岐阜の画廊 文錦堂

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私の一押し作品!!≪花器・茶器編/佐竹 康宏 展より≫

2015-12-23 10:30:01 | 工芸
皆様、おはようございます。

今日は、天皇誕生日ということで、今年最後の日を楽しまれていることと存じます。

さて、13日()迄開催致しておりました「ー粛亀庵と号すー 木地師 佐竹 康宏 展」も、大盛況のうちに無事終えることが出来ました。
佐竹先生が大病を患われ、開催自体が危ぶまれた今展。
佐竹先生の気迫のこもった作品群を一目見ようと、会期中は県内外から本当に多くのお客様に足をお運び頂き、今年一番の人出となる大変素晴らしい個展となりました。
改めて、ご闘病中にもかかわらず “鬼気” 迫る新作をご出展くださった佐竹先生、そして多くの漆器愛好家の皆様方に、厚く厚く御礼申し上げます。

では、改めて「私の一押し作品」をご紹介致します。 ラストを飾る今日は、 「花器・茶器編」です。 

先ずは、DMにも掲載した「欅造花生」から。 木取りの上手さに定評がある佐竹先生ですが、杢目を活かした見事なまでの作品に多くの来場者の目が奪われました・・・。



   佐竹 康宏 作 「欅造花生」 H30.3×D13.0cm・・・・・(売約済

神代欅を使用した「角壺」も。 重厚感溢れる神代の木肌に所々黄金色の斑が彩る景色は、まさに自然が作り出した美です。



   佐竹 康宏 作 「神代欅造り角壺」 H29.0×D14.0cm・・・・・(売約済

注:「神代(じんだい)」とは、倒木が水や火山灰や土砂などに埋没し、酸素が遮断されることで菌や虫などによって腐敗することなく、長い年月を経て半ば炭化した木のこと。
非常に希少価値の高い銘木です。

 轆轤挽きの可能性に挑戦し続ける佐竹先生にとって、「花器」など高さが伴う作品造りは腕の見せどころです!!

続いて、品格を漂わせて小品ながらも存在感を放つ黒柿(くろがき)「棗」を。
黒柿の柄模様は、基本的には真黒・縞杢・孔雀杢の3つに分類されるそうですが、蓋表にはそれらの模様の中でも最高といわれる孔雀杢が見て取れます。



   佐竹 康宏 作 「黒柿大棗」 H7.3×D 7.3cm・・・・・(売約済

注:柿の木が数百年の樹齢を重ね古木になると、希に心材に墨で書いた様に黒い紋様が入るものがあり、その様になった柿の木のことを「黒柿」と呼びます。
古来より、黒柿は貴重な宝物として大切にされ、その希少性から市場において現在最も価値の高い木といわれています。

さらに、放射線状に広がる水脈の景色が素晴らしい



   佐竹 康宏 作 「蔦 香合」 H 2.1×D 6.4cm・・・・・(売約済

佐竹先生は、来年3月9日(水)より日本橋三越本店 第一画廊にて個展が予定されており、また個展開催に合わせて自身初となる「作品集」も刊行される予定です。
次回展では、さらに凄いことになりそうです・・・。

コメント
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