詩集

本棚から学生時代読んだ詩集を取り出し読んだ。
開くとカバー代わりの
茶色く焼けたケント紙が鈍い音で破れた。
長い時を物語る。

古本屋から見つけ出したように
置き去れた独特の本の匂いがした。
嫌いではない匂いだ。

お嫁に来る時
こんなものを持ってきて
未だ開くことも無かった事に気がつく。

ゲーテ
ハイネ
モーパッサン
プーキシン
バイロン
ポオドレエル

こんなものを
若き時代に読んだのであろうか?
理解できたのであろうか?

中には
古典を読んでいるような文体で・・
などとパラパラと本をめくっていると
古本の匂いと共に
押し花を見つけた。
手に取ると崩れて落ちた。

覚えがまったくない。

他の詩集も手にとり
昔の自分の探しをした。
小さな染みに
大人になりたかった
幼き自分の陰を見る。

今読み返し
それら全ての詩集の言葉が
すっと胸に入る。
私は確かに時を重ね
多くの想いを重ねていたのだ。

熱き脈打つ詩集に
眠る事を忘れた。

彼らは
神を語り
恋を語り
戦争を語り
生きること人生を語る。

孤独を語り
自由を語り
苦悩を語り
喜びを語り
悲しみを語り
絶望を語り
希望を語る。

その全てに共感し
涙流した。

誰もが同じ想いを持つ
人はそうやって生きて行くのだろう。

この詩集は
少女だった幼き私からの
大人になった今の私への
プレゼントだったのかもしれない。

カザルスに始まり
最後はフジ子ヘミングのCDを聴きながら
とても良き時を過しました。

今日は心が喜ぶ宝物探しでもして見ましょう!!
では、頑張りましょう(^^)v

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