二つの三波石


セラヴィの庭園です。
長瀞に流れる荒川をイメージして造った物です。
骨董品屋から持ってきた古木は船に見立て
川はゆっくり流れる長瀞の静かなトロ場を描きました。
窓から見える庭園の真正面の石は
管理人が気が付いた時には玄関の脇に鎮座して居ましたから
25年前からの主と思われます。
まるでコブラが頭をもたげているような形の石です。
これがお客様を呼ぶ「商売繁盛の石」だなどと云われ
玄関の脇に、お守りのように置かれたらしいです。
三波石という種類の石のようで群馬の鬼石より運ばれて来ました。
庭園は2年前に造ったのですが
一番いい所に座らせるのだから文句はないはずと
勇気を絞りこの石を移動しました。
(たたりなど信じませんが、でもちょっと・・)
掘り起こした後を整地する為、
邪魔な石をどかしていると
コブラ石の子供のような三波石が出てきました。
実は、「三波石」この名前を知ったのはつい最近ですが、
この辺にはない石ですから直ぐにペアーと分かりました。
小さい方の石は「姿が良くない」と石屋さんが判断なさったのか
頭とお尻が逆になってほんの少し地面から
平たいお尻が覗く小さな踏み石でした。
それで、誰もそれがコブラ石と同じ石(三波石)と気が付かなかったのです。

庭の正面に親子のように、恋人のように・・
三波石を向かい合わせました。
コブラでも商売繁盛でもなく
2つの三波石が出会えた喜びをここに残しました。
コブラの頭のように見えていた石の顔も
今は愛するものを見守る優しい顔になったから不思議。
小さい石は安心して甘えるように座ってます。
川の増水で再度2つの石が離れ離れにならないように
2つの石の周りには古い瓦の雲が取り巻いてます。
親子石か、恋人石か、兄弟石か・・・
それは見る方の感じ方でよいのでしょう。
本当のところは、まったく私達には分からないのですから・・・

それでも見つめ合う2つの石は、確かに幸せそうに見えませんか?


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