日曜日は、パルコ劇場にて三浦大輔さん作・演出の『裏切りの街』を観劇。
ポツドールの舞台は見たい見たいと思いつつ未見だったので、三浦作品は初めて見ました。
いやー、観たタイミングもあったんだろうけど、心にざくざく刺さってきて、見ていて心が折れそうになりました。胸が苦しくて。
彼女の家でバイトもいかず日々だらだらと過ごすヒモ男(田中圭)と、やさしい夫を持ちながらも退屈な日々をおくる主婦(秋山菜津子)がテレクラを通して出会う。
人間関係や日々のわずらわしさから逃げるように体を重ね、お互いのパートナーにもなんとなくバレずにやりすごしていく。
しかし、考えなければいけないことから目を背けながら日々を過ごす彼らにも、ある日ついにターニングポイントが訪れる…という物語。
これだけ男女のあれこれを書いていながら、いわゆる愛だの恋だのを描いていないのがすごい。
胸を焦がす愛や甘い恋がなくても、性欲や逃避欲や安心感やなんとなくの感情で男女の仲は進んでいく。
それが切なくて恐ろしくて、でも、なぜかホッとする部分もあったり。
あそこに愛はあったはず、とか愛の欠片探しをするのは野暮か。
ラストは、個人的にはちょっと救いがあった。
でも、“あ…あそこで切ってくれてたら、もっと救われたのに…”っていうところもあったけど。
キャストはみなさん良かったけど、田中圭くん、良かった!
背中を丸めてだるそうに動く、見ていてイライラするような青年。
でも、女にモテそうな要素は十分に残していて。ズルいな。
ちなみに私の隣の席は、圭くんファンの女子中学生でしたよ。
あと、なにげに脇役の“田村くん”のキャラが効いてたな。
絶対あいつそういう奴だと思ってたよ!
夫役の松尾スズキさんの「ほんとうのことはたくさんあって、ひとつじゃないんだよ」というセリフが沁みた。
そのときいっしょにいる人や環境によって“ほんとうのこと”は、ときに矛盾を孕みながらどんどん増殖していく。
「君のことがいちばん好き」と言うのも真実。でも、次の瞬間別の人に「君のことがいちばん好き」と言う。それも真実。
自分に対峙していないときの相手の“ほんとうのこと”を垣間見てしまうと、それがときには嘘や隠し事に見える。
それを真実だと受け入れるのはなかなかしんどいことだ。
しかもさらにタチが悪いことに、多くの“ほんとうのこと”はナマ物で、賞味期限はけっこう短かったりする。
だから、言葉も人の心も、なかなか信じられない。
“お願いだから、一生信じて寄りかかっていける、ほんとうのことをちょうだいよ!”ってついすがりたくなるけど、それは期待しないほうがいいこと。
信じられるのは、目の前の人の、いまその瞬間発せられた言葉や態度だけだ。
切ないことだけど、仕方ない。
自分の気持ちも同じように変わりやすいから。
でも、それは、ひとつの真実に絶望しても、すぐまた別の真実に希望を見出せる可能性も多いにあるってことだ。
変わっていく可能性にかけることができる。
救いはある。と思いたい。
と、こんなことぐちゃぐちゃ考えていても、
これからも、ふわふわと浮かんでは消えていく頼りない真実に翻弄されながら、それでも何かを信じちゃって、笑ったり泣いたりを繰り返していくんだろうなと、そんなことをぼんやり思った芝居でした。
エンディングテーマの、銀杏BOYZの「ピンクローター」もなかなか良かったです。
そういえば、後から聞いたら、H先生も同じ回を観てらしたそうで。
なにやらH先生といろいろ縁のあった週末でした。
ポツドールの舞台は見たい見たいと思いつつ未見だったので、三浦作品は初めて見ました。
いやー、観たタイミングもあったんだろうけど、心にざくざく刺さってきて、見ていて心が折れそうになりました。胸が苦しくて。
彼女の家でバイトもいかず日々だらだらと過ごすヒモ男(田中圭)と、やさしい夫を持ちながらも退屈な日々をおくる主婦(秋山菜津子)がテレクラを通して出会う。
人間関係や日々のわずらわしさから逃げるように体を重ね、お互いのパートナーにもなんとなくバレずにやりすごしていく。
しかし、考えなければいけないことから目を背けながら日々を過ごす彼らにも、ある日ついにターニングポイントが訪れる…という物語。
これだけ男女のあれこれを書いていながら、いわゆる愛だの恋だのを描いていないのがすごい。
胸を焦がす愛や甘い恋がなくても、性欲や逃避欲や安心感やなんとなくの感情で男女の仲は進んでいく。
それが切なくて恐ろしくて、でも、なぜかホッとする部分もあったり。
あそこに愛はあったはず、とか愛の欠片探しをするのは野暮か。
ラストは、個人的にはちょっと救いがあった。
でも、“あ…あそこで切ってくれてたら、もっと救われたのに…”っていうところもあったけど。
キャストはみなさん良かったけど、田中圭くん、良かった!
背中を丸めてだるそうに動く、見ていてイライラするような青年。
でも、女にモテそうな要素は十分に残していて。ズルいな。
ちなみに私の隣の席は、圭くんファンの女子中学生でしたよ。
あと、なにげに脇役の“田村くん”のキャラが効いてたな。
絶対あいつそういう奴だと思ってたよ!
夫役の松尾スズキさんの「ほんとうのことはたくさんあって、ひとつじゃないんだよ」というセリフが沁みた。
そのときいっしょにいる人や環境によって“ほんとうのこと”は、ときに矛盾を孕みながらどんどん増殖していく。
「君のことがいちばん好き」と言うのも真実。でも、次の瞬間別の人に「君のことがいちばん好き」と言う。それも真実。
自分に対峙していないときの相手の“ほんとうのこと”を垣間見てしまうと、それがときには嘘や隠し事に見える。
それを真実だと受け入れるのはなかなかしんどいことだ。
しかもさらにタチが悪いことに、多くの“ほんとうのこと”はナマ物で、賞味期限はけっこう短かったりする。
だから、言葉も人の心も、なかなか信じられない。
“お願いだから、一生信じて寄りかかっていける、ほんとうのことをちょうだいよ!”ってついすがりたくなるけど、それは期待しないほうがいいこと。
信じられるのは、目の前の人の、いまその瞬間発せられた言葉や態度だけだ。
切ないことだけど、仕方ない。
自分の気持ちも同じように変わりやすいから。
でも、それは、ひとつの真実に絶望しても、すぐまた別の真実に希望を見出せる可能性も多いにあるってことだ。
変わっていく可能性にかけることができる。
救いはある。と思いたい。
と、こんなことぐちゃぐちゃ考えていても、
これからも、ふわふわと浮かんでは消えていく頼りない真実に翻弄されながら、それでも何かを信じちゃって、笑ったり泣いたりを繰り返していくんだろうなと、そんなことをぼんやり思った芝居でした。
エンディングテーマの、銀杏BOYZの「ピンクローター」もなかなか良かったです。
そういえば、後から聞いたら、H先生も同じ回を観てらしたそうで。
なにやらH先生といろいろ縁のあった週末でした。
キャストみなさん良かった!
カーテンコールのとき、峯田さんが登場して
ギター弾き語りで生「ピンクローター」。贅沢。
生ピン!いいな~!
そろそろ鹿の日程も決めねばですね!