埼玉県秩父・長瀞「小さなホテル セラヴィ」の管理人(オーナー)が綴る、日々のあれこれ。
小さなホテルセラヴィの「時を愛でるよもやま話」
ピンク電話の椅子
これは23年位前の管理人手作りの椅子です。
その当時はまだ内線電話も設置してなく。
時々お客様がお持ちになった。
車から移動できるセカンドバッグのような大きな携帯電話も
憧れのまなざしで見ていた時代です。
肩から掛ける携帯電話も極限られたお客様だけだったので
公衆電話は必需品でした。
立ったまま電話をするお客様を見て
ゆっくり座れる公衆電話の椅子作りました。
もちろん大工さんの力もかなり借りながら・・・
初めて電動のこぎりのような機械も使わせてもらいました。
この椅子、当時はピンクの公衆電話の色に合わせてピンク色でした。
手の部分にピンク電話が乗り、
お尻を乗せる部分は管理人のサイズに合わせ
何度もすわり心地を試しながら作りました。
内線電話も設置し、携帯電話が少しずつ普及し始め。
ピンクの公衆電話も必要なくなった頃。
この椅子は、黒く塗られ内湯の家族風呂の脱衣所に置かれました。
もうお風呂場に来て15年以上。
手の部分にはタオルを乗せ、まだ黙々とセラヴィで働き続けております。
管理人も昔、お客様が居なくなるとこの椅子に座り長電話をしました。
10円玉を積み上げ・・・
その当時の受話器の重さも思い出し、
過ぎし日の楽しい時は、あのピンクの公衆電話の中にもあったんだなぁと
今は無きピンクの公衆電話と重い受話器を懐かしく思い出しました。
懐かしき時代を封じ込めたかのように黒く塗られた椅子は何も語ることなく、
静かにここへ座ってます。
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