「いのちより大切なもの」って何なんだろう~。
命が一番大切なんじゃないの?
それより大切なものなんか。。。あるのだろうか。。。

何度、読み返しても、何度考えても
答えはでませんでした。
大きな宿題として、心のどこかに残ってしまいました。

このように思われる方がやはり多かったようです。
「命より大切なものとは何ですか」。
との質問がよく届く、とどこかに書かれていました。
それに対して、星野さんは
「さあ、なんでしょう。。。ね。それは皆さん自身で探してみてください」
とだけ。

ますます謎は深まりました。
答えはどこかにあるらしい。
でも・・・その当時の私には探し出すことはできませんでした。

そして、かなりの時が流れ
尋常ではない症状が延々と続くのにもかかわらず、どこに行っても「異常なし」と放置される、地獄の経験をしました。
その後「脳脊髄液減少症」という病名を頂きましたが
死ぬほど辛い症状に苦しみ、
もし、この苦しみが永遠に続くのであれば、死んだ方がマシとさえ、思いつめ。
人生がリセットできるものなら。。。とどんなに願った事でしょう。

そこで、よみがえってきたのが、この言葉です。
「いのちより大切なもの。。。」

さらにその数年後、私の事をとても気にかけ、心配してくれていた
仲良しの友人エリちゃんが胃癌を患う事に

余命はあと1年か2年か3年か。。。
5年生存率は。。。期待しないで下さい、と医師から宣告されました。
「まだまだ死にたくない!」
「生きていたい!」
と彼女は、毎日のように電話してきました。

佐々木満男さんという弁護士さんが、先の星野氏の詩について、こんな風に書いています。
 「誰にとっても命は大切だ。
ほとんどの人が『自分の命が一番大切だ』と思っているはずだ。
ところが自分の命を大切にすればするほど
生きるのが苦しくなってくるから不思議である。
健康でありたい、長生きしたい、よい学校へ行きたい、
よい職業につきたい。よい結婚をしたい、仕事で成功したい・・・、
自分の命を大切にしようとすると、やらなければならないことが無限に広がって行く。
するとどんどん荷が重くなり押しつぶされそうになる。」

エリちゃんも、まさにその状態でした。
命を守ろう守ろう、とすればするほど、
生存率に拘れば拘るほど、どんどん苦しくなり
心までが癌に冒されているかのように見えました。

「生存率を考えるのはよしましょう!」
だって、癌の部位も形状も、その経緯も
1人として同じガンはないのに、それをひと括りにして
「生存率〇%」と数値化するのはナンセンスです。
患者にとっては、ゼロか100かのどちらかしかありません。
(数年前、父が大腸がんから肺に転移した時、主治医からかけて貰った言葉です。)

私だって、熱海の病院で、髄液漏れの検査入院した時、
RI検査をしてブラッドパッチをしない割合は1割未満、、、と言われたけれど
その1割未満のアナに、ズボっとはまりました。
つまり私にとっては100%の確立でした。

エリちゃんからの定期便コールは続きます。
「命より大事なものってなんなんだろうね」

命よりも大切なもの。。。命よりも重いもの。。。

考えて、考えて、考えて。
エリちゃんなりに、答えを見つけたようです。
その日から、彼女は変わりました。
「何がなんでも生きていたい!」から「天にすべてお任せしよう」
と想いを転換してみたら、心がふっと楽になり救われてきたそうです。
「生存率」の呪縛から解き放たれたとき
その時から、彼女の「命」は再びキラキラと輝きはじめました

話は変わりますが。。。
先日、4月21日
難病プロジェリアに冒されたアシュリーちゃんが、天に召されました。
17歳でした。
アシュリーちゃんは
「生まれ変わりがあるとしたら?」との質問に、
「もう一度自分を選ぶ。私は私であることが好きだから」と答えています。
また、辛い発作に対しても
「痛い。けれどもこの痛みも私の人生の一部だから」と。
彼女と同病のボーイフレンドのジョン君(16歳で帰天)も
「人生はどう生きるかなんだ。長さは重要じゃない」と言っていたそうです。
彼女たちは、いつも死に近いところで生きながら、最後まで人生を楽しみ、人を思いやり、輝いていました。


命はとても大切。そして尊い。
でも「一番」ではありません。
アシュリーちゃん達のこの言葉、生き方は、
「命」とはまた違う次元での深い意味を、私達に、教えてくれているように思います。


「第1回脳脊髄液減少症懇談会」

2009年04月19日 | 脳脊髄液減少症
前の記事のコメントで、「しんちゃん」から頂いた情報ですが、

明舞中央病院企画の「第1回脳脊髄液減少症懇談会」

が、4月18日に開催されました。
脳脊髄液減少症の患者さんのwhite_moon618さんが参加し
ご自身のブログで記事アップなさっています。
有意義な会のようでした。
私も近かったら参加してみたかったな~~

White Moon in the Blue Sky ~脳脊髄液減少症とともに~